月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.1042021年2月14日 |
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2021年1月例会の報告です。1月例会でしたが、安達の個人的な事情で、のびのびになり、2月になってしまいました。Zoom例会を行いましたが、それでもまだトラブり、とうとう例会の開始も1時間ずれ込んで、参加者の方々にたいへんなご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます。例会は、荒川さんの支援をいただき、何とか終えることができました。 |
近況報告 参加者からの近況報告をしていただきました。安達から開会のあいさつと近況報告をさせていただきました。 木星会議の検討以下は、検討して決定したことだけを記します。 (1)URLの公開と個人情報等の保護URLは公開です。そのため、だれでも参加できます。前回までは、事前申し込み方式でしたが、公開型となると、参加者の絞り込みはできません。そのため、個人情報などを保護するために、録画(YouTubeに公開されても困りますから)はホスト、および発表者に限るということにします。 (2)参加人数枠 Zoomの申し込みは、最大100名のコースにします。公開されるプログラムは、木星に興味のない人には、かなり敷居の高い内容ですから、おそらく十分と考えられます。 (3)研究発表現時点で4人の申し込みを受理し、プログラムに挙げています。(プログラム参照)長くなければあと一人は入れられるかと思います。安達が18日以降メールの送受信できる環境がなくなりますから、引継ぎは田部会長に一任しました。新たなものは、田部会長までご連絡ください。 (4)懇親会このような時世ですから、オンライン懇親会となります。木星会議当日(3月7日)の午後8時から60分間をあてます。ここだけの参加や、途中参加も引き受けます。オフラインじゃないため、心苦しいのですが、ご理解ください。 (5)安達からのお知らせ@ 休憩時間: それぞれの内容の間に5分程度の休憩が頻繁にあります。うまく活用してください。 火星の解説(安達) 火星は、視直径が7秒にまで小さくなりましたが、高度が非常に高く、観測可能時間もそれにつれ長くなりました。高度が高く、よいシーイングの元、良質の画像もたくさん報告されています。 (1)いつも黒く見えていた場所と地形の関係![]() 〇 標高の高いところ 1・2・3・5 ダストの光学的厚さ(大気層の厚さが地形のため薄くなる)が薄い。その他の地域の標高 の高い部分も、暗く見える所と一致します。 Solis / Tithonius / Tharsis / Alba Monsなど(5〜6)の間の地域は高度が高いので すが通常黒くならず、砂漠の色に見えるところです。おそらく成層火山群の噴出物による影 響、地溝帯などの地下内部の影響を多大に受けていることを示していると思われます。 〇 4・6 標高が高いわけでもないのに、いつも黒く見える地域です。地形的に影響を受けるような ものはなく、地表に黒いものがあるとしか思えません。 (2)2020年11月のダストストームの広がりと地形 ダストストームのどのステージを抽出するかによって分かりやすさは異なります。安達は南に進行して南縁まで行った時点を抽出しました。いったん大きく広がって止まった11月20日の様子です。 ![]() 毎日作成している分布図の、茶色く広がったダストストームの外形を、赤い破線で示しています。それをそのまま下の地形図に下ろしました。 Hellasの西側(右側)は、Hellasができる際に飛び散った岩石によってできたと思われる、高地が取り巻いています(標高の高い茶色の場所)。一方、西にはSOLIS PLANUMと呼ばれる高地(えんじ色)が行く手をふさぎ、青色の星のマークで発生したダストストームは南に進行してから東西に広がりはしたものの、この両方の高地で止まりました。 西に進めないのは、高地と西風による影響かと思いますが、一部はSolis Lacusに流れ込んでいます。勢いが強かったのか・・・ 東(左)は、Hellespontus〜Syrtisの台地にブロックされています。しかし、地形図では赤い矢印の位置は、低くなっている谷のような地域です。ダストストームはこの部分を通ってHellasに侵入しました。 計らずも、その矢印の先のHellasは盆地がえぐれており、通常の風の影響を示唆しているものと思います。最近のHellasの明るい部分は、このへこみと見事に一致しています。 ダストの広がりが、2020年11月のダストストームも、2005年の双子のようなダストストームも、同じ広がりになることが当然であることが、地形図を見ることで、よくわかります。 (3)エッジダストストーム 2020年の観測シーズンは、南極冠が小さくなっていく過程を、克明に観測する絶好の機会でした。2月12日にLs150°(SPC最大)となり、そこから10カ月かかりじわじわと縮小していきました。 (4)Tharsis台地の火山による白雲と地形の影 前回の支部通信でも、発表したように、2005年と2020年の2つのダストストームには共通の要素が多くありました。(2)でもそのことに少し触れましたが、前回の例会後、調べました。ここには例会で発表しなかった内容も入れて報告しておきます。 事務連絡(1)支部会費を次の方々から入費を受領しました。 野々口さん(2021)、山岡さん(2021)、畑中さん(2020、2021)、井上さん(2021)、安達(2021)
(2)次回の例会は4月です。日程は、後日MLで発表いたします。 |
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