1997年7月18日の木星

浅田秀人・安達 誠・伊賀祐一・忍穂井幸夫・堀川邦昭・繭山浩司


1997年 7月18日の観測

浅田秀人 (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)


1997.07.18 16h49m(UT)
I=285 II=264

  • STB:南へシフトしている部分で、II=192にgapがある。
  • SEB:SEBZ-bandが目立つ。II=250〜290付近でSEBsが淡い。
  • NEB:II=271〜287のbarge,nick,bargeは相変わらず顕著で、殆どドリフトなし。
  • NTrZ:画像でII=272に白斑があり、NTBsに浅いbayを造っている。
  • NTZ:II=238のDark-spot(red-spot)を注視した。経度幅は11度、緯度幅は付近のNTBと同じ程度で、随分横長である。色調はCMで明るい赤。

強調処理を行なった画像
浅田秀人 (305mm Newtonian, drawing)


1997.07.18 15h32m(UT)
I=238 II=218

  • STBの左にgapが見える。
  • CM付近のSTrZにわずかに明るいWS(bay?)。
  • CM後方のNTZにdark spot(red spot)がある。

安達 誠 (310mm Newtonian, drawing)


1997.07.18 13h45m(UT)
I=173.1 II=153.0

  • STZは淡く微妙に入り乱れている。小さなWSがいくつもあるように見えることが多い。
  • STBはFA後方からかなり濃くとても良く目立つ。CMより右においてやや南寄りに湾曲して見えるが、このpositionでははっきりしない。
  • CM後方のEZsにかなり明るいstreak。EZsに出現したものとしては比較的明るく大きい方だと思う。
  • NNTBはかなり複雑な様相を呈している。どうやら南北の大きなbandとして存在し、CM左側のやや明るいWSによって切れて見えているが、近年まれにみる濃い姿を見せている。
  • NNTBnが中央のWSをはさんで緯度が異なる。
  • NNTBも比較的濃くなってきているように見受けられる。


1997.07.18 14h50m(UT)
I=212.8 II=192.2
  • STB〜SSTBのdark spotは珍しくも縦長のprojectionのようだ。
  • CM右のSTZはやや明るくよく目立つ。STBもSSTBも細いbeltとして、このzoneをよく目立たせている。
  • EZのfestoonはかなり青っぽく見えている。
  • NTrZは非常に黄色っぽくオレンジがかった鮮やかなにじみが広がっている。
  • CM付近のNTrZに小さなWSが見られる。NTBはこの前後で少し曲がって見えている。seeingがあまり良くなく、ひょっとするとNTBのdark sectionによってこのように見えているだけかもしれない。
  • CM後方のNTrZにWSが見られる。時折seeingが大きく乱れ、位置がつかみにくい。
  • NNTBnにあった大きなbayはlimb darkeningのため、良く分からなくなったが、このbayの後方のNNTBは太く二条のbandとなって後方に伸びている。


伊賀祐一 (280mm Schmidt-Cassegrain, drawing)


1997.07.18 15h51m(UT)
I=249.1 II=228.4

  • CM後方からSSSTBが良く見えている。STBがSSTBにシフトしている箇所で、SSTBに白斑(ω2=228.4°)が存在している。
  • SEBは中央組織が濃い。
  • EZsに珍しく白斑が見える。EZnのCM付近にPlumeが見える。
  • NEBnの左にBarge、中央付近にRift、右にNotchが見える。このNotchはRiftに変化しつつあるような気がする。
  • NTrZに北温帯流-Cに属する暗斑(ω1=249.1°)が見えている。
  • NTBは細い。
  • NTZのCM付近から2個の白斑が見える。
  • NNTBのCM付近にはNNNTBへシフトする暗部が見える。


堀川邦昭 (160mm Newtonian, drawing)


1997.07.18 14h36m(UT)
I=204.3 II=183.8

  • SEBは中央組織が濃く、南組織との間は明るい。前方の活動域の後端になるような境界は見つからない。
  • この経度のSEBs edgeは平坦でprojectionは少ない。
  • EBは顕著だが波打っており、EZsには白斑のような明部が見られる。
  • NEBnは暗斑と白斑が交互に並んでにぎやかである。


1997.07.18 17h14m(UT)
I=300.5 II=279.3
  • SEBZの明部は前方のstreak状の明部が消失。
  • 本体の白斑だけとなり形も少しいびつになったようだ。
  • STB以南は実際より南に描きすぎた。


繭山浩司 (200mm VISAC, drawing)


1997.07.18 15h26m(UT)
I=234.7 II=214.0

  • NEB内のwhite streakはかなり明るい。
  • 左のリム付近のNTrZには3個ほど明部が見られる。
  • CM後方のNTZに暗部(barge)。


1997.07.18 16h16m(UT)
I=265.2 II=244.3
  • SSTBに白斑状の明部がある。
  • SEBは中央組織が濃い。
  • EZnのCM後方にはシャープなfestoon。
  • NTBは2層に見える。


忍穂井幸夫 (200mm Newtonian, drawing)


1997.07.18 15h03m(UT)
I=219.8 II=199.4


1997年 7月18/19日の観測

安達 誠 (310mm Newtonian, drawing)

18日の夜に2枚と19日の夜に6枚の計8枚を観測しました。
2系で 153° 192°
    310° 334° 20°  51°  88° 116°
あと、200°から300°までを観測できれば展開図が作れます。今晩がんばって作るつもりです。条件は比較的よい状態で観測できています。目だったものは次のとおりです。

  • NNTBnに大きな明部(白斑?)
    CMを過ぎていましたので何とも不正確ですが、およそ140°位に東西に6°位の広がりを持つ明部があります。
  • NTBsのDark spot
    2系で311.3°にありました。NTrZに向かって三角形の様なprojectionとして確認できました。その後方20°くらいにもきわめて背の低いものが見えますが、無いことにしてもよいかな。
  • SEBZの白斑
    2系で315.1°に白斑があります。東西に10°くらいの広がりを持っていました。
  • NTZ
    大赤斑の真下のところから前方の帯は明るくなって見えますが、小さなきらきらした白斑の集合体でした。シーイングの良い時にはぞくぞくとします。
  • NNTBよりやや北側にBarge
    2系で203°くらいにあります。シーングがよいと、かなり黒く小さく見られます。CM付近では見えにくくなり、周辺ではわかりやすく見えました。


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