ALPO-Japan: Jupiter Section (June 30, 1999)

1999年 6月30日の木星

安達 誠、伊賀祐一、池村俊彦、忍穂井幸夫、新川勝仁、堀川邦昭
M.Adachi, Y.Iga, T.Ikemura, Y.Oshihoi, M.Niikawa, K.Horikawa


June 30, 1999(UT)

●Summary
西日本に集中豪雨があり被害が広がりましたが、梅雨の中休みの観測です。

大赤斑の前方のSTBは淡いながら1本のベルトとして捉えられました。右端にSTBs暗斑(#2)が見えてきて、ほぼ大赤斑を通過し終えた様子です。池村氏・新川氏の画像のCM後方のII=353度に暗斑が見られますが、これは昨シーズン観測されていた丸いSTBs暗斑(#1)かもしれません。条件の良い時の観測が必要です。

池村氏・新川氏の画像では、NTBが北に膨らんだ部分が見られますが、これはNTZにある2個のBarge(赤色の矢印)です。経度はII=314度と340度です。堀川氏はこのBargeをNTBnのProjectionとして捉えられています。

堀川氏は大赤斑の前方のSEBの北半分が淡くなっていることを指摘されています。

この日の衛星現象は、イオ本体の経過が18h12mに終了、ユーロパの影の経過が19h01mに終了、ユーロパ本体の経過が19h06mに開始しました。忍穂井氏のSEBsの左端に見えるのがイオ本体の経過です。また忍穂井氏の画像と新川氏の画像の1,2枚目のSTBに見えるのがユーロパの影の経過で、池村氏の画像の右端に見えるのがユーロパ本体です。


Yukio Oshihoi (210mm Newton, Digital still camera NEC PICONA)

No. 4 1999/06/31 17h57m(UT)
I=355.7 II=301.8 III=134.3
210mm Newton(F5)
NEC Picona 1/7sec
2 images composite


強調画像作成:忍穂井

  • 梅雨の中休みで久しぶりに観測する事ができた。
  • 雲が飛ぶように流れ、透明度は良いがシーイングは最悪。
  • 衛星Europaの影がCM左に黒く見えている。
  • 衛星Io本体がSEBの左端にあり、この後18h12mにかけて木星本体から離脱していく様子を眼視で捉える事ができた。 まるで木星にコブができたような感じで興味深かかった。
  • NEBのCM付近と前方、後方にNotchまたはBay様のへこみが見られる。
  • NTZのCM後方位置にbargeが2ケ所に見られる。


Kuniaki Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)

No. 12 1999/06/30 18h06m(UT)
I= 1.4 II=307.3
Seeing:3-4/10 Transp:5/5
160mm Newton x200
観測コメント
  • SEB暗く単調、北縁は不明瞭でもっと乱れているかもしれない
  • festoon大きく顕著で、EBも濃い
  • 左端の白点はI disk、STrZの黒点はII shade
CMT観測 (時刻はUT)
14. 1999/06/30 18:22NEBN DPROJC2317.0
15. 1999/06/30 18:27EZN DFESTC1 14.2


No. 13 1999/06/30 19h17m(UT)
I= 44.7 II=350.2
Seeing:4-5/10 Transp:5/5
160mm Newton x200
観測コメント
  • SEB単調で目だった濃淡は見られない、北半分淡く北縁不明瞭
  • NEBは北側濃く、南北両縁とも起伏に富んでいる
  • NTBははっきりしているが、NNTB淡い
CMT観測 (時刻はUT)
16. 1999/06/30 19:05EZN DFESTC1 37.3
17. 1999/06/30 19:20EZN DFESTC1 46.5


Masahito Niikawa (280mm SC, Digital still camera Minolta DimageEx1500)
No.11 1999/06/30 18h14m40s(UT)
I= 6.0 II=312.0 III=144.4
3 images composite

No.12 1999/06/30 18h27m40s(UT)
I= 13.9 II=319.9 III=152.4
3 images composite

No.13 1999/06/30 18h56m15s(UT)
I= 31.4 II=337.1 III=169.6
4 images composite

No.14 1999/06/30 19h10m00s(UT)
I= 39.7 II=345.4 III=178.0
4 images composite


Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera :Minolta DimageEx1500 Digital Camera taking lens removed
Effective F No.: 25 (XP24mm Eyepiece Projection)

Filter: IR cut & Low-pass built-in the camera
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 1/4sec
Analog gain:18dB
Seeing:2/10 Transp.:3/6

Image Processing

  • The Maximum Entropy Method deconvolution after composite of the original taking images. And enhanced with the unsharp masking method.

Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 11 1999/06/30 19:06:44(UT)
I= 37.8 II=343.5 III=176.0
De= +3.2 E.Dia=37.59"
310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/34
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
4 images composite

強調画像作成:伊賀


Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)
No. 4 1999/06/30 19h18m(UT)
I= 45.3 II=350.8 III=183.4
310mm Newton, x400
Seeing:3-2/10 Transp.:4/5
  • STBは右側においてぼんやり見える。
  • SEBとEZは暗くなった。
  • STB was occasionally seen.
  • SEB and EZ became faded.


Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 25 1999/06/30 19h33m(UT)
I= 53.9 II=359.5 III=192.0
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(@F39)
NEC Picona 1/7sec, 4 images composite
Seeing:4/10 Transp.:1/5
  • SSTBは太く濃いベルトとして見える。
  • STBは淡く細いベルトで、中央左に暗部、右端にSTBsの暗斑(#2)が見える。
  • SEBは大赤斑の前方にかけて赤味の強いベルトである。
  • NEBnにBargeが見える。
  • NTBは1本のベルトで、左端のNTZに2個並んだBargeの1つが見える。


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