ALPO-Japan: Jupiter Section (September 3, 1998)

1998年 9月 3日の木星

安達 誠・伊賀祐一・池村俊彦・奥田耕司・忍穂井幸夫・林 敏夫


September 3, 1998

●概況
STBに新たなDark Spotが観測されました。浅田氏から8月31日の画像のII=122度に新たな暗斑が出現したとの連絡を受けましたが、その後、条件はあまり良くありませんが、9月3日の忍穂井氏の画像No.44のCM後方と、伊賀の画像No.45のCM左のSTBにDark Spotが撮影されています。画像から計測した経度は、それぞれ114度と113度でした。

Red:new dark spot Green:known dark spot

以前から観測されているSTBsのDark Spotは、池村氏、奥田氏、伊賀の画像に撮影されており、画像からの経度は165度です。

STB Ovalの'BE'と'FA'が、池村氏の画像に捉えられました。'BE'の経度は246度で、長さは約6度、拡散状で青味を帯びています。'FA'の経度は287度で、'BE'と'FA'の間にRiftがあり、264度には白斑が存在しています。


STB Oval: T.Ikemura II=240

奥田氏の画像では、Mid-SEB Outbreakの先端部の活発な活動の白斑群がSEBnに捉えられています。


安達 誠 M.Adachi (310mm Newtonian, Drawing)


No.69 1998/09/03 12:05(UT)
I=332.6 II= 49.5
Seeing:4/10 Transp.:5/5 x390
  • GRSのアーチから前方に伸びるstreakは、暗斑の連続になっていて、時々複雑な様子が見て取れる。
  • GRS CMT:p.e. 12h19m(II=58.0), center 12h31m(II=65.3), f.e. 12h44m(II=73.2)
  • GRSとSTBの間はもっと広いが、狭く書いてしまった。
  • GRSは淡いオレンジ色に見える。また、右側には時々フィラメントが見られる。
  • NEBsに見えるこのBandは、実はNEBの中央組織だと思う。NEBは標準の幅の半分になってしまっている。
  • NTBとNNTBにたくさんの暗斑が見られるが、目立つものはない。


No.70 1998/09/03 12:49(UT)
I=359.5 II= 76.1
Seeing:4/10 Transp.:5/5 x390
  • STBは幅のあるBandとして良く見えているが、GRS前方になると詳細が良く分からない。特にGRSのすぐ上の部分は良く分からない。
  • EZはモヤモヤしてつかみ難い。
  • NNNTB以北は比較的濃い方ではないかと思う。


No.71 1998/09/03 14:36(UT)
I= 64.8 II=140.8
Seeing:7/10 Transp.:5/5 x390
  • SSTBは非常によく目立っている。中央のWSもこのせいではっきりと見える。
  • STB暗斑の前方に、Dark Streakが出始めたように見える。
  • NEBnにはBargeがありそうにも思うが、中央左と右端以外には見られなかった。
  • 透明度が良く、中央のfestoonは非常に青い。実に印象的で美しい。


忍穂井幸夫 Y.Oshihoi (200mm Newtonian, Digital Camera NEC Picona)


Image#44 1998/09/03 13:33(UT)
I= 26.3 II=102.8
NEC Picona 1/7 sec.、4枚コンポジット

極端な画像処理を適用(伊賀)


伊賀祐一 Y.Iga (280mm Schmidt-Cassegrain, Digital Camera NEC Picona)


No.44 1998/09/03 12:49(UT)
I=359.3 II= 76.0
Seeing:2-3/10 Transp.:4/5 LV15mm
3 images composite

極端な画像強調を適用
  • まだ低空で条件は良くない。


No.45 1998/09/03 14:18(UT)
I= 53.5 II=129.8
Seeing:2-3/10 Transp.:4/5 LV15mm

極端な画像強調を適用
  • 条件は悪い。
  • STBのCM左に新たなDark Spotが出現したようだ(II=113)。
  • 従来から見えるSTBsのDark Spotは右端に見える(II=170)。


林 敏夫 T.Hayashi (355mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)

No.26 1998/09/03 14:10(UT)
I= 48.9 II=125.0
Seeing:3-4/10 Transp.:3-4/5 x312

  • STBのdarkspotは薄くなったか?


奥田耕司 K.Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


Image#48 1998/09/03 14:17(UT) I= 51.8 II=128.0
Image#49 1998/09/03 14:49(UT) I= 71.3 II=147.4



Image#50 1998/09/03 15:00(UT) I= 78.0 II=154.0
Image#51 1998/09/03 15:37(UT) I=100.6 II=176.4




画像強調を適用(伊賀)
S=4/10 T=9/10

  • SSTB以南がZone状に明るく見える
  • SSTBは幅広くベルト状
  • GRS後方のSEBzの白斑が大きく目立つ
  • CM2=160°付近のSTBsの暗斑より前方が20°ほどSTBが南に幅広く 濃くなっている


池村俊彦 T.Ikemura (310mm Newtonian, Digital Camera NEC Picona)


極端な画像処理を適用(伊賀)

No.57 1998/09/03 15:07:10(UT)
CMT= 83.8゜CMU=159.7゜CMV=272.3゜
De= +2.3゜E.Dia=49.41"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
0.5゜プリズム 合成 F36
NEC PICONA 1/7秒 2 枚コンポジット


極端な画像処理を適用(伊賀)

No.58 1998/09/03 15:18:34(UT)
CMT= 90.7゜CMU=166.6゜CMV=279.2゜
De= +2.3゜E.Dia=49.41"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
0.5゜プリズム 合成 F36
NEC PICONA 1/7秒 2 枚コンポジット

2系160゜付近の黒点をとらえました。

眼視では針をついたような黒い点として見え、衛星の影かと疑いたくなるような気さえしました。 眼視では形はわかりませんでした。

デジカメの像ではどうやら経度方向に少し伸びた形の様です。先の2枚は黒く写り、後の3枚は赤くなっていますが、赤いのではないかという気がしますが、断言できません。


極端な画像処理を適用(伊賀)

No.59 1998/09/03 17:20:32(UT)
CMT=165.1゜CMU=240.3゜CMV=353.0゜
De= +2.3゜E.Dia=49.41"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
0.5゜プリズム 合成 F36
NEC PICONA 1/7秒 2 枚コンポジット

※木星本体の右に見えるのはユーロパです。

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