ALPO-Japan: Jupiter Section (July 23, 1999)

1999年 7月23日の木星

安達 誠、池村俊彦、堀川邦昭
M.Adachi, T.Ikemura, K.Horikawa


July 23, 1999(UT)

●Summary
池村氏の画像および安達氏の眼視は、素晴らしいシーイングに恵まれ、詳細な観測が得られました。

堀川氏は大赤斑からBE/FAの経度を観測され、BEが119度、FAが134度をCMTから得られています。

STBはFAより後方で濃いベルトですが、II=180度のSTBの淡い白斑で分岐が見られます。これより後方では右斜め上にSTBが暗斑の連続としてSSTBに合流しています。一方本来の緯度にはSTBnだけが淡いが細いベルトとして観測されました。さらに南方のSSTBはSSSTBとの間が濃く見え、内部に小白斑がいくつか観測されました。

SEBZは赤味の強いSEBcが見られ、そこより南半分は濃く、北半分は明るくない白斑の連鎖として淡化して観測されました。SEBsの南縁にはグレーの暗斑と白斑が入り交じった模様がSTrZに滲み出したように見えます。また、淡化した北半分にはかろうじてSEBnのエッジが見られます。全体としてSEBZは淡化傾向になりました。

NEBは複雑な模様が随所に見られ、活発な活動が観測されています。全体としてはNEBnが濃く、所々のNEBnにBargeがあり、北縁は細長い湾入がBargeの間に見られます。NEB内部には斜めに横切るRift構造や白斑が見られます。注目する模様に、II=207度に見られるBarge状の模様があり、やや北寄りのNTrZに位置しています。これが1976年に見られたLittle Red Spot(LRS)です。まだ、完全なBarge状の楕円形になっておらず、成長過程にあるのではないかと考えられます。このLRSの後方のNTrZにも小さなBarge状(II=229度)のものがあり、細いフィラメント状に伸びています。これから両者はどのように変化するのか注目してください。

NTBは太いベルトとして観測されました。このNTBのすぐ北のNTrZにBarge(II=197度)があります。シーイングが良くないとNTBnの突起のように見えますが、池村氏の画像と安達氏のスケッチではきれいなBargeとして分離して見えています。

NNTBにはII=169〜229度まで濃いBarが観測されており、さらにII=213度にはNNTBsに突出したProjectionが見られます。


Kuniaki Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)

No. 21 1999/07/23 16h01m(UT)
I=315.6 II= 86.8
Seeing:3/10 Transp:2-3/5
160mm Newton x200
観測コメント
  • 梅雨明けというのにシーイングは極めて悪い
  • RSはかなり淡い
  • SEBはほぼ一様に暗く濃淡はほとんどない、濃度はNEBと同じかやや劣る
  • SEB上の黒点はI shade
CMT観測 (時刻はUT)
47. 1999/07/23 15:43STRZ DRS F2 75.9
48. 1999/07/23 16:19EZN DFESTC1326.6


No. 22 1999/07/15 17h20m(UT)
I= 3.8 II=134.5
Seeing:3-4/10 Transp:3/5
160mm Newton x200
観測コメント
  • BE、FAとも極めて捉えにくい、従ってCMTの確度は低い
CMT観測 (時刻はUT)
49. 1999/07/23 16:55STB WBE C2119.4
50. 1999/07/23 17:19STB WFA C2133.9
51. 1999/07/23 17:45EZN DFESTC1 19.0


Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 27 1999/07/23 18:51:40(UT)
I= 59.1 II=189.3 III= 28.0
De= +3.3 E.Dia=40.20"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/34
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
7 images composite


No. 28 1999/07/23 18:52:58(UT)
I= 59.8 II=190.1 III= 28.8
De= +3.3 E.Dia=40.20"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/34
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
5 images composite


No. 29 1999/07/23 19:06:16(UT)
I= 67.9 II=198.1 III= 36.8
De= +3.3 E.Dia=40.20"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/52
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
4 images composite


No. 30 1999/07/23 19:07:16(UT)
I= 686.6II=198.8 III= 37.4
De= +3.3 E.Dia=40.20"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/52
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
3 images composite


Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)

No. 5 1999/07/23 19h15m(UT)
I= 73.9 II=204.0 III= 42.7
310mm Newton, x400
Seeing:7/10 Transp.:3/5
  • SSTBは淡く,たくさんのDSが並んでいる。しっかりとはつかみきれなく,代表的なもので目立つものを記録にとどめた。
  • NTZのBARGEはたいへん濃くよく目立つ。
  • NNTBの中央の南側にプロジェクションがあるが,そのすぐ右には小さなWSをともなっており,まるで昨年のNTBsに出た高速後退暗斑の形状と非常によく似ている。
  • SSTBはL2=230°から右上がりになっている。
  • SEBsのDSは色がグレイに見える。
  • NEBは非常に複雑になって見える。
  • NTrZのL2=225.1に注目すべきストリークが見られる。

  • SSTB is dark spot chain, but nothing evident spot.
  • BARGE on NTZ is very dark and conspicuously.
  • NNTBs have a Projection. Following end of this Projection have a little WS. This appearance is similar to NT-c dark spot.
  • Dark spot on SEBs is grayish.
  • SSTB leaned on the right.
  • NEB is very complex seen.
  • The streak (L2=225.1 NTrZ)is very interesting.


No. 6 1999/07/23 19h42m(UT)
I= 90.4 II=220.3 III= 59.0
310mm Newton, x400
Seeing:7/10 Transp.:3/5

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