ALPO-Japan: Jupiter Section (July 24, 1999)

1999年 7月24日の木星

安達 誠、伊賀祐一、池村俊彦、奥田耕司、堀川邦昭
M.Adachi, Y.Iga, T.Ikemura, K.Okuda, K.Horikawa


July 24, 1999(UT)

●Summary
大赤斑の前方の経度の観測で、池村氏のNo.31と奥田氏の画像は詳細な様子が捉えられています。

STBはSTBnだけが細く見えていますが、その上にSTBsの暗斑がいくつか並んで観測されました。昨シーズンは非常に顕著だったSTBs暗斑(#1)は、池村氏のNo.31の中央やや左のII=341度に見られ、そのすぐ後方のII=350度、8度にも暗斑が見られます(伊賀の画像や奥田氏の画像参照)。池村氏のNo.32や奥田氏のNo.21ではSTBs暗斑(#2)がStreak状に見えてきています。SSTBは池村氏のNo.31ではっきり分るように、太いSSTBの内部が淡くShade状になっています。堀川氏はSSTBが二条になっていると報告されています。

SEBの南半分は赤味が強く、SEBcとSEBsが濃い見えています。対照的に北半分はSEBnのエッジだけを残して淡化していますが、内部には小さな明るくない白斑の連鎖のようです。SEBZ全体の淡化現象の過程の解明につながる画像です。

NEBは内部を白いRift構造がうねっており、NEBnは濃く見えていますが、所々のNEBnで大きな湾入が見られます。

NTBnのすぐ北のNTZに2個のBarge(II=325度、347度)が見られ、NTBときれいに分離してみられます。また、この後方のNNTBにも暗斑などがあり、その後方にしっかりとしたベルトが見えてきました。


Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)

No. 7 1999/07/24 18h34m(UT)
I=206.8 II=329.6 III=168.5
600mm Cassegrain, x600
Seeing:3/10 Transp.:5/5
  • NEBnは黄色味を帯びている。
  • EBがよく目立っている。
  • SSTBの南組織はDSが連鎖状に並んでいる。

  • NEBn is yellowish.
  • NEB is conspicuous.
  • South compornent of SSTB is drak spot chain.
  • SEBn is grayish.


No. 8 1999/07/24 19h12m(UT)
I=230.0 II=352.5 III=191.5
310mm Newton, x400
Seeing:4/10 Transp.:5-2/5

Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 35 1999/07/24 18h45m(UT)
I=212.9 II=335.6 III=174.5
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 3 images composite
Seeing:5/10 Transp.:2/5
  • 大赤斑の前方で、STBの中央にSTBsの暗斑(#1)がII=341度に、右側にSTBsの暗斑(#2)が見えている。
  • SSTBは太く濃い。右後方には内部に淡い白斑状模様が見える。
  • SEBは赤味のある濃い南半分と、淡い白斑の連鎖状に淡化した北半分が対照的に見える。
  • NTrZの中央付近に2個のBarge(経度はII=326、345度)がある。


Kuniaki Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)

No. 23 1999/07/24 18h48m(UT)
I=215.4 II=338.0
Seeing:5-6/10 Transp:5/5
160mm Newton x200
観測コメント
  • SEBは北側がやや淡く軽い濃淡が見られるが、全体としては暗く特徴がない
  • NTBのbarは前方のものがやや小さくなったようだ
  • この経度ではNNTB〜NPRが乱れている
  • SSTBは二条になっているようだ
CMT観測 (時刻はUT)
52. 1999/07/24 18:54NTBN DPROJC2341.6
53. 1999/07/24 18:57EZN DFESTC1220.8
54. 1999/07/24 19:08NEBN DBAR C2350.0
55. 1999/07/24 19:35EZN DFESTC1244.0


Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 31 1999/07/24 18:57:00(UT)
I=220.2 II=342.8 III=181.7
De= +3.3 E.Dia=40.33"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/50
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
3 images composite


No. 32 1999/07/24 19:21:26(UT)
I=235.1 II=357.6 III=196.5
De= +3.3 E.Dia=40.33"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 3x f/35
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
4 images composite


Koji Okuda (250mm Newton, BITRAN BT-01 Cooled CCD Camera)

1999/07/24(UT)
No.20 19h10m
I=226.8 II=349.3 III=189.3
No.21 19h23m
I=234.7 II=357.2 III=197.2
250mm Newton, BITRAN BT-01, LRGB
Seeing:6/10 Transp.:9/10

コメント

  • 梅雨があけて、一気にシーイングが良くなり細部が詳細に観測できるようになった
  • NEBからNNTBにかけてのrift及 bargeの構造が特徴的。

カラー合成に使用したフレーム
(JPEG 62KB)

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