1997年8月20日の大赤斑

浅田秀人・安達 誠


1997年 8月20日の大赤斑の観測

安達 誠 (310mm Newtonian, drawing)

20日にGRSを観測しました。薄雲があったのにシーイングが9もあり、非常に良い条件に恵まれました。木星面のあちこちに小さなWSがみられ、なんだか気持ちが悪いくらいでした。

ところで、GRSですが奇妙な見え方になっていました。

大赤斑のちょうど8時のところに白斑ができています。Hollowのところによく白斑が見られることがあるのですが、普通の白斑よりも明るく大赤斑の8時のところがNotch状にへこんで見えています。かなりはっきりとしたへこみの輪郭をしていてガニメデくらいの大きさのへこみでした。今後どのような動きをするのか楽しみです。木星会議のときの8時からの分科会ではC8でGRSがCMにあるのを見られるのですが、晴れてくれるといいなあと思います。

どなたか観測されたかたは無いものでしょうか。

     ******        GRSは左のようにみえます。
  ************     イメージではGRSの中央のあたりまで
 *** **********    切れ込みがあるようになってしまいまし
  *  *********     たが、実際はもう少し小さくへこんだ形
     *******       をしています。南側にきれいなアーチが
                   見られます。

GRSをへこませているところを見ると、この白斑はGRSよりも高いところに出っ張ったもののように思います。事実、周辺部でも良くわかりました。GRSが出てくるときに「今日は、いやにHollowが明るいな。」と、思ったくらいですから。

皆さんの中には口径的に見にくい人もあるかと思いますが、木星会議に出られない人はとくに追跡を御願いいたします。

第2弾
STBの200°に白斑があります。今まではありませんでした。LEBSではありません。15から20°くらいの経度での広がり方ですが、もっとも前方にある白斑はまるでLEBSのようにみえます。一見して、STBの淡化部のようにも見えます。特に気流が悪いと何が何だかさっぱりわかりませんが、重要な模様だと考えています。

こちらの追跡のほうもよろしく御願いいたします。


浅田秀人 (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)


強調処理を行なった画像
木星会議で話題のひとつであった、RS左下方の明部の画像をまとめました。
20 August 1997 13h01m〜14h23mです。
安達さんのお話では「赤斑の一部にノッチ」というようなことでしたが、画像では、RS外縁の時計の6時〜10時方向が明るいです。
明るさの程度は、RSとRS-bayの隙間よりやや勝る。

赤斑の白い渦と判断しましょうか。
しかし、これがあるからRSのCMTは常々1度以上の誤差があると考えています。


大赤斑の動画

浅田氏の8月20日の大赤斑のCCD画像9枚から動画を作成しました。1時間22分の間に大赤斑付近に変化が見られるかと思いましたが、残念ながらそのような変化は認められませんでした。しかしながら、時間の経過とともに大赤斑がCM右から次第に東に移動していく様子がよく分かると思います。

この動画は Animated GIF として作成していますので、通常のWeb Browserでご覧いただけると思います。フレーム間が等間隔でないのは少し残念ですが、お楽しみください(伊賀)。


原画像による動画(GIF 37KB)

強調画像による動画(GIF 44KB)

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