ALPO-Japan: Jupiter Section (July 4, 1999)

1999年 7月 4日の木星

伊賀祐一、忍穂井幸夫、中西英和
Y.Iga, Y.Oshihoi, H.Nakanishi


July 4, 1999(UT)

●Summary
II=220〜240度付近の観測です。

STBはこの経度ではやや南寄りにシフトしていましたが、II=237度付近で分岐しています。南に向かうベルトは濃いSSTBに合流し、北に向かうベルトは本来のSTBの緯度に戻っています。

SEBはこの経度ではSEBs〜SEBcが赤味の強いベルトとして観測されています。特に顕著な模様は見当たりません。

NEBはNEBs〜EZnにかけてのFestoonとNEBnのBargeが入り乱れていて、複雑な様子が観測されました。

NTBはほぼ一様なベルトとして見えています。NTZのII=185度にBargeがあり、伊賀の画像No.27の左端に見られます。このBargeはNo.26の眼視でも確認されました。また、II=285度付近にもNo.27の画像では同様なBargeがあるように見えますが、他の画像などには見つかりませんでした。


Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 26 1999/07/04 18h55m(UT)
I=302.2 II=217.5 III= 51.1
280mm Schmidt-Cassegrain, x311
Seeing:5/10 Transp.:2/5
  • うろこ雲を通しての観測で、明るさが大きく変わるがシーイングは良い。
  • SEBは一様に見え、特に目立つものはない。SEBs〜SEBcが赤味が強く濃い。
  • NEBnにはいくつかのBargeが見えている。
  • NTBはCM付近が淡く見える。
  • NTZの左にBargeが見える。

No. 27 1999/07/04 19h20m(UT)
I=316.7 II=231.8 III= 65.4
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 5 images composite
Seeing:6/10 Transp.:3/5
  • うろこ曇が切れてよく晴れた。
  • STBがCM付近のII=237度から分岐している。南に位置していたSTBが淡いながら本来の緯度に戻っている。
  • SEBはSEBs〜SEBcが赤味が強く濃いベルトだが、特に目立つ模様は見られない。
  • EBが見えている。
  • NEBnにはBargeが連なっていて、経度はII=210度、241度、276度である。
  • NTZの左端にBarge(II=185度)が見えている。また、右端にもBarge(II=285度)が見えてきた。

No. 28 1999/07/04 19h35m(UT)
I=326.2 II=241.2 III= 74.8
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 4 images composite
Seeing:4/10 Transp.:3/5
  • 明るくなるにつれて、シーイングが少し悪い。
  • SSTBのII=282度付近に濃化部が見える。
  • STBは237度より後方では北に寄って本来の緯度に戻っている。
  • この画像ではNTZの右にBargeが見られない。


Hidekazu Nakanishi (200mm Maksutov-Newton, Starlight Xpress MX5-C Cooled CCD Camara)

No. 3 1999/07/04 18h59m39s(UT)
I=305.3 II=220.5 III= 54.1
ALTER8N 200mm Maksutov-Newton, ST9mm(f/57)
Starlight Xpress MX5-C, Exp: 1.6sec.
Seeing:3-5/10

画像強調:伊賀
  • うろこ雲がかなり多量に見られ、雲の隙間をついての撮像です。また風も比較的強くシンチレーションは悪い方です。
  • 今回はうまくフラット補正が出来ず、すこし画像にごみがのってしまいました。すこし恥ずかしい画像ですが、100枚ほどの中ではこの画像が一番ましなので送ることにしました。m(_ _)m


Yukio Oshihoi (210mm Newton, Digital still camera NEC PICONA)

No. 5 1999/07/04 20:01:56(UT)
I=342.7 II=257.6 III= 91.2
210mm Newton(F5)
NEC Picona 1/7sec
single frame

  • すっかり寝過ごしてしまって、気が付いたら4時半を回っていた。夜はすっかり明けて、木星を眼視で見つける事もできなかった。双眼鏡を取り出し、ようやく木星を見つけて望遠鏡に導入したら朝日がベランダに差し込んできた。(朝日が目にしみる。最悪だ!!)
  • しかし、梅雨時の貴重な晴れ間なので気を取り直して20コマ程撮像したが、コントラストがなく良い画像はなかった。
  • STBがCM前方より南(画像の上方)にシフトしている。
  • NEBnにBargeがCMの前方と後方に2ヶ所見られる。
  • SEBには活発な活動は見られない。 


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