ALPO-Japan: Jupiter Section (August 23, 1998)

1998年 8月23日の木星

伊賀祐一・奥田耕司・小山田博之


August 23, 1998

●概況
大赤斑後方のSEBZの活動は、8月22日の観測とほぼ同じです。通常の大赤斑直後のSEBZの活動に伴うあまり顕著ではない白斑も見られ、これらの活動をSEBnの濃いBeltが区別しています。120度以降のSEBnにはいくつかの明るくない白斑が見られ、Mid-SEB Outbreakの先端部の活動を示しています。奥田氏の画像では終端部の活動が捉えられており、260度(もしくは280度)付近まで白斑が活動しています。

STBは大赤斑後方では淡いBeltとして観測されています。伊賀のスケッチNo.43のSTBsの右にDark Spotが見えてきました。

NEBnにはいくつかのBargeが見られますが、NEBは濃いのはNEBnのエッジだけになりました。NEBsにはいくつかのRift状の明部が見られます。


伊賀祐一 Y.Iga (280mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)


No.42 1998/08/22 14:05(UT)
I=309.2 II=117.1
Seeing:6-3/10 Transp.:2/5 x311
  • 透明度が悪い。
  • 大赤斑後方のSEBZは、大赤斑直後のSEBsがやや濃い。30度ほど後方のSEBZに小さな白斑。これより後方で、SEBnが急激に南にシフトしている。Mid-SEB Outbreakの先端部の白斑群をSEBcが区切っている様子である。
  • NTZはCM右から明るい。


No.43 1998/08/22 14:43(UT)
I=332.4 II=140.0
Seeing:5/10 Transp.:1-2/5 x311
  • SSTBは二重に見える。
  • STBsの右からSTBs のDark Spotが見えてきた。
  • SEBZは通常の活動域とMid-SEB Outbreakの活動域がきれいに分離されている。
  • NEBn中央左に大きなBarge。その南のEZnのLoop Festoonは面白い。NEBsはRiftが目立つ。


奥田耕司 K.Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


Image#46 1998/08/22 18:10(UT) I= 97.4 II=263.9
Image#47 1998/08/22 18:31(UT) I=110.2 II=276.6



画像強調を適用(伊賀)
S=4/10 T=7/10

  • 悪シーイングのため細部はハッキリしない
  • FAがなんとか確認できる
  • SEBsがかなり暗い
  • NEBnのBargeが2個ハッキリ見える


小山田博之 H.Oyamada (200mm VISAC, Drawing)


No.19 1998/08/22 14:55(UT)
I=339.9 II=147.3
Seeing:6-5/10 Transp.:4-5/10



No.20 1998/08/22 16:58(UT)
I= 54.9 II=221.8
Seeing:6/10 Transp.:5-4/10

  • NTB:幅をもって見えるが、全体的に淡い。しかし、体系II=145°付近や150°付近にかけて一部濃くなっている。
  • NEB:昨年NEBnに見えていたバージが見られ、濃くなっている。またnotchも見られ、特にII=147°のものが著しい。一方、NEBZからNEBsにかけては淡くなっている。NEBsからは、EZに向かって、フェストーンがいくつか見える。
  • SEB:NEBとほぼ同じくらいに太い。SEBsが波打っているように見え濃化している。一方、SEBZはMid-SEB Outbreakためか?北側ほど淡化おり、所々に白斑が見られる。SEBnにもある程度幅があって濃化しているが、SEBsほど濃化していない。


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