木星観測報告:5月30日、6月4日、5日、6日、7日

堀川邦昭


久々の観測報告です。5月以降は天候不順で、スケッチできた日のほとんどが天気予報では曇りか雨でした。この週末は本当に久しぶりに晴れて、存分に木星を見ることができました。

最近は木星が出るのもずいぶん早くなって、1時を過ぎれば十分観測可能になります。そろそろ朝型から夜型に変えねばなりません(これが結構つらいものです)。

  5/30 18:11UT ω1=153.8 ω2=146.1
  5/30 19:24UT ω1=198.3 ω2=190.2
  6/04 18:57UT ω1=251.5 ω2=205.5
  6/05 16:53UT ω1=333.8 ω2=280.8
  6/05 18:00UT ω1= 14.7 ω2=321.3
  6/06 16:24UT ω1=114.1 ω2= 53.7
  6/06 17:50UT ω1=166.6 ω2=105.6
  6/07 18:15UT ω1=339.7 ω2=271.1
  6/07 19:19UT ω1= 18.8 ω2=309.7

  • 大赤斑は明瞭で赤みもある。相変わらず左下が明るく見えるが、白斑の影響は皆無のように見える。
    RS bayは5/27の観測では、まだ前側の方が傾斜が緩かったが、現在は前後で対象に戻っている。
    経度はω2=62.2°で、前進傾向は見られない。
  • 昨シーズンから大赤斑の長径は、30分(18.1°)を切ることが多くなった。少し小さくなったか?
  • 6/2のPic du Midiのイメージにあった大赤斑後端部の白斑は認められない。
  • 永続白斑は3つともよく見える。DEが最も明るく顕著。BC-DE間が25分(15.1°)、DE-FA間が39分(23.6°)で極めて接近している。
  • STBはDE後方から太く濃いが、しだいに南へシフトしω2=240°?付近からSSTBになっている。
    また、ω2=300°付近になるとさらに南側にベルトが現れ、以降二条になっている。
    STB淡化部では淡いながらもSTBnが見られる。
  • 大赤斑後方のSEBは明るいが、明瞭な白斑などは見られない。ω2=120°付近から後方でSEBnが濃く盛り上がって中央組織に変化している。
  • ω2=300°付近のSEB内にやや暗く不規則な形の明部が見られた。1986年から1987年にかけてSEBZに見られた明部と同じようなものか?
  • EZは明るいが、festoonはシーイングがよいほど明瞭で、EBも断片的であるが全周で存在するようだ。
  • ω2=280°付近のNEBnに、barge-白斑-bargeの3連構造(triplet)が見られる。2個のbargeは大変顕著で、木星面で最も濃く見える。色はNEB本体より鮮やかな茶色。
  • ω2=60°付近から始まるNTBとNNTBの撹乱部は、モヤモヤして詳しい様子が掴めないが、NTZのshadeはかなり後方まで続いている。
  • ω2=222.3°(6/4)のNTZに暗斑が見られる。おそらく伊賀さんが見た物であろう。濃度はそれほどなく、周囲のNTBなどとほぼ同じ。後方にNNTBが垂れ下がるように続いている。

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