月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.832015年07月26日 |
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夏本番を迎え、暑い中でしたが、9名の参加者での例会となりました。いつものメンバーが少な
い状況でしたが、高校生たちの参加があって活気のある例会となりました。また、神戸から久しぶ
りの参加もあり、和やかな例会となりました。参加者の写真の一部が切れていました。お詫びします。
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自己紹介と近況報告
冥王星の画像からマスコミに流れた冥王星の画像をとりこんできたので、それを映し出しながら、気が付いたこと や分からないことを出していった。 (1) 冥王星の黄色い着色部メタンと関係があるような資料が目につくが、なぜあのような着色された部分があるのか理解に苦しむ。 (2) カロンの黒い模様まるで地球の衛星(月)の海のような暗い部分が写っている。熔岩平原?とは思いにくい。冥王星の周囲を公転している様子を見ると、暗い部分はいつも画面の上を向いたままになっている。月はいつも表側を地球に向けているが、カロンは違っている。 (3) 冥王星の山一つ一つを詳しく見ていくと、高い山は上が白い。まるで雪をかぶったかのように。でも、雪が降るような雲があるとは思えない。じゃあ、あの白いものはなにか。 (4) 氷の平原?流氷のような割れ目があって、下には液体状の何かがある。広がりながら大地に侵入しているような姿に見える。とても理解しやすい画像だが、割れ目から山のような黒いものができている画像については、黒いことが興味深い。 高校生の発表(宇根くん)
前回の例会に木星の撮像したものを持ってきたが、処理がよくできなかったので、改めて撮像しなおし、処理も練習してきた。(前回とは格段によくなっており、研究に使えそうな画像が撮れていた) 木星の近況(安達)木星のシーズンは事実上終了した。IRの画像が報告されてきているが、詳細な表面の様子をとらえることは困難だと思われる。前回の例会後、安達が見つけたことをいくつか紹介した。 (1) BA後方のSTBから流れ出る小暗斑
BAの後端には暗斑があるが、長さがどんどん小さくなってきており、7月26日にはBAよりも小さくなってしまった。この小さくなる過程で、暗斑の後端から小暗斑が次々に放出され、後方に流れていくが、30度ほど後方にあるリング白斑に到達すると、このリングの流れに吸収されて、小暗斑は消滅している。時々大きな暗斑ができた場合は、吸収され切らず、リング白斑の後方に流れていくものもあるが、今回はそういったものも、しばらくは離れていくが、自然消滅をしているようだ。
![]() ![]() (2) SEBの謎の明部
大赤斑の前方にあった、謎の明部はいよいよ分からなくなってきた。
![]() 図の中の青い線は、明部の前端と後端の位置を示しているが、5月になって、位置がはっきりしなくなってきた。6月9日には、SEBの中央に同じような明るさの小さな明部がいくつかならんでする様子が見られるだけになった。この分で行くと、消失してしまうように思われる。図の中の黄色い線は前方から接近してきた、同じ緯度になる明部だが、この明部が接近してきたことと、謎の明部の形状の変化とは、なにかの関連性があるように思える。残念ながら、これから先の変化は合になるため分からないままとなりそうだ。 (3) SEBの明化
大赤斑後方かく乱領域
大赤斑のすぐ後方のSEBZには、通常、かく乱領域がある。今シーズンはSEBnが淡くなって、見えにくくなっているが、5月21日の画像のように、大赤斑の下に、SEBの赤いベルトが滑り込んでくることが時折みられる。最近は、この傾向がはっきりしていた。そのため、大赤斑後方かく乱領域はSEBsとの間に挟まれた狭い領域だけになってしまった。IRで撮った画像を見ると、SEBsはGRSの北側を通り、大赤斑後方のSEBに流れ込んでいる。この時、IRでは前端でも後端でも同じ緯度に暗いベルトができる傾向がある。 新しい惑星用カメラ(ZWO ASI224MC)の紹介(熊森)
![]() 熊森さんからの報告
土星の近況
今シーズンの土星は、IR画像において大きな変化がとらえられており、カラーでは何もなかったかのような姿になっている。 ![]() このような大きな変化は少なくとも6月いっぱいは続いている。詳しい追跡はできていないが、例会では、IRの画像を日にちごとに並べ、姿を確認していった。最大、経度方向に180°位の広がりにまで乱れていた。これからの土星の観測に、一石を投じることになったように思われる。 薦田一吉氏の木星観測
1959年を中心としたスケッチブックを、安達が持参し、原版を参加者で見る機会を持った。東亜天文学会のスケッチ用紙に描かれたものが、大学ノートに貼り付けてあり、スケッチとその時のコメントがその横に記載されているというスタイルである。 事務連絡次回例会予定
これからの例会の予定 | ||
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