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今シーズンは4/12が初観測で、その後4/25,26,28,5/1,9,10と現在まで7回。
赤緯が少し高くなり、明け方の予想外の好条件で木星面の詳細が既に見え始めている。
●概況-
Belt,Zoneの全体的なバランスは昨シーズンと変わりないが、昨シーズン末期に比べ、各belt,zoneがコントラストよく均整がとれている感じである。
両極付近は今シーズンも南極側に濃度がある。北半球は全般に若干の赤味を感じる。
BeltはSEBとNEBの2本が目立ち、STBとNTBは経度により見易い所と判断し辛い所がある。SSTBは比較的よく見える。
ZoneはEZとSTrZが明るい。NTrZ,NTZは昨年末ほどではないが、やや赤味が残っている。
注目のWS-STrZとRSの会合は4/28,5/10に見ているが、会合の直前である。
●CCD画像(原画像299x296はそれぞれの画像をクリックしてください。)
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●各部の詳細
SSTB以南:-
SSTBは全周で比較的安定して見える。II=270及び340付近に濃い部分が見られる。 350以降で南へシフトしている。
RSの南、II=54.9(5/10,CMT)に白斑がある。
II=330〜100ではSSTZが認められる。これより南はSPRまで平坦。
STB付近:-
STBの始点はRSの南、II=53.1(5/10,CMT)から北組織が見え始め、80.9(5/10,CMT)以降で通常の太さ。200付近から南へシフトして、250付近でSSTBと合流している。尚、始点と見た前方にも微かにあるようだが、未確認。
LEBS:-
RSの後ろに達した永続白斑は3個とも明るく、大きい。FAがやや南寄りでSTB,STZの中間に位置している。昨シーズンに見られたその他の白斑は見えない。
CMTはFAのみ2件。4/26 II=142.9 , 5/1 II=139.7
STrZ:-
明るさはEZと同等で、引き続き明るい。
SEBsにbayを形成する白斑は5/10でII=47付近(視位置)。白斑の後端がRS-bayの先端に達している。白斑は昨シーズンほどの明るさを感じないが、この付近のSTrZがやや暗く、コントラスト効果で白斑状に見える。
RS:-
眼視では南縁に赤味を感じるだけで、総じて淡い。但し各画像ではそれほど淡くない。 RS-bay内の北部前端(左下部)がやや明るい。RSの右下りの位相が原因であろう。
CMT: (c)はRS本体ではなくRS-bayで測っている。
4/28 (c) 60.4
5/10 (p) 53.1 ,(c) 61.6 ,(f) 67.4
SEB:-
昨シーズンと同様にRSの前後で様相が異なる。RSの前方は、詳細はまだ見えないがNEBと同等に濃いbeltである。II=200〜40でSEBsとSEBnの各々の縁の暗い様子を確認している。
一方、RS後方は5/10に好条件で捉えた。 昨シーズンと同様、SEBn〜SEBZに白斑状が並んでいる。 位置は、RSすぐ北のSEBnのovalがII=67.0(5/10,CMT)、それに続くSEBZのareaがII=77.3(5/10,CMT)。II=80.3(5/10,CMT)には暗柱があり、その後方からII=140付近では単に薄明るいSEBZである。
SEBs南縁はII=200付近〜320付近で凹凸が見られるが詳細は不明。
EZ:-
濃いfestoonが立ち並び、ovalとのコントラストが顕著である。
Festoonは2件のCMTを得ている。 I=123.3(5/9) , I=269.6(5/10)
NEB:-
北縁が多少波打っている昨シーズンと同様の姿。
北縁のII=285付近に北に開いたnotchがある。
NTrZ:-
STrZにやや劣るが、比較的明るいzoneである。II=53.1(5/10,CMT)に小白斑があり、この前方でNTrZはshade状態である。4/28、II=65付近に別の小白斑を見ている。
NTB〜NNTB:-
NTBはII=220?〜50で通常の緯度にあるが、その後方でbeltが崩れ、ぼやけた状態で北側に流れている。また、120以降では通常の緯度にNTBは見えない。
5/9、ω2=274で2本のbeltを捉えているが、北側はNNTBか、シフトしたNTBか?
4/26、NTB〜NNTBはII=100〜130で広範囲にshadeしている。
さて、これらはNTB,NTZ,NNTBのいずれが主体の活動か?
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