ALPO-Japan: Jupiter Section (May 20, 1998)

1998年 5月20日の木星

安達 誠・浅田秀人・伊賀祐一・池村俊彦・奥田耕司・忍穂井幸夫・堀川邦昭


May 20, 1998

●概況
観測条件に恵まれました。大赤斑付近の詳しい観測が行なわれました。

大赤斑はかなり淡く、中央部南のみが濃く見えています。STBは大赤斑の直後の経度まで見えており、そこから南にシフトしているように見えます。

SEBは大赤斑直前はSEBsが濃く、SEBZ〜SEBnに白斑が認められます。また大赤斑直後のSEBZに白斑群が認められます。ほぼ5月15日の観測と同様です。

5月15日の浅田氏の報告にあったNEBnのBarge(ω2=29,43)が観測されています。また、同じくNEBn〜NTrZに見られる2個のNotch(ω2=24,35)も確認されます。眼視でもこの2個のNotchは確認されました。

NTBsに見られるProjection(伊賀CMTからω1=252)は昨シーズンから見られているNTBs Jetstream(NTC-C)の暗斑です、このProjectionは眼視でも見えています。5月15日の浅田氏の画像(右側)で、NTBsの右端に写っているProjectionが同一のもので、9時間49分台の自転周期で高速に移動していることが分ります。


浅田秀人 H.Asada (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)

Asada CCD Image JPEG 17KB
Original Image

Asada CCD Image JPEG 23KB
極端な画像強調を適用(伊賀)


池村俊彦 T.Ikemura (310mm Newtonian, Digital Camera NEC Picona)


No.12 1998/05/19 19:04(UT)
I=247.9 II= 59.0

極端な画像処理を適用


No.13 1998/05/19 19:24(UT)
I=259.7 II= 70.8

極端な画像処理を適用


No.14 1998/05/19 19:28(UT)
I=262.2 II= 73.2

極端な画像処理を適用


忍穂井幸夫 Y.Oshihoi (200mm Newtonian, Drawing and Digital Camera NEC Picona)


1998/05/19 19:20(UT)
I=256.7 II= 67.8
Seeing:2/10 Transp.=4/10
  • GRSは淡く、形がはっきりと確認できなかった。
  • SEBはNEBに比べてずいぶん淡く感じる。
  • NTBはCM後方より淡くなっている。


Image#9 1998/05/19 19:33(UT)
I=265.5 II= 76.5
NEC Picona 3 Images Composite

極端な画像処理を適用

今朝は晴れていたのですが、非常にシーイングが悪く(2/10)、85枚撮影中で何とか模様が判別できるのが14枚、時間的にコンポジットできるのがわずかに3−4枚という惨敗ぶりでした。


奥田耕司 K.Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


Image#5 1998/05/19 19:18(UT)
I=255.1 II= 66.1
Seeing:3/10 Transp.:5/10

極端な画像処理を適用


  • GRSはだいだい色、エッジはハッキリしないが、右上が暗い。
  • NTC-Cの暗斑と思われる暗柱がGRSの経度に見える。

安達 誠 M.Adachi (310mm Newtonian, Drawing)


No.5 1998/05/19 19:16(UT)
I=255.9 II= 66.8
Seeing:3/10 Transp.:5/5 x360
  • 大赤斑の左側のSTBは濃くはっきり見える。後方はSSTBに向かって傾いていく様子がよく見られた。
  • 大赤斑にはきわめて淡い赤色を感じるが,目立つほどではなく,しいて色合いをいえばオレンジいろといったところ。
  • 大赤斑の直後のSEBsはかなり濃く,よく目立つ。SEBZは明るい白斑はなく,明部があるといった程度で,とても活発とは言えない。
  • NEBnにはたくさんの暗斑があるようにもみえるが昨年のBARGEにはほど遠い。
  • NTBsにNTーcurrent cと思われる暗斑が見られる。


No.6 1998/05/19 19:42(UT)
I=271.7 II= 82.5
Seeing:3/10 Transp.:5/5 x360
  • STBは右にいくほどSSTBの中に溶け込んでいき,はっきりしなくなっている。
  • SEBsに暗部が見え始めてきたが,薄明がひどく,詳細は不明。
  • NTC-cの暗斑はこの経度とシーイングでは存在が認められなくなることがわかる。
  • SEBZは明部というだけで,明るさは低い。


伊賀祐一 Y.Iga (280mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)


No.9 1998/05/19 19:08(UT)
I=250.6 II= 61.7
Seeing:5/10 Transp.:5/5 x311
  • 大赤斑がCMのスケッチ(ω2=61.7)。
  • 大赤斑はかなり淡く、輪郭がはっきりしない。中央部南が少し濃い。
  • SEBは大赤斑をはさんで鞍型に南に膨らんでいる。大赤斑前方はSEBnにいくつかの白斑があるようだ。大赤斑直後のSEBsが濃く、後方のSEBに白斑群(昨シーズンの6月23日に見られた"白い川"の雰囲気)。
  • STBは大赤斑後方から階段状に南にシフトしている。
  • NTrZ左に2個の白斑。昨シーズンのNTBnのNotchだろう。
  • NTBはCM左から次第に太く濃くなっている。
  • NTBsのCM付近にProjection(CMT ω1=251.8、ω2=62.9)。昨シーズンに観測されたNTC-Cに属する高速移動暗斑SPOT-1である。


堀川邦昭 K.Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)


No.6 1998/05/19 19:23(UT)
I=260.1 II= 71.0
Seeing:3-4/10 Transp.:1-3/5 x200
  • RSは淡く赤みもないが、南側に輪郭は明瞭でやや大きく感じる
  • RS後方のSEBsは南側に盛り上がって濃く見える
  • SEBZの活動域はやや明るいが、個々の白斑は分離できない
  • NEBは北側が濃く見える
  • この経度のNTZは比較的明るいが、NNTBは淡い
CMT観測 (時刻はUT)
3. 1998/05/19 19:11STRZ DRS C2 63.7


ALPO-Japan HomePage Jupiter Section