月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.892017年01月15日 |
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2017年最初の例会でしたが、大寒波が来て積雪の中の例会となりました。畑中さんは大雪で動けなくなり、急遽欠席となってしまいました。また、皆さんの都合も合わず、参加が少なくなることを心配していたましたが、京都教育大学の学生さんが参加してくださり、ホッとしました。今回の例会での進行は、学生さんがよくわかるように進めました。また、持ち寄り話題も学生さんの発表もあり、あっという間の例会になりました。
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自己紹介と近況報告
木星の近況(安達)学生諸君のために木星の縞模様についての説明を入れながら、昨年の木星面と今年の木星面の比較を行い、何処がどう違っているかを見てもらいました。北半球に大きな違いのあることを紹介し、何が起こったのかを説明しました。(1) NTBs jetstream outbreak
NTBが昨年は見えなかったが、「合」の間にNTBsに白斑が出現しました。それが経度減少方向(前方)に移動しながら、暗斑を作り、NTBを復活させました。現在は、木星を1周取り巻くベルトとして見えています。 (2) mid-SEB outbreak
2月30日に発生したmid-SEB outbreakとはどのような現象であるかを、説明しました。 この発生したWSは元をたどると2014年9月までさかのぼることができます。 観測報告から新しい画像をもとにどのような状態になっているかを見て、今後の変化の様子を予想した。 SEB攪乱と似ている点もしめした。 (3) NEBの拡幅部まだ、WSZの後方は若干拡幅が残っている。 (4) NTrZ〜NTBの色彩変化
全シーズンと比べると、赤みが強くなり、NEB~NTB全体が同じ色調に変化している経度がある。肉眼でもその様子がよくわかり、全シーズンと比べると対照的だ。 (5) BA後方の暗部
BAの後方には経度方向に10°位の暗斑がついているが、GRSの南側を通過しても大きな変化は見られなかった。 火星の近況(安達)(1) 現在の火星火星の軌道図をもとに火星の位置と現在見える大きさの解説を学生向けに行った。位置によって視直径が大きく変化することや、来年は大接近となり、どの程度の大きさになるかを、図を見ながら確認した。左は昨年の最せ金時の大きさ。右は来年の大接近時の大きさ。右下は現在の大きさを示したもの。 (2) 肉眼での模様と地形との相関関係の解説海老沢マップとNASAの地形図とを比較して、模様と地形との相関関係を示した。 (3) 現在の姿
南極冠が非常に見易い位置になってきていることを画像をもとに説明。 (4) 観測できる現象砂嵐・雲の変化・極冠などを紹介し、大気現象が中心となるため、気象観測となることを例を挙げて解説した。 持ち寄り話題(1) 隕石母天体を模擬した星間有機物の変成実験 (平川:京都教育大学)
星間空間塵(ダスト)は進化ガスの凝縮物で、シリケイトでできているが、それがどのように成長していくかを調べている。紫外線が当たることによって有機物なるので。人工的に作り出した星間ダストを加熱させることにとってどのような有機物ができるかを調べている。
(2) ガニメデの模様を撮影する(布村:京都教育大学)前回出席して、いろいろアドバイスをもらったので、それを実行して、画像を持ってきた。 京都教育大学で行われた天文教育普及研究会関西支部会に安達さんが来られた時に、屋上のスライディングルーフを見てもらい、アドバイスを受けた。今は、大学に泊まり込んで明け方の木星の撮影を始めている。11月下旬から撮影活動を再開した。何とか撮れたのは1月6日〜7日にかけてだった。 (3) 月面観測用長焦点反射望遠鏡の製作(星野:京都教育大学)
11pのミラーの研磨から始めた。2度目に観測に使えるミラーが出来上がった。(F値を忘れた!月全体がぎりぎり入っていたので1700mmくらいだったと思うなあ:安達)撮影した月の画像を見せていただいた。なぜ、長焦点がいいのかということをまとめて、卒論にする。現在その取りまとめをしている。 新観測所の紹介(奥田)前回の例会で、完成間近の観測所の初会をしてもらったが、今回は観測所周辺の風景やどのように作ったのかを、プレゼンで紹介してもらった。25pの架台を地上から持ち上げたことや骨材を足場用金具を利用して作ったこと、廃材を利用し、9万円で作り終えたことを紹介された。 金星の観測から(安達)
最近になってUVの模様のよく出た観測が送られてくるようになった。そこで、その集まってきた画像をもとに、スーパーローテーションがわからないかと簡単な解析をしてみた。UV画像は、金星の高度60q付近の高さの大気の状態を示している。4日間だと1日に90°模様は移動するので、半月状の金星では1日で全く違った場所を見ることになる。そこで、地球上の経度の違った場所での観測画像を探し、同定を試みた。 事務連絡(1) 会費受領
野々口さん 2017年分郵便振替 (2) 次回例会予定
これからの例会は次のようになっております。よろしくお願いいたします。 |
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