月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.862016年04月17日 |
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木星の観測好機と火星の観測好機を迎えての例会となった。今回は久しぶりに高松市の野々口さん。堺市の柚木さんが参加され、懐かしい顔が見られた。また、例会には熊野市の畑中さんが新宮市の田阪さんから皆さんへということで、デコポンを持参され、参加者に配られた。誌面をお借りし、田阪さんにお礼申し上げたい。また、今回も京都教育大学の学生さんと、滋賀県立米原高校の生徒さん2人が参加された。
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自己紹介と近況報告
木星の近況(安達)(1) SSTBのWSの動き特別に目立った変化は見られない。それぞれのWSの間には逆向きの明部があり、一定の間隔を保っている。中には2つのWSの間を言ったり来たりしているものもあり、追跡すると面白い。 (2) BA付近の変化
展開図を並べていき、ドリフトを調べると、BA直後の暗斑から小さな暗斑が吐き出され、それが後方に流れている様子が見られた。例会直前に堀川さんの作ったドリフトチャートと比較してもその吐き出された暗斑の動きが見事に追跡された。 (3) SEBの変化SEBの北側に明部ができている。長さが60°くらいあり、SEBの中を前進している。大赤斑に次第に追いつくが、先端が大赤斑の右下に到達すると、SEBの大赤斑後方かく乱が活発化するような気がする。もっと追跡しないとはっきりしないが、気になる現象を見つけた。 (4) SEBZ
大赤斑前方のSEBZには細い明部がGRSまでつながっているが、その中に、昨年「謎の明部」と呼んでいた部分の先端と後端には小さな白斑が見られたが、GRSに近いほうはGRSの直前に位置していたが、GRS Hollowにぶつかった。その後の変化はこれから見て確認しなければならない。一方、後端のWSは順調にGRSに近づいてきたので、今後の変化が面白い。 (5) Post-SEB-disturbanceいくつも発生するSEBの白斑がMid-SEB-outbreakかもしれないということで、追跡したが、どうやらWSが同じところで発生するわけではなく、Post-SEB-disturbanceのようだ。 (6) ダミアン・ピーチ氏の画像から
3月18日の画像を見ると、STrZなどは米粒のような白斑で覆い尽くされている。そのほか、精緻な画像を報告してこられる観測者の画像を調べていくと、まるで太陽光球の粒状班のような微妙な構造がとらえられていることに気が付いた。(支部通信を書いている間にも。国内は熊森さんが撮影されている)もっとさかのぼれるのかもしれないが、安達は今になって気が付いた。 (7) メタン画像から今年の木星は南極が明るく写る。昨年は大きな差は見られなかったが、今年は明らかに南極が明るく写っている。 米原高校山田さんの発表
1月例会の後、学校ではC11を購入することができ、今はそれを使って撮像している。今までの望遠鏡よりも良い成果が出ている。今日は撮った木星画像を持ってきたのでいろいろ教えてほしい。 京都教育大学の布村さんの発表
熊森さんの発表新しくモノクロPCカメラを購入しました。ZWO ASI 178MMで、思ったよりも良く写ります。ピクセルピッチが2.4μmと小さいので撮影システムも短くしました。 ![]() 下が撮像の結果です。システムは上のカメラの画像を参照してください。(安達) ![]() 火星の近況(1) 南極冠の形成火星の現在のLsの値と火星の軌道図をもとに、現在の火星の位置を確認し、これからは南極案の形成時期に注目が集まることを確認した。 (2) ヘラスの雲
前回1月から今日まで、火星面の最大の特徴はヘラスの白雲である。昨年の12月26日に、かすかにヘラスが青画像で明るくなっていたが、12月27日にはっきりと記録された。その後、このヘラスの雲は盆地一杯に広がるようになり、その後、お決まりのように東の方向に流出するようになった。この雲は極地方を右から左(西から東)に動いており、火星を一周した。 (3) メリディアニ北方の明部メリディアニの北方に明部ができていた。次ページの画像のように、青画像でも明瞭に白く写り、雲だということが分かる。Clyde Foster氏の画像を毎日点検するとその形が変化してることが分かる。同じ位置に雲が出るというのは、下に山がある場合だったり、盆地があるときが多い。しかし、この位置にはそういったものがない場所であり。不可解である。 ![]() (4) 北極の渦状雲について
月惑星研究会の近内氏からMLに情報が流された。毎年同じ位置に発生しているが、今年も同じ位置に発生しているようだ。残念ながら地球からの明瞭な観測報告はないが、今後も注意を払っていきたい。
土星の近況
目立った変化は見られない。昨年と比べても大きな違いは見られなかった、表面の白斑は、小さなものはひんぱんに発生しており、精緻な画像を見ると小さなものが見つかっている。 木星会議について
会場となる静岡科学館と連絡を取り合っている。4月になって担当者の方が決定したこともあり、細部にわたって詰めを行っている。大方のことは決まった。10月9日(土)午後から〜10日(日)午前中までとなる。気になる点は宿泊で、駅前のためホテルはいくつもあるが、早めに取らないと大変だということ。特にサッカーの試合がある場合は、宿はいっぱいになるとか。 事務連絡次回例会予定
これからの例会は次のようになっております。よろしくお願いいたします。 会費受領
2016年分 中井(郵便振替にて)
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