ALPO-Japan: Jupiter Section (July 8, 1999)

1999年 7月 8日の木星

伊賀祐一、新川勝仁、堀川邦昭、前田和儀
Y.Iga, M.Niikawa, K.Horikawa, K.Maeda


July 8, 1999(UT)

●Summary
大赤斑の真南をSTBsの暗斑(#3)が通過しています。大赤斑の経度はII=67度、暗斑はII=65度に位置し、丸い暗斑に見えます。SSTBにはII=75度とII=119度に小白斑が見られます。

新川氏の画像、伊賀のNo.31、前田氏のNo.11にはBE/FAが観測されました。BEは周囲を暗いエッジが囲み、経度はII=129度です。その後方にはFAが位置し、経度はII=144度です。残念ながら2つの白斑の間にあるSTBの白斑は見えませんでしたが、間のSTBの濃化部は顕著に見えます。

大赤斑後方のSEBsがずいぶんと淡くなりました。顕著な白斑は見られず、全体が淡くなっているようです。この現象はNo.31の画像の右端に見えるSEBcのRed Streak(II=150度付近)まで続いています。

NEBには大きなRift構造が見られ、また左のNEBnにはBargeの連鎖が見られます。

この経度のNTBは濃いベルトです。NNTBのII=110度と121度にやや暗い暗斑が見られ、またNNNTB以北には濃い暗斑がいくつか見られます。


Masahito Niikawa (280mm SC, Digital still camera Minolta DimageEx1500)

1999/07/08(UT)

No.19 16h47m10s(UT) I=135.3 II= 20.7 III=215.3 6 frames composite
No.20 18h50m40s(UT) I=210.6 II= 95.3 III=290.0 3 frames composite
No.21 19h00m51s(UT) I=216.8 II=101.5 III=296.1 7 frames composite
No.22 19h09m17s(UT) I=221.9 II=106.6 III=301.2 7 frames composite
No.23 19h22m08s(UT) I=229.8 II=114.3 III=309.0 8 frames composite
No.24 19h29m23s(UT) I=234.2 II=118.7 III=313.4 8 frames composite


Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera :Minolta DimageEx1500 Digital Camera 
        taking lens removed
Effective F No.: 25 (XP24mm Eyepiece Projection)
Filter: IR cut & Low-pass built-in the camera
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 1/4 sec
Analog gain:18dB
Seeing:7-8/10 Transp.:3/6

Image Processing

The Maximum Entropy Method deconvolution after composite of the original taking images. And enhanced with the unsharp masking method.

Comment

土曜日(7/10UT)はなんとか4時頃起きることができ、GRS付近の詳細をとらえることができた(と思っています)

画像処理の領域が256×256ピクセルが限界ですので、通常ですと、ノイズ低減も兼ねてサイズを縮小するのですが、今回は、シーイングが比較的良かったこともありますので、ほぼ原寸で、GRSの周囲のみを切り出して処理してみました。薄明中ですが、薄明の影響はほとんどありませんでした。

シーイングが良いとPiconaとDimageの分光特性の差が少し気になります。


Kuniaki Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)

No. 17 1999/07/08 18h12m(UT)
I=187.7 II= 72.6
Seeing:4-5/10 Transp:4-5/5
160mm Newton x200
観測コメント
  • RS淡く赤みも弱い、やや小ぶりに見える
  • RS後方のSEBZには白斑がひとつあるのみ、後方へ白い尾を引いているが活動弱い
CMT観測 (時刻はUT)
27. 1999/07/08 17:59EZN DFESTC1179.8
28. 1999/07/08 18:02STRZ DRS C2 66.5
29. 1999/07/08 18:17STRZ DRS F2 75.6
30. 1999/07/08 18:27SEBZ WOVALC2 81.6
31. 1999/07/08 18:41EZN DFESTC1205.4


Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 30 1999/07/08 18h45m(UT)
I=207.1 II= 91.9 III=286.5
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 4 images composite
Seeing:5/10 Transp.:2/5
  • 大赤斑の真上にSTBsの暗斑(#3)がII=65度にあり、斜めに伸びていたものが暗斑状になっている。
  • 大赤斑の経度はII=67度。STBが淡く見え、右端にBEが見えてきた。
  • 大赤斑後方からSEBsがずいぶんと淡くなってきた。
  • 大赤斑の右上のSSTBの小白斑(II=75度)がある。
  • NEBnのCM左にはBarge状の連鎖が見られる。
  • 本体の右にイオが写っている(ずいぶんと淡い)。

No. 31 1999/07/08 19h13m(UT)
I=224.2 II=108.8 III=303.5
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 5 images composite
Seeing:6/10 Transp.:2/5
  • SSTBのCM後方に小白斑(II=119度)がある。この領域はSSTBとSSSTBが一体として濃い。
  • BE(II=129度)の周りは暗いエッジが囲んでいる。その後方にはFA(II=144度)が続く。2つの白斑の間のSTBの白斑は見えない。
  • SEBsが大赤斑後方から淡くなっており、右に見えてきたSEBcのRed Streakまで続く。
  • NEBnの左のBargeの連鎖は顕著である。
  • NNTBにやや暗い2個の暗斑(II=110,121度)がある。
  • この領域のNNNTB以北には濃い暗斑群が連なっている。


Kazuyoshi Maeda (280mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 10 1999/07/08 18h51m(UT)
I= 52.7 II=305.1 III=139.5
280mm Newton
NEC PICONA 1/7sec


強調画像作成:伊賀

No. 11 1999/07/08 19h01m(UT)
I=216.9 II=101.6 III=296.3
280mm Newton
NEC PICONA 1/7sec


強調画像作成:伊賀

No. 12 1999/07/08 19h29m(UT)
I=233.6 II=118.2 III=312.8
280mm Newton
NEC PICONA 1/7sec


強調画像作成:伊賀

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