ALPO-Japan: Jupiter Section (May 27, 1998)

1998年 5月27日の木星

安達 誠・浅田秀人・伊賀祐一・奥田耕司・忍穂井幸夫


May 27, 1998

●概況
大赤斑直前のSTrZからSEBsにかけて、変化が認められました。安達氏はSTrZに数本のDark Projectionとして捉えており、浅田氏はSEBsのDark Streakとして捉えています。奥田氏のCCD画像は浅田氏とほぼ同経度です。三人のこの領域の様子を比較してみました。

安達氏スケッチ
ω2= 36
浅田氏CCD画像の拡大図
ω2= 45
奥田氏CCD画像の拡大図
ω2= 46
なお、安達氏は5月15日のスケッチではSTrZのShadeとしてこの現象を捉えています。SEBsを後退してきて、大赤斑の南側を取り巻くアーチに発展した可能性があります。


浅田秀人 H.Asada (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)

Asada CCD Image JPEG 12KB
Original Image
Asada CCD Image JPEG 10KB
極端な画像強調を適用(伊賀)

  • SEBZ,RS後方の白雲群が活動的で、眼視では白線がRS直下も切れ目なく続き、II=45付近まで伸びている。
  • RS前後のSEBsの隆起(STrZのdark-streak)は次第に高く、間もなくRSを取り巻く気配。
  • NEBn(II=32.6)のWSが明るい。

忍穂井幸夫 Y.Oshihoi (200mm Newtonian, Digital Camera NEC Picona)


1998/05/26 19:23(UT)
I=283.3 II= 40.9
Seeing:6/10 Transp.:6/10
  • 今期最高のシーイングに恵まれた。
  • GRSは非常に淡く捉えにくい。
  • STBはCM後方のGRSの手前の経度でSSTBと重なっている。
  • SEBZはGRSの後方にやや濃い部分があり、後方では白斑状に淡く抜けている。
  • SEBnのGRS前方の経度も淡い。
  • NTBはCMから後方で濃い。


Image#14 1998/05/26 20:07(UT)
I=311.0 II= 68.4
NEC Picona 3 Images Composite

極端な画像処理を適用

  • SEBz のGRS 後方位置に,白斑群が続いているのが目立っていました。
  • GRS は相変わらず淡く、とらえにくい。
  • 早朝は、金星、土星、木星と惑星が並んでいて、なかなか楽しいものです。


奥田耕司 K.Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


Image#12 1998/05/26 18:54(UT)
I=265.2 II= 23.0
Seeing:3/10 Transp.:5/10

Image#13 1998/05/26 19:17(UT)
I=279.2 II= 36.9
Seeing:4/10 Transp.:5/10

Image#14 1998/05/26 19:32(UT)
I=288.3 II= 45.9
Seeing:4/10 Transp.:5/10

極端な画像処理を適用

極端な画像処理を適用

極端な画像処理を適用


  • キリのち晴れ、雲がよく通る
  • GRSの色はだいだい色
  • GRS前方のSTBがよく見える
  • CCDでNTrZ CM2=40°付近にかなり明るい白斑がある

安達 誠 M.Adachi (310mm Newtonian, Drawing)


No.13 1998/05/26 19:12(UT)
I=278.1 II= 35.7
Seeing:7/10 Transp.:5/5 x360
  • 大赤斑は赤くない。CMT観測 GRS p.e. 4h44m II=55.0
  • STrZは大赤斑の前方でモヤモヤとしており、かなり複雑になって見える。
  • SSTBはかなり幅があるが、南北組織ははっきりしなくなってしまった。
  • SEBnが今までよりも非常にクリアに見えてきた。濃くシャープになりつつあるようだ。
  • EBが以前よりよく分るようになってきた。
  • NTC−Cの暗斑は特に見当たらない。
  • NTBは中央のNotchから右側に広くなっていくのが捉えられる。
  • NTZの左にある赤くボーッとした模様は、色は分らないが存在はしっかりつかめた。
  • NNNTB付近には顕著な暗帯が見られる。


伊賀祐一 Y.Iga (280mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)


No.12 1998/05/26 18:43(UT)
I=260.1 II= 18.0
Seeing:3/10 Transp.:2/5 x311
  • STBの左のリム近くに永続白斑FAが見える。
  • 大赤斑は淡い。
  • SEBはCM付近に濃化部。大赤斑の北側は淡くなっている。
  • NEBnの左にBarge。
  • NTBはCM右から濃く見えてきた。


ALPO-Japan HomePage Jupiter Section