自己紹介と近況報告
- 堀井
-
姫路駅の南に住んでいる。機材はドブソニアンの30p経緯台で撮像している。架台には自動導入を入れているが、精度が悪い。(ギクシャクした動きになる)ドブソニアンの架台でうまく撮る方法を皆さんにやってほしいと思っている。望遠鏡はベランダに置いて自動で動かし、室内から操作して観測をしている。
- 奥田
-
自宅の観測所を作り直していたが、ようやく先月スライディングルーフの観測所が完成した。早速使い始めている。今日はあとで画像を見ていただきながら報告する。中学生のころから天体写真を撮っていた。1989年位に15p反射経緯台を作り、惑星スケッチを始めた。1998年に25pミカゲの赤道儀を庭に置いて冷却CCDを買って10年くらい撮っていた。今年は、本格的に復帰したい。
- 平川
-
大学院のM1で隕石母天体を模擬した星間有機物の変成実験を研究している。実験系が好きだ。星は眺める程度だ。今は海外からの留学生と共に暮らしている。1月のしぶん儀座流星群を留学生の人と共に見た。三重県にある大学の観測所でみたが、この時に30pで木星も見た。自分ではこれからは写真も撮ってみたい。
- 塚本
-
大学院1年生で今年から京都に引越ししてきた。天体観測は初心者。これからいろいろなものに触れていきたい。
- 布村
-
学部4回生で、大学では屋上に自作の30p反射を置いて木星を撮っている。今日は撮像したものを持ってきたので見てほしい。大学の屋上にスライディングルーフの観測所を設置した。木星は東の空に出てきたが、近くの室外機の影響を受けて、気流が悪くなってこまっています。
- 星野
-
学部4回生で、11p反射を研磨した。卒論に月面撮影に適した長焦点反射望遠鏡の製作というのをやっている。あとわずかで提出日になるが、今日は勉強させてほしいと思っている。
- 安達
-
年末に、目が見えにくくなり、左手にしびれが出て、慌てて病院へ行きました。CT・MR・エコーと3点セットをやりました。結果は無罪放免になりホッとしています。冬休み中は夕方に火星を観測し、明け方には木星観測をしていますが、学校が始まると難しくなるかもしれません。今日は、大寒波で自宅は20pの雪の中(写真を見てもらう)。融けるまで観測はお預け。
木星の近況(安達)
学生諸君のために木星の縞模様についての説明を入れながら、昨年の木星面と今年の木星面の比較を行い、何処がどう違っているかを見てもらいました。北半球に大きな違いのあることを紹介し、何が起こったのかを説明しました。
(1) NTBs jetstream outbreak
NTBが昨年は見えなかったが、「合」の間にNTBsに白斑が出現しました。それが経度減少方向(前方)に移動しながら、暗斑を作り、NTBを復活させました。現在は、木星を1周取り巻くベルトとして見えています。
この現象は10月19日に望遠鏡IRTFで観測を行っていたオートン(Orton)博士によって発見されました。11月初めには木星を1周回り、NTBを復活させました。先行白斑(leading spot)は10日間くらいで消失してしまいました。2007年の時の同じ現象の画像を見て、どのような現象なのかを復習しました。
(2) mid-SEB outbreak
2月30日に発生したmid-SEB outbreakとはどのような現象であるかを、説明しました。
この現象は2008年4月以来、8年8ヵ月ぶりのことです。今回の注目される特徴は、発生地点がSEBのbargeではなくwhite spotであることです。問題のWS(white spot)がどれに当たるのかを展開図で確認しました。

この発生したWSは元をたどると2014年9月までさかのぼることができます。
観測報告から新しい画像をもとにどのような状態になっているかを見て、今後の変化の様子を予想した。
SEB攪乱と似ている点もしめした。

(3) NEBの拡幅部
まだ、WSZの後方は若干拡幅が残っている。
(4) NTrZ〜NTBの色彩変化
全シーズンと比べると、赤みが強くなり、NEB~NTB全体が同じ色調に変化している経度がある。肉眼でもその様子がよくわかり、全シーズンと比べると対照的だ。
(5) BA後方の暗部
BAの後方には経度方向に10°位の暗斑がついているが、GRSの南側を通過しても大きな変化は見られなかった。
火星の近況(安達)
(1) 現在の火星
火星の軌道図をもとに火星の位置と現在見える大きさの解説を学生向けに行った。位置によって視直径が大きく変化することや、来年は大接近となり、どの程度の大きさになるかを、図を見ながら確認した。左は昨年の最せ金時の大きさ。右は来年の大接近時の大きさ。右下は現在の大きさを示したもの。
(2) 肉眼での模様と地形との相関関係の解説
海老沢マップとNASAの地形図とを比較して、模様と地形との相関関係を示した。
(3) 現在の姿
南極冠が非常に見易い位置になってきていることを画像をもとに説明。
肉眼でも、倍率を上げればかろうじて確認できることを紹介。
(4) 観測できる現象
砂嵐・雲の変化・極冠などを紹介し、大気現象が中心となるため、気象観測となることを例を挙げて解説した。
持ち寄り話題
(1) 隕石母天体を模擬した星間有機物の変成実験 (平川:京都教育大学)
星間空間塵(ダスト)は進化ガスの凝縮物で、シリケイトでできているが、それがどのように成長していくかを調べている。紫外線が当たることによって有機物なるので。人工的に作り出した星間ダストを加熱させることにとってどのような有機物ができるかを調べている。
(2) ガニメデの模様を撮影する(布村:京都教育大学)
前回出席して、いろいろアドバイスをもらったので、それを実行して、画像を持ってきた。
京都教育大学で行われた天文教育普及研究会関西支部会に安達さんが来られた時に、屋上のスライディングルーフを見てもらい、アドバイスを受けた。今は、大学に泊まり込んで明け方の木星の撮影を始めている。11月下旬から撮影活動を再開した。何とか撮れたのは1月6日〜7日にかけてだった。
(3) 月面観測用長焦点反射望遠鏡の製作(星野:京都教育大学)
11pのミラーの研磨から始めた。2度目に観測に使えるミラーが出来上がった。(F値を忘れた!月全体がぎりぎり入っていたので1700mmくらいだったと思うなあ:安達)撮影した月の画像を見せていただいた。なぜ、長焦点がいいのかということをまとめて、卒論にする。現在その取りまとめをしている。
参加者で、いろいろアドバイスをした。
新観測所の紹介(奥田)
前回の例会で、完成間近の観測所の初会をしてもらったが、今回は観測所周辺の風景やどのように作ったのかを、プレゼンで紹介してもらった。25pの架台を地上から持ち上げたことや骨材を足場用金具を利用して作ったこと、廃材を利用し、9万円で作り終えたことを紹介された。
金星の観測から(安達)
最近になってUVの模様のよく出た観測が送られてくるようになった。そこで、その集まってきた画像をもとに、スーパーローテーションがわからないかと簡単な解析をしてみた。UV画像は、金星の高度60q付近の高さの大気の状態を示している。4日間だと1日に90°模様は移動するので、半月状の金星では1日で全く違った場所を見ることになる。そこで、地球上の経度の違った場所での観測画像を探し、同定を試みた。
「あかつき」のサイトにはUVの2時間差の画像が出ており、それを使うと2時間で7°位の動きになることがわかる。4日という値がどこまで正確か、誤差はどれくらいか。自転に伴う気流の変化による雲の模様の変化など、いろいろな条件が考えられるが、UV画像を丹念に調べると、アマチュアの画像を使って、いろいろ調べられそうなテーマが発見できた。
事務連絡
(1) 会費受領
野々口さん 2017年分郵便振替
奥田さん・堀井さん・安達の3名から2017年分の会費を受領しました。
みなさん、よろしくおねがいします。
(2) 次回例会予定
これからの例会は次のようになっております。よろしくお願いいたします。
2017年 4月例会 4月16日(日)
2017年 7月例会 7月 9日(日)第2研修室です。
|