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大赤斑後方のSEBZの活動が活発になってきました。SEBZは大赤斑直後から白い帯状にうねっている様子が第II系の150°付近まで続いています。また、大赤斑の南側にアーチがかかっていることが確認されました。
NEBも大きな変化が見られ、赤茶色のbargeや白いnotchがいくつか出現し、木星面上で目立っています。23日にはNEBnの赤茶色の細いstreakが現われました。24日には以前から認められていたNEBnのbarge-notch-bargeの3連構造も観測されました。
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1997年 6月23日の観測
浅田秀人 (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)
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2つの画像から確認できるのは、RSの前側と南側はアーチに囲まれている。
もっと興味深いのはRSの後ろ側とRS-bayの隙間が異常に広い。先日(6/2頃)の白斑がbayから脱した(?)時は欠測しているので、このような隙間を見るのは初めてである。(因みに、昨シーズン隙間が広かったのはほぼ例外なくRSの前方)
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極端な強調処理を行なった画像(伊賀)
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16h30m頃、眼視では凄い光景であった。抽象的な表現だが、SEBZに白い川が走り、NEBの真ん中には赤い川が走っていた。
具体的には、画像では不十分だが、NEBの緯度の中央、II=90付近から140付近のbargeにかけて直線に近い極めて赤い線が走っていた。
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安達 誠 (310mm Newtonian, drawing)
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1997.06.23 16h44m(UT) I=291.8 II=101.6
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1997.06.23 17h44m(UT) I=328.4 II=137.8
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1997.06.23 18h32m(UT) I=357.7 II=166.8
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木星の観測をしました。6月23日UTです。ω2=101.6/137.8/166.8の3枚です。大赤斑後方です。シーイングがよく、7/10と9/10でした。久しぶりに満足の行く観測となりました。
notchがきれいに見え、FAの右上にも左上にも小さなWSが見られました。
目だっていたのはω2=136.6のNEBnにあるDark Spotで1つにまとまってしまいました。また、162.6には同じくNEBnの中にイオと同じくらいの大きさの小さなDarkSpotがみられ、かなり目立ちました。シーイングが良かったから目立ったのかもしれません。
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伊賀祐一 (280mm Schmidt-Cassegrain, drawing)
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1997.06.23 16h26m(UT) I=279.8 II= 89.7
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- 不思議と大赤斑の後方の観測が続く。
- 18日に見えた大赤斑後方のSEBZの白斑は見えない。
- 永続白斑BC,DE,FAは3個とも良く見えている。FAはやや南に位置している。
- NEBnの130°付近に赤茶色の濃い暗斑bargeがあり、その直後に白斑notchがあるようだ。浅田氏のCCD画像にある赤茶色のstreakが認められる。
- CM左の75°付近のNEBnにはnotchが見えている。
- NEBsは複雑で、暗斑の連続のように見える。
- NTrZの75°付近に暗柱があり、その直後に白斑を伴っている。
- NTBはNTrZの暗柱付近から北に曲がっている。
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堀川邦昭 (160mm Newtonian, drawing)
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1997.06.23 17h10m(UT) I=307.7 II=117.2
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- SEBの白斑は6/13より拡散し大きくなっている。
- NEBnのbargeは小さいがかなり濃い。
- NTZはあまり乱れていないが、濃淡がある。
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忍穂井幸夫 (200mm Newtonian, drawing)
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1997.06.23 15h00m(UT) I=227 II= 38
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1997年 6月24日の観測
浅田秀人 (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)
- NEBnのbarge-nick-bargeは相変わらず健在である。
- II=308付近のriftedが大変明るい。
- SEBZの白斑も健在でドリフトしていない様子である。
- STrZ,290付近の白斑はまだ経緯を調べていないが、結構目立っている。
- NTBの340付近にcol状の模様があるが、CM付近では近頃よく見られるprojであろう。
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極端な強調処理を行なった画像(伊賀)
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土山由紀子 (105mm Refractor, drawing)
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1997.06.24 18h18m(UT) I=147.2 II=308.8
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- 薄曇りで,すぐ近くにある月もにじんで見える。シーイングはよいが,光量が足りないためよく見えない。
- NTBはCMの先行部が若干見える程度で見えにくい。NEBにはフェストーンが2つあり,前方のフェストーンがある部分のNEBnに, barge2個を確認したが,雲が薄い時しか分からないため,正確な位置はスケッチできていない。
- SEBは後方が太く,SEBnに濃い部分あり。SPR付近は暗い。
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堀川邦昭 (160mm Newtonian, drawing)
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1997.06.24 15h33m(UT) I= 46.5 II=209.0
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- SSTBの先端には白斑が付いているように見える。
- SEB南縁にはかなり凹凸がある。
- EBは淡く乱れている。
- この経度のNTBは淡く、NNTBが目立つ。
- NTZのdark barは淡く不明瞭になった。
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1997.06.24 16h45m(UT) I= 90.4 II=252.6
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- SEB南縁は凹凸が多く乱れている。
- EZ明るく淡い。
- CM後方のbargeは相変わらず濃く、間の白斑は前方の物と比べて輝度がある。
- CM後方でNTBの濃度が回復している。
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1997年 6月26日の観測
浅田秀人 (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)
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RS後方のSEBsの隆起が目立ってきた。II=190の小白斑(SEBsに小さいbay)まで続いているようだ。6/6,7に見たSTrZ,II=197の比較的大きな白斑は消失している。
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極端な強調処理を行なった画像(伊賀)
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SEBZの色調を6/23の画像と併せて見直すと、II=130以前で白色、その後方で白色部分は細くなり南へシフトしている。一方、130付近のSEBn〜SEBZから暖色のzoneが始まっている。
NEBnのbargeの位置はII=163.1、6/6(165.5)から殆ど動きはなく、その付近のnickを含めて形状、配置とも変化はない。NEB中央のred-streakが目に付くようになったのは次第に好条件になってきた効果であろう。
北半球の高緯度は日増しにshadeが取り除かれ、II=170〜210付近ではNNNTBが分離して見えている。
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安達 誠 (310mm Newtonian, drawing)
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1997.06.26 17h44m(UT) I= 82.4 II=228.9
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1997.06.26 18h26m(UT) I=108.1 II=254.3
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伊賀祐一 (280mm Schmidt-Cassegrain, drawing)
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1997.06.26 15h58m(UT) I= 16.7 II=163.9
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- NEBnのBargeがCMのスケッチ。
- このBargeの左右にNotchが観測できる。
- 左端のSEBZには明るい領域が見え、大赤斑後方からの活動が続いている様子。
- SEBZ内部はこの明るい領域の後方で、SEBnから暗い帯がSEBsまで斜めに見える。
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堀川邦昭 (160mm Newtonian, drawing)
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1997.06.26 15h37m(UT) I= 5.0 II=152.2
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- SEBの明部はあまり目立たない。
- 既存の明部後方のSEBnが濃く顕著。
- EBが淡く、ほとんど見えない。
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1997.06.24 16h53m(UT) I= 51.3 II=198.1
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- SEB南縁には小さな凹凸が多い。
- CM後方のprojectionは比較的大きい。
- 右端近くでEBが復活している。
- NEBnにはbargeのような暗斑がいくつもある。
- NTB淡くNNTBの方が濃く太い。
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忍穂井幸夫 (200mm Newtonian, drawing)
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1997.06.26 14h00m(UT) I=305 II= 93
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1997.06.26 15h40m(UT) I= 8 II=153
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松田裕一 (Drawing)
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1997.06.26 15h02m(UT) I=343.6 II=131.0
Seeing:6/10 Transp:7/10
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1997.06.26 16h04m(UT) I= 21.4 II=168.5
Seeing:6/10 Transp:7/10
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1997.06.26 17h00m(UT) I= 56.8 II=203.5
Seeing:6/10 Transp:7/10
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1997.06.26 17h58m(UT) I= 91.0 II=237.4
Seeing:6/10 Transp:7/10
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1997.06.26 19h01m(UT) I=129.4 II=275.4
Seeing:6/10 Transp:7/10
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1997年 6月27日の観測
堀川邦昭 (160mm Newtonian, drawing)
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1997.06.27 16h17m(UT) I=187.4 II=326.8
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- 薄曇を通しての観測のためdetail不明。
- それでもSTBnが見えている。
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