自己紹介と近況報告
- 安達
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7月末よりのっぴきならない用事がはいり、週末が使えない状態になりました。火星や木星が東の空に出ていることは分かっていましたが、体力的に朝が起きられず、観測は休止状態となっています。ようやくややこしい状況を脱したので、観測に着手したいと思っています。空いている時間は薦田さんのスケッチのスキャンに使っていました。
- 堀井
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8月に224-MCを買った。しかし、望遠鏡のほうがトラブルになり動かなくなってしまった。メーカーに送ったところ、ケーブルのトラブルだということで、修理は完了し、正常に動くようになった。どうも、ベランダに置いているシートの中で湿気たことが原因らしい。今は除湿剤を入れている。撮像は、今まで小さく撮りすぎていたようで、3倍バーローを買ったので、それで大きく撮像するようになった。ぼやけた写り方になったようには思わない。
- 奥田
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久しぶりに例会に来た。自宅庭の望遠鏡の格納庫が、脱線するようになった。いよいよ改修しないといけない。来年は庭から2mほど上げたところに、片流れのスライディングルーフの観測所を作る。今は、新しい職場だが、もうすぐ定年となる。
- 熊森
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観測菜初以降で来ていない。自宅からの観測対象がないためで、今はC14の改造に取り組んでいる。11月中に完成させたい。定年後続けてきた再任用も本年度で終わる。
- 堀内
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8月9月と見るものがなく、月を撮っていた。しかし気流は悪かった。火星は10月ではまだ高度が低くどうしても木星に力が入ってしまう。早起きは苦手だが、何とか続けていきたい。
- 畑中
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うまく撮れない40pを何とかしたくて、ナイフエッジテストを試みたが、うまくいかず投げ出してしまった。自宅の望遠鏡には夏に30cmを取り付けた。惑星が見えるまではdeep skyを楽しんでいたが、見えてきたので木星にシフトした。どうも望遠鏡に振動が出ていて気になっている。
木星会議の報告(畑中)
夏に行われた木星会議の報告を、畑中さんにしていただいた。行事の順番にプレゼンを作って
きていただき、それを見ながら報告を聞いた。関西からは畑中さんと熊森さんが出席された。今
回は学生の参加者が多かったとかで、集合写真を見て、皆さんうなづいておられました。
会議の最初は参加者からの近況を聞いた後、スケッチ大会となった。永長さんの撮像された木星の動画を見て参加者でスケッチを行った。久しぶりのスケッチで皆さん和やかに取り組まれたようです。講師は堀川さんで、スケッチからの展開図のつくり方や、眼視観測でのCMTのとりかたの解説が行われました。
ついで2014年から2015年の木星の変化についての解説がありました。2014年10月ごろにはGRS後方に循環気流が見られたが、15年1月から2月にかけて見えなくなった。約4か月続いたもようだ。GRSは縮小傾向にあったが、回復したもようとのこと。
次回の木星会議は、「静岡科学館る・く・る」で行えるよう、安達が交渉していくことになった。
木星の近況(安達)
東の空に木星が見えるようになり、面白い現象が見られている。
(1) SEBの謎の明部
観測が進むにつれて、GRS前方に位置していた
謎の明部(SEB light pach)は見えなくなってき
ているが、わずかな明部として残存しているよう
に見える。右図の画像からかすかに感じられるが、
ないというほうが正しいかもしれない。
10月2日の堀内さんの観測ではその直前のSEBZにWSが見られる。2014年9月に発生したものが次第に後退し、現在の位置に見られる。上記のlight pachに接近するにつれて、後退速度が鈍っている。
このことから、姿は見えなくても、影響力は残っていると思われる。
(2) STBゴースト
合の前に、GRSの後方に迫っていたが、合の間にGRSの南方を通過した。何らかの変化を
期待したが、何事もなく平然と通過してしまった。
(3) SEBsの異変
10月8日の永長氏の観測で、SEBsが異常に膨らんだ部分が観測された。その経度までの
SEBsの様子とは大きく異なっている様子に驚かされた。SEBsはあちこちが活発になってお
り、例会前日までたくさんの観測が寄せられている。どこからどのような活動が始まるか今後
の変化に注目したい。
(4) BA
合の前と自転時間の変化は変わらないが、周囲の様子が大きく変わった。合の前はWSの周囲を取り巻くアーチ状のバンドが存在したが、合の後はバンドがなくなりBAはむきだしになり、存在がわかりにくくなっている。中央のオレンジ色のリングは存在するものの非常にわかりにくくなっている。
BA前方のSTBnは大きく北側に傾いており、これから高分解度の画像が望まれる。
(5) GRS周辺の変化

10月17日の永長氏の観測によれば(上図)、GRSの直前にあるSEBsのリング暗斑がGRSの北側を通過した。10月22日にはGRSの真北に位置し、10月24日にはGRSの左下に移動しているのが確認できた。その後、GRSを周回するように前方に抜け、dark streakとなって、伸び始めている。GRS前方のSEBが濃く太いことから、しばらくはこの傾向が続くと見られる。
(6) 傾圧波
NEBnに傾圧波が見られるということが、ネット上に流れたので、傾圧波について調べてみた。
ネット上では地球の傾圧波についての解説があった。
中緯度に南北で異なる温度を持つ気団が存在し、その気団を前線が分けている。そしてその前線面にそって水平シアー(前線をはさんで風の向きが変わっている状態)が存在し、低気圧の
前方に温暖前線、後方に寒冷前線を作り、前線面で降水を伴いながら発達する.後に寒冷前線が温暖前線に追いつき、閉塞前線を形成し、後に衰退する。
NEBnのどれがそれに当たるのかを調べてみた。
画像から見て、渦の中心部が赤い渦をとらえているようだ。

C14の改造(熊森)
自宅からのシーズンオフになる9月末からC14no架台の改造に取り組んでいる。今まで使ってきた架台のうち、使える部分を活用しながら、京都のメーカーに持ち込んで工作機器を借用して工作を行っている。車で1時間半かかるが、順調にすすんでいる。
前回の例会でも紹介したが、まずはCPと主鏡の洗浄を行った。中性洗剤できれいに洗った結果、きれいになった。鏡筒には吸気のためのファンを2個。セル側には排気のためのファンを3個取り付けた。ファンはパソコン用の振動の少ないものを使用した。ファインダーは足を低くし、ベランダでも使えるように改造した。
フォークは、以前のままでは幅が狭いので、長さはそのままで幅を広げるようにスペーサーを入れて広げた。昨日は駆動部を製作し、一応鏡筒は載せないまま動作確認を行った。完成すれば総重量は50sくらいになる見込み。
火星の近況(安達)
火星のシーズンが始まった。まだ視直径が3秒台の中、非常によく撮れた画像が報告されてきている。火星は現在、北半球の夏至に向かっており、北極冠が小さくなっていく様子が観測されている。
9月12日にはボレオシルチスの東に、白雲のようなものが観測された。1枚の画像で白雲と決めるのは困難だが、これからしばらくはこういった雲が出やすいので、条件が良い時の画像ではこれを記録することができると思われる。残念ながら国内では気流が悪く、海外かrなお観測に頼らなければならないのが残念である。
10月5日にはロシアのバディム・アレクセーブ氏が北極冠の割れ目をカラー画像で見事にキャッチしている。(右図)
火星のカラー画像がそろそろ増えてくるものと思われる。今までの画像と、月惑星研究会のHPに出ているシミュレーション画像とを比較してみたが、非常によく一致しており、安心した。
三品さんから京都における火星出没のグラフが送られてきた。何時に見えるようになり、何時に南中するかが一目でわかるもので、出席者に見ていただいた。
金星の様子(安達)
内合を過ぎた金星の観測報告は、位相の変化・雲の変化・180度を超えるエッジの撮像・夜の側の模様を記録の4通りの観測になった。とりわけ注目されるには夜の模様の観測である。
驚いたのは9月2日にブダペストのFerenczi Imre氏の画像。ノーフィルターで夜の側の明かりどころか模様まで記録している。注目されるのは、光点を記録していることである。しばらくチャンスは巡ってこないが、大変珍しい観測だった。
天王星・海王星の画像から(安達)
天王星の画像の報告によく添付されているWin JUPOSの天王星のシミュレーションとは、画像に記録されるベルトの曲率と一致しないものが多い。画像の方が決まって曲率が浅いことに気が付いた。
何か、画像処理による問題があるのか?
海王星にも白斑が出現している。初めて見つかってからずいぶん時間がたっているが、依然として観測され続けている。しかし、観測条件が厳しく、詳しい様子がわからない状態である。白斑の位置は計算されており、かなり長命な白斑であることが分かる。
事務連絡
次回例会予定
これからの例会は次のようになっております。よろしくお願いいたします。
2016年1月例会 1月17日(日)
2016年4月例会 4月17日(日)
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