ALPO-Japan: Jupiter Section (October 9, 1998)

1998年10月 9日の木星

池村俊彦・奥田耕司・林 敏夫・堀川邦昭


October 9, 1998

●概況
SSTBは10〜180度まで太いBeltとして見え、WSが35、83、135、164度にあります。

STBは大赤斑の前方では淡くなっており、本来の緯度から南にシフトして12度の暗斑を最後にSSTBに合流しています。大赤斑の右上から本来のSTBが見えていますが極めて淡いBeltです。151度のSTBsに濃い暗斑が見られ、さらに後方の183度にDark Sectionが見られます。このDark Sectionは以前よりは濃度がなくなりました。

STrZの大赤斑の前方にはDark Streak(STrZ Beltといった方が良いか)が0〜57度まで見られ、さらに前方にも伸びている様子です。このStreakの後端は大赤斑の南を取り巻くアーチ構造につながります。大赤斑後方のSTrZは明るいZoneで変化は見られません。

大赤斑は中央南に小さなオレンジ色の本体が見え、全体は大赤斑孔のようにも見えます。特に南側はアーチ構造に取り囲まれ、北側はSEBs Bayが顕著です。大赤斑の経度は、前端が57度、中央が68度、後端が79度です。

SEBZの大赤斑の前方では、SEBsが太く赤味を帯びたBeltとして18〜57度まで見えています。この経度のSEBnは明るく見えています。大赤斑直後のSEBZには、通常の活動の白斑群が見えていますが、あまり明るいものではありません。107度に明るい白斑が見られます。この白斑から後方では、非常に乱れた赤味のあるSEBcと、Mid-SEB Outbreakの活動の白斑と暗柱の入り乱れたSEBnが見られますが、あまり活発ではありません。SEBcの125度に長さ10度の赤いStreak、さらに159度、200度にも赤いStreakが観測されています。

NEBは全体として赤味の強いBeltですが、ところどころにEZnとつながるWhite Riftが見られます。NEBnにはBarge状の突起が18、58、136度に見られます。

NTBは1本の太いBeltとして見えていますが、71度に小さなGapがあり、210度付近に長さ20度ほどのNTBn Dark Barが見られます。NNTBが80度以降の経度で濃く見えていますが、119度に小さな白斑があります。


池村俊彦 T.Ikemura (310mm Newtonian, Digital Still Camera NEC Picona)



極端な画像処理を適用(伊賀)

No.84 1998/10/09 11:30:22(UT) I=240.2 II= 42.6 III=164.8
De= +2.1゜E.Dia=48.65"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
1゜プリズム 合成 F33
NEC PICONA 1/7秒 2枚コンポジット


極端な画像処理を適用(伊賀)

No.85 1998/10/09 13:37:20(UT) I=317.6 II=119.3 III=241.6
De= +2.1゜E.Dia=48.64"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
1゜プリズム 合成 F33
NEC PICONA 1/7秒 3枚コンポジット


極端な画像処理を適用(伊賀)

No.86 1998/10/09 14:10:08(UT) I=337.6 II=139.2 III=261.4
De= +2.1゜E.Dia=48.64"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
1゜プリズム 合成 F39
NEC PICONA 1/7秒 3枚コンポジット


極端な画像処理を適用(伊賀)

No.87 1998/10/09 15:04:08(UT) I= 10.3 II=171.6 III=293.9
De= +2.1゜E.Dia=48.64"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
1゜プリズム 合成 F33
NEC PICONA 1/7秒 4枚コンポジット


奥田耕司 K.Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


Image#69 1998/10/09 13:02(UT) I=294.7 II= 96.7
Image#70 1998/10/09 13:35(UT) I=314.8 II=116.6

画像強調を適用(伊賀)

S=4/10 T=9/10 ND4-FIL

  • シーイングが良くない
  • SSTBが濃くハッキリしている
  • STBは淡くかろうじて確認できる
  • GRSはわずかに赤い


堀川邦昭 K.Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)


No.72 1998/10/09 13h06m(UT)
ω1=298.5 ω2=100.2
Seeing:4-6/10 Transp.:4/5 x200
  • SEBの白斑群は後端の白斑が最も大きく顕著、後方に白雲を引いている、mid-SEB outbreakとの間はかなり濃い中央組織で隔てられている
  • この経度はEB、festoonとも淡い
  • NNTBのgapはひと月で20°ほど前進している、相変わらず白斑には見えない
CMT観測 (時刻はUT)
232. 1998/10/09 13:08EZN DFESTC1299.7
233. 1998/10/09 13:18SEBZ WOVALC2107.5
234. 1998/10/09 13:30NNTB WGAP C2114.7


No.73 1998/10/09 15h34m(UT)
ω1= 28.6 ω2=189.7
Seeing:6/10 Transp.:4/5 x200
  • SEBの明部は前方ほど北寄りで不明瞭
  • CM右の白斑より後方はぼんやりとしたstreak状の明部となり顕著な白斑はない
  • CM付近のfestoon後方でNEB南部が約40°淡くなっている
  • NTZにはdark barがあるように見える
CMT観測 (時刻はUT)
235. 1998/10/09 15:34NEBN DBAR C2189.7
236. 1998/10/09 15:37SEBZ WSPOTC2191.5
237. 1998/10/09 15:41EZN DFESTC1 32.9
238. 1998/10/09 15:59SEBZ WOVALC2204.8
239. 1998/10/09 16:22EZN DFESTC1 57.9


林 敏夫 T.Hayashi (355mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)

No.53 1998/10/09 13:25(UT)
I=310.0 II=111.7
Seeing:2/10 Transp.:3/5 x312

  • STBの細い筋が見え、右端に暗斑が見えてる。
  • GRS右のSEB内の白斑群が健在である。SEBnのCM付近から右にSEBoutbreakの先端か?


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