1997年6月12日の木星

浅田秀人・安達 誠・伊賀祐一・忍穂井幸夫・吉田裕市


6月12日の木星観測です。久しぶりに大御所のスケッチが登場しました。
ω2=285°付近のNEBnのbarge−白斑−bargeのtriplet構造が良く見えています。
安達氏は観測条件に恵まれ、淡化しているSTBを淡くではありますが東西に観測されています。また、EZの内部構造についても詳細なスケッチを報告されています。

浅田秀人 (305mm Newtonian, MUTOH CV04 CCD Camera)


1997.06.12 17h27m(UT)
I= 20 II=274
6/7と同じ経度を捉えているので比較して見ると面白い。

NEBsのplumeがNEBnのbarge-nick-bargeに対して前進しているのがよくわかる。
但し、plume及びfestoonはsystem-Iに対しては明らかに後退している。

また2個のbargeはriftedと至近にあるにもかかわらず、形状、配置に変化は見られない。

STrZ北縁のII=259、それより前方約15度の2ヶ所に新たに白斑が発生している。


安達 誠 (310mm Newtonian, drawing)


1997.06.12 17h58m(UT)
I= 39.2 II=292.4

1997.06.12 18h40m(UT)
I= 64.8 II=317.8
久しぶりに観測しました。ただしGRSやSTrの白斑はありません。

第II系=292.1と317.8です。

NEBnに見られる2つのDark Spotがたいへん顕著に見られました。観測した時間がちょっとのことで遅かったため、CMTは2つ目のDark Spotの後端(ω2=288.8)しかとれませんでした。それにしても良く目立ちました。明け方になり急激に気流が良くなり、7/10となりました。複雑怪奇なEZの内部をしっかり確認できました。顕著なEBはなくまるでダウン(鳥の羽)の様な模様がふわふわと見られました。気持ちよく見えていました。

STBはかなり淡くではありますが、東西にわたって見られます。SEBsに小さくて目立たないprojectionがいくつも見られます。また、かなり微妙ですが、その間に白斑が見られました。


伊賀祐一 (280mm Schmidt-Cassegrain, drawing)


1997.06.12 17h24m(UT)
I= 17.2 II=270.8
とにかくシーイングが悪い(2/10)。せっかくの梅雨の晴れ間なのに。

NEBnのbarge(A)のCMTは何とか取れた(ω2=270.8)が、その後はもっとシーイングが悪化してしまった。このtriplet構造の南のNEBにはリフトがあるようだ。


吉田裕市 (150mm Newtonian, drawing)


1997.06.12 17h10m(UT)
I= 8.7 II=262.3

1997.06.12 18h22m(UT)
I= 52.6 II=305.8


忍穂井幸夫 (200mm Newtonian, drawing)


1997.06.12 16h25m(UT)
I=341 II=235


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