ALPO-Japan: Jupiter Section (September 12, 1998)

1998年 9月12日の木星

安達 誠・伊賀祐一・奥田耕司・忍穂井幸夫・林 敏夫・堀川邦昭・小山田博之


September 12, 1998

●概況
STrZのDark Streakは大赤斑から前方に伸びています。II系で10度付近のSTrZ〜SEBsの間には2個の白斑が存在しています。

SEBZの大赤斑前方では、SEBsが太く、赤味の強いBeltとして観測されています。大赤斑の後方では、通常のSEBZの活動が見られますが、奥田氏、林氏の観測ではII=100度付近に小さな明るい白斑も観測されています。さらに後方では、Mid-SEB Outbreakの活動が盛んで、SEBnに白斑も見られますが、濃い暗柱の活動の方が活発のようです。

大赤斑は南側のアーチ構造が濃く、大赤斑を取り巻いている様子です。


安達 誠 M.Adachi (310mm Newtonian, Drawing)


No.81 1998/09/12 12:06(UT)
I=315.7 II=323.7
Seeing:2/10 Transp.:5/5 x390
  • STrZのCM左に白斑(CMT 12h02m II=321.3)があり、小さなBayを作っている。明るさは低い。
  • SEBZのCM後方のDark Spotは、シーイングが悪く詳細不明。
  • SEBは中央組織がはっきり見える。


No.82 1998/09/12 13:03(UT)
I=350.4 II=358.2
Seeing:5/10 Transp.:5/5 x390
  • SEBZの暗斑と白斑を確認した。シーイングが良くなると見えてくるらしい。
  • SEBsはDark Streakと一緒になっているが、先端はSTBのGapの所まで極めて淡くなって見えている。
  • NTZは極めて細い。Bright Streak状だ。


No.83 1998/09/12 13:50(UT)
I= 19.1 II= 26.6
Seeing:3/10 Transp.:5/5 x390
  • この経度のSPRは良いシーイングにならないと、何がなんだか分らない。
  • SEBcのBandのオレンジ色は濁ってきて、赤味が落ちてきたように思う。
  • 大赤斑右のBayは濃く良く目立っている。
  • festoon群はほとんどNEBsになっている。青味が強く、いずれも個性的な姿だ。


No.84 1998/09/12 14:26(UT)
I= 41.1 II= 48.3
Seeing:3/10 Transp.:5/5 x390
  • 大赤斑(CMT center 14h54m II=65.2)は、比較的大きく感じる。
  • 大赤斑直後のSEBのColumnは、幅が非常に広い。いつもなら一条明るい部分が出ているが、今日は見当たらなかった。
  • 大赤斑のアーチの上に、大赤斑が突き出しているようには見えなかった。
  • CM後方のfestoonからNEBは元の幅に復元している。


伊賀祐一 Y.Iga (280mm SC, Digital Still Camera NEC Picona)


No.53 1998/09/12 13:28(UT)
I= 5.4 II= 13.2
Seeing:4/10 Transp.:2/5 LV15mm
3 images composite
  • 大赤斑の前方から伸びるSTrZのDark StreakがCM付近まで伸びている。CM付近のSTrZ〜SEBsの間には2個の白斑が認められる。
  • 大赤斑の前方のSEBsはずいぶんと赤味を帯びている。


No.54 1998/09/12 13:56(UT)
I= 22.5 II= 30.1
Seeing:4/10 Transp.:2/5 LV15mm
3 images composite
  • STrZのDark Streakが顕著に見られる。
  • 大赤斑の南側のアーチ構造も顕著である。


忍穂井幸夫 Y.Oshihoi (200mm Newtonian, Digital Camera NEC Picona)



極端な画像処理を適用(伊賀)

Image#49 1998/09/12 14:27(UT)
I= 41.0 II= 48.5
NEC Picona 1/7 sec.、4枚コンポジット



林 敏夫 T.Hayashi (355mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)

No.38 1998/09/12 14:05(UT)
I= 28.2 II= 35.6
Seeing:3-5/10 Transp.:3/5 x312

  • GRS前方にあるDarkStreak先端に白斑が2有るか?
  • NEBsのCMにEZnとの間に白い空白がある。

No.39 1998/09/12 15:03(UT)
I= 63.5 II= 70.7
Seeing:5/10 Transp.:4/5 x312

  • GRSは変化無い。
  • CMT 23:55 JST 65.8°C、CMT 00:10 JST 74.9°F
  • SEBcに白斑群が活発で、右端の白斑は特に輝いている。
  • NEBnのCMから左が濃い。
  • NTBの右端が切れている。CMT 0:25 JST 84.0°

No.40 1998/09/12 17:30(UT)
I=153.2 II=159.5
Seeing:3/10 Transp.:5/5 x312

  • STBのDarkSpot CMT 2:35 162.6°
  • SEBnのCMに暗柱がある。


堀川邦昭 K.Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)


No.57 1998/09/12 14h53m(UT)
ω1= 57.5 ω2= 64.6
Seeing:6-7/10 Transp.:5/5 x200
  • RS後方のSEBZは明部が大きく発達し、白斑の形状も複雑で活動的
  • RS直前のSEBZも通常より明るく見えるが、RS呼応方の活動によるものか、mid-SEB outbreakの影響かわからない
  • CM後方でNTBが淡くなり南へ盛り上がっている
CMT観測 (時刻はUT)
165. 1998/09/12 14:46SSTB WSPOTC2 60.4
166. 1998/09/12 14:53STRZ DRS C2 64.6
167. 1998/09/12 15:01EZN DFESTC1 62.3
168. 1998/09/12 15:08STRZ DRS F2 73.7
169. 1998/09/12 15:29EZN DFESTC1 79.4
170. 1998/09/12 15:35SEBZ WOVALC2 90.1


No.58 1998/09/12 16h05m(UT)
ω1=101.3 ω2=108.2
Seeing:5-6/10 Transp.:5/5 x200
  • SSTBは軽く二条になっている
  • SEBはCM前方がRS後方の活動域で、後方はmid-SEB outbreakの前端部、前者の白斑は雨粒状で大きく明るいが、後者のものは小さく不明瞭
  • CM後方のNNTBに明瞭なgapが見られるが、白斑があるようには思えない
CMT観測 (時刻はUT)
171. 1998/09/12 16:01SEBZ WSPOTC2105.8
172. 1998/09/12 16:05EZN DFESTC1101.3
173. 1998/09/12 16:13SSTB WSPOTC2113.1
174. 1998/09/12 16:43SEBN WSPOTC2131.2
175. 1998/09/12 16:47NEBN DBAR C2133.6
176. 1998/09/12 16:50NNTB WGAP C2135.4


奥田耕司 K.Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


Image#58 1998/09/12 15:02(UT) I= 61.6 II= 68.9
Image#59 1998/09/12 16:31(UT) I=115.9 II=122.7

画像強調を適用(伊賀)
S=4/10 T=8/10 ND4-FIL

  • 悪シーイングのため細部は不明
  • GRSはわずかに赤みがある
  • GRS前方へのストリーク及SEB中央のベルトが濃くハッキリしている
  • GRS後方の白斑群はよく目立つ


小山田博之 H.Oyamada (200mm VISAC, Drawing)


No.27 1998/09/12 15:20(UT)
I= 73.9 II= 81.0
Seeing:7-6/10 Transp.:6-5/10

  • SEB:大赤斑を中心として盛り上がっているように見える。大赤斑から離れたSEBZには白斑状の明部がいくつか存在する。この白斑部と大赤斑に挟まれているSEBが非常に濃くなっている。また、大赤斑の前方部分のSEBZには、筋のような明部がのびている。
  • 大赤斑:南縁に沿ってアーチが走っており、赤斑孔状になっている。


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