August 3, 1999(UT)

●Summary

伊賀の観測は気流が悪い中の観測ですが、STBsの暗斑(#1,#2,#3)が並んでいる様子が見られます。また、大赤斑前方のSEBは北半分がずいぶんと淡化しています。池村氏の画像では、STBsの暗斑(#2)はあまりはっきりとしなくなっています。わずかに16度から28度にかけて痕跡が見られます。一方、STBsの暗斑(#3)は54度に位置し、丸い濃度のあるspotとして見えています。NTZのBarge(#2,#3)は健在です。

池村氏の画像No.45、No.46を注意深くみると、大赤斑から前方のSTrZに淡いStreakが30度付近まで伸びてSTBに合流しています。昨シーズンも8月頃からStreakが前方に伸びていく様子が観測されましたので、これから発達する可能性もあります。

林氏の観測は、No.2がIntegrated Lightで、No.3がR光での画像です。R画像を見ると、STBの右にBEとFAがあり、経度はおよそ114度と130度に位置しています。7月30日および8月1日の観測でも書いたように、BEの周囲を取り囲む暗いエッジが消失しています。

また、林氏の画像で大赤斑本体がR光では中心のコアと前方のエッジが暗く見えています。これは7月30日の池村氏の画像にも現われており、STBの後方からの暗物質が大赤斑の周囲に流れてきているのかもしれません。後日報告のあった池村氏、前田氏のカラー画像でも大赤斑は同様な現象が見られています。大赤斑の経度は68度です。

林氏・池村氏・前田氏の画像からは、大赤斑後方のSEBZのII=86度に小さな白斑が見えます。また、NEBの中央付近には長さ40度ほどの白いRift構造が見られ、ほぼ中央の85度に白斑があります。この白斑は7月30日の池村氏の画像の左端にも観測されています。また、この経度のEZnはPlateuタイプのfestoonが複雑な形状で並んでいます。

堀川氏がNo.33のスケッチで指摘されているNEBの白斑(II=346.8度)は、伊賀・池村氏の画像No.42に捉えられています。NEBsを横に長く白いRiftが流れていますが、堀川氏の言われるようにこの白斑を起点としてRiftが発達する可能性があります。

• 8/1に見たSEBs edgeのbayは不明瞭になっている
• NEB北縁は暗斑やbayによりかなり凹凸が多い

• STBにはもっと濃淡があるが、捉えられない
• SEBは右側ほど北半分が明るくなっている
• NEB内部に核状に明るい白斑がある、新しいriftが発達するのか?
• NTBnのprojectionは良く見るとベルトとは独立した短いstreakのようだ

• 今日も風が強く、条件が悪い。
• STBのCM付近に暗斑が見え、左がSTBsの暗斑(#1)。経度は#1が336度、その後方の暗斑は349度。
• SEBは南半分は赤味が強いが、北半分は淡化している。
• NTZに2個のBargeが見える(II=329、350度）。

• STBにCM右にSTBsの暗斑(#2、ストリーク）が見え、その後方に#3の暗斑が見えてきた。
• STBsの暗斑(#2)の南のII=29度に新たな白斑ができているのかもしれない。
• SEBの北半分は右端の大赤斑前方まで淡化している。

(画像処理：伊賀)

(画像処理：伊賀)