ALPO-Japan: Jupiter Section (December 28, 1998)

1998年12月28日の木星

安達 誠・根市満之・前田和儀


December 28, 1998

●概況
久しぶりに青森の根市氏からの観測報告です。冬場としてはまずますの観測条件というコメントをいただきました。

根市氏の画像は、大赤斑付近を捉えています。大赤斑は南半分がオレンジ色で、北側は大赤斑孔が明るく取り巻いています。大赤斑の前方に伸びるSTrZ Dark Streakが淡く見えています。安達氏の観測では、もっと前方までStreakは伸びているようです。

STBnが大赤斑直後から後方に伸び、STBs Dark Spotが観測されました。この後方には安達氏のNo.140のスケッチのように、STBのDark SectionとSTZのDark Spotが続いています。

大赤斑前方のSEBZは太くオレンジ色のSEBsが伸びており、大赤斑後方では直後のSEBsが太く見えています。大赤斑後方のSEBZには久し振りに白斑が見られます(安達)。また、SEBnがII=100度辺りまでずいぶんと淡化が進んでいるようです。II=118度にMid-SEB Outbreakの白斑が見られます(安達)。


安達 誠 M.Adachi (310mm Newtonian, Drawing)


No.137 1998/12/28 08h04m (UT)
ω1=139.1 ω2= 52.3
Seeing:5/10 Transp.3/5 ×390
  • SSTBにはたくさんの暗斑があるらしく、ゴツゴツした感じに見える。全体的にSSTBは幅が狭くなっている。
  • STBは大赤斑の右側で幅も広くなり濃い。大赤斑の南ではややふくらみ、左に伸びているがどこまであるかは不明。
  • 大赤斑はII=68.1(CMT8h30m)にあり、やや小さくなったように感じる。赤味はほとんど分らない。
  • EZ内に目立ったFestoonは見られない。これだけ少ないのは珍しい。
  • NEBの幅が広くなってきている。
  • NNTBは明らかに二条になっている。


No.138 1998/12/28 09h00m (UT)
ω1=173.3 ω2= 86.2
Seeing:3/10 Transp.3/5 ×390
  • STBは南北組織の二重になっている。
  • SEBは大赤斑の後方ではかなり淡化が進み淡くなっている。とりわけSEBnの淡化が目立つ。大赤斑直後に久し振りに明るい白斑を見た。
  • NEBは右端でやや細くなっている。


No.139 1998/12/28 09h47m (UT)
ω1=202.0 ω2=114.6
Seeing:3/10 Transp.3/5 ×390
  • STBの濃化部はしだいにSSTBにシフトしている。
  • SEBsは輪郭がつかみにくい。その代わりにSEBcがよく見える。このベルトは蛇行している。
  • SEBZの白斑はII=117.6(CMT 8h52m)。
  • NEBは全体として単調になっていて、目立ったRiftなどは見られない。
  • この辺りからNNTBが濃くなっている。


No.140 1998/12/28 10h32m (UT)
ω1=229.4 ω2=141.7
Seeing:5/10 Transp.3/5 ×390
  • STZの暗斑は以前よりも暗斑らしくなってきたが、濃さはあまり変わらない。その前方のSTZの白斑はII=147.7(CMT 10h42m)。
  • SEBZの内部に見られるOvalはあまり明るくない。SEBcがよく見える。
  • SEBnはこの辺りでは淡化したとは思えない。CMの右のSEBの中央に、細いRift状の白斑が見られる。


根市満之 M.Neichi (200mm Newtonian, Digital Camera NEC Picona)


Image#4 1998/12/28 08:48:00(UT)
CMT=166.5゜CMU= 79.4゜CMV=222.9゜
De= +1.8゜E.Dia=38.46"
20cm F8ニュートン反射(苗村鏡) 
テレビュー3Xバーローレンズ 合成F24
NEC PICONA 1/7秒 3枚コンポジット
アンシャープマスク処理
透明度 9/10 シーイング 7/10



強調画像(伊賀)


前田和儀 K.Maeda (310mm Newtonian, Digital Still Camera NEC Picona)


極端な画像処理を適用(伊賀)

No.35 1998/12/28 09:20(UT)
I=185.7 II= 98.5 III=241.9
NEC PICONA 1/7秒



極端な画像処理を適用(伊賀)

No.36 1998/12/28 09:36(UT)
I=195.6 II=108.3 III=251.7
NEC PICONA 1/7秒



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