1996年の木星面

月惑星研究会

文:安達 誠 編集:伊賀祐一


●STrZ〜SEBの活動

 シーズンが始まった時には大きな変化はないように見えていたが、2月に入り、浅田英人氏がSEBの南縁に明るい白斑のある様子を捕えた(344°)。その後、観測条件がよくなるにつれ幾つもの白斑が見つかった。大きいものは2つだが、とりわけ4月16日で360°にあるものはよく目立った。伊賀祐一氏はこの白斑(SEBsのBay) は1995年から見えていたことを指摘された。この Bayはこのまま順調に後退を続けていった。

95/11/ 8 II=343
Pic CCD I
95/11/23 II=329
Pic CCD I
1/31 II=14
Pic CCD I
January
HST
2/12 II=347.1
H.Asada
4/27 II= 10.4
M.Adachi
5/14 II= 16.1
H.Asada
5/23 II= 23.0
H.Asada
5/25 II=355.0
H.Asada CCD
6/14 II= 4.8
M.Adachi
6/26 II= 0
Pic CCD I
7/ 1 II= 44.8
K.Horikawa
7/ 6 II= 26.6
Y.Iga
7/13 II=345.2
M.Adachi
7/15 II=358.0
H.Asada CCD
7/25 II= 20.1
M.Adachi
8/ 1 II= 11.8
M.Adachi
8/11 II= 5.0
H.Asada CCD
8/16 II= 35.6
M.Adachi
8/31 II= 39
Pic CCD I
9/ 7 II= 35.3
M.Adachi
9/26 II= 67.0
H.Asada CCD R
October
HST
10/13 II= 24.2
M.Adachi
11/16 II= 46.5
K.Horikawa
11/ 2 II= 28
Pic CCD I
12/15 II= 28
Pic CCD I
12/15 II= 66.0
H.Asada CCD R

 SEBsは一様なBandにはなっておらずprojection状となってたくさんの濃化部のような形態で見られた。 一方SEBnは、幅が広くなり、とりわけ中央に近い南側では非常に濃くなった。スケッチだけでなく写真やCCDの画像にも非常に目立ったbandとして目立った。


1996年8月1日〜8月2日のSTrZ〜SEB
M. Adachi


1996年11月1日〜2日のSTrZ〜SEB
Pic du MidiのCCDイメージ(I)からの展開図

 SEBZはGRSのすぐ後方で一時的に活発になったこともあったが、大きな変化とはならなかった。一応GRS 直後のSEBZに白斑状のものが見えたときを列挙しておく。

 4月24日
90°あたりから後方に白斑が並んだ。その後形が不明瞭になり、7月まで明るい状態が続く。
 7月12日
GRS直後に白斑が出現するが、そのまま衰退。
 8月9日
円形の白斑が6つきれいに並び、明るくなる。そのうち最も前方の白斑がGRSの北側を通過したらしい観測が安達によってされる。その後、9月になっても、明るい状態が続く。ただし白斑の形状は不明瞭になる。その後、この傾向は12月の末のシーズン終了時まで継続した。

1/31 II= 70.4
Pic CCD I
4/23 II=128.0
M.Adachi
5/23 II= 79
H.Asada CCD
5/25 II= 44
H.Asada CCD
5/26 II= 54.4
M.Adachi
6/ 3 II= 62.8
K.Horikawa
6/29 II= 70.4
Pic CCD I
7/ 1 II= 44.8
K.Horikawa
7/13 II= 43.5
H.Asada
8/ 2 II=114
H.Asada CCD
8/ 9 II= 50.9
M.Adachi
8/16 II= 76.7
M.Adachi
8/21 II=103.1
K.Horikawa
8/31 II=106
H.Asada CCD
8/31 II=106.4
Pic CCD I
9/ 5 II=129
H.Asada CCD
9/ 7 II= 75.8
M.Adachi
October
HST
11/ 2 II= 86.9
Pic CCD I
12/16 II= 59.1
Pic CCD I


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