ALPO-Japan: Jupiter Section (April 29, 1999)

1999年 4月29日の木星

伊賀祐一、忍穂井幸夫、小山田博之、堀川邦昭
Y.Iga, Y.Oshihoi, H.Oyamada, K.Horikawa


April 29, 1999(UT)

●概況
全国的に天気が安定し、実質的な初観測が各地で行われました。

まだ2本のベルトが見られる程度で、大赤斑付近の経度の観測ですが、大赤斑本体は見られなかったようです。大赤斑前方のSEBsに濃化部が見られます。


Hiroyuki Oyamada (200mm VISAC, Drawing)

No. 1 1999/04/29 19h35m(UT)
I=254.8 II= 53.3 III=229.4
Seeing:2/10 Transp.:4-3/10
  • NTB:見えない(わからない)。
  • NEB:全般にNEBsがNEBの他の部分に比べ、濃くなっている。
  • EZ:木星面で一番明るい。
  • SEB:大赤斑付近でSEBnに比べSEBsが濃くなっている。
  • 大赤斑:SEBがとぎれたところにあるが、存在はよくわからない。
  • STB:見えない(わからない)。
私も、今朝木星の初観測を行うことができました。透明度が良かったので、案外簡単に木星を見つけることができました。

SEBが淡化しているのではないかと、密かに期待していたのですが、立派に濃かったです。
大赤斑は、SEBがとぎれたところにあるようでしたが、赤斑そのものは確認できませんでした。ただ、大赤斑南方のSTB?が気のせいか、濃く見えました。


Kuniaki Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)
今朝、今シーズンの初観測をしました。
一時的に冬型の気圧配置になったため透明度が良く、木星の出から10-15分後には肉眼でもはっきり見ることができました。

ちょうど大赤斑付近の経度でしたが、付近のSTrZは明るく、STBの暗斑との会合の影響はなさそうです。大赤斑本体は淡いようで、STrZと同化して確認できませんでした。

★スケッチ
1. 1999/04/29 19:47 ω1= 1.2 ω2= 60.5 シーイング=3/10 透明度=4/5

観測コメント

  • NEBが最も濃いベルトで、幅広く見え、北縁がやや不明瞭
  • 大赤斑がCM付近にあるが、STrZと同化して本体は確認できず、bayの存在のみ判る
  • SEBは大赤斑前方で濃く(特に南側)、後方ではやや淡い全体としてNEBにはやや劣るようだ
  • 大赤斑付近のSTrZはおおむね明るく、STB暗斑の会合による影響はなさそうだ
  • EZが最も明るい
CMT観測 (時刻はUT)
なし


Yukio Oshihoi (210mm Newtonian, Digital still camera NEC Picona)
今朝、自宅ベランダ観測所にて木星と水星の初観測?に成功しました。新川さんに遅れること23時間45分、30日4時48分にピコナしました。
眼視ではなんとか2本の縞が確認できましたが、画像ではただの楕円型ののっぺら坊でした。(はっきりと撮像には失敗です。)

Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC Picona, Drawing)

No. 1 1999/04/29 20h07m(UT)
I= 13.8 II= 72.3 III=248.4
280mm Schmidt-Cassegrain, LV15mm
NEC Picona 1/7sec, 5 images composite
Seeing:1-3/10 Transp.:5/5

同時刻のシミュレーション

  • 昇ったばかりにしては意外にも気流は安定している。こんな時期に撮像できるとは思っていなかったのですが。
  • 大赤斑は写っていないようで、その位置のSTrZは明るい。大赤斑前方のSEBは暗い。
  • NEBは全体的にはSEBよりも濃いようだ。
  • 大赤斑後方のSTBにやや濃い部分が見られる。

No. 2 1999/04/29 20h10m(UT)
I= 15.6 II= 74.1 III=250.2
280mm Schmidt-Cassegrain, x180
Seeing:2/10 Transp.:5/5
  • 今シーズンの初観測。4時55分に山から昇ってきた。
  • SEBの左にやや濃い部分がある。
  • NEBも太いベルトだが、一様にしか見えない。

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