ALPO-Japan: Jupiter Section (August 8, 1999)

1999年 8月 8日の木星

安達 誠、伊賀祐一、池村俊彦、唐沢英行、新川勝仁、前田和儀、米山誠一
M.Adachi, Y.Iga, T.Ikemura, H.Karasawa, M.Niikawa, K.Maeda, S.Yoneyama


August 8, 1999(UT)

●Summary
大赤斑の前方のSTBにはSTBsの暗斑(#1、335度)、暗斑(#2、streakで14〜31度)、暗斑(#3、49度)が並んでいる(伊賀、前田)。前田氏の画像では、大赤斑前方のSTrZにStreakが伸びているのがよく分りますが、今後はこれがさらに前方に伸びていることも考えられます。

Closeup of BE/FA by T.Ikemura

大赤斑の後方にはBEとFAが接近しています。池村氏・唐沢氏の画像は詳細な様子が捉えられており、BEを取り巻く暗いエッジは淡くなりBEがむき出しに近い状態で見られます。FAは暗いエッジで囲まれており、BEとFAの間の小白斑も確認できます。注目の経度は、BEが114度、FAが128度で、2つの白斑の距離は14度で縮小傾向が見られます。

大赤斑の後方のSEBZには、2個の淡い白斑が見られますが、8月3日に見られたような明るさはありません。SEBZは中央のSEBcを残して、相当淡くなっています。SEBcの右端のII=138度に赤いStreakが観測されています。また、II=109度のSEBsにProjectionが観測されました。


Detail of NEB by T.Ikemura(19h44m, II=106)

大赤斑の経度のNEBは白いRift構造が見られ、8月3日に観測されたNEB中央部の白斑もまだ見えていて、かなり複雑な模様になっています。CM後方にはEZnのPlateuタイプのFestoonの根元からNEBnにかけてのRiftも見られます。

イオの影の経過が15h21m(UT)に終了、ユーロパの影の経過が18h51m(UT)に始まりました。前田・米山・池村・唐沢氏の画像にはユーロパの影が写っています。


Masahito Niikawa (280mm SC, Digital still camera Minolta DimageEx1500)
No.31 1999/08/08 16h12m24s(UT)
I=328.4 II=337.4 III=180.3
5 frames composite

No.32 1999/08/08 16h22m12s(UT)
I=334.3 II=343.3 III=186.2
5 frames composite

No.33 1999/08/08 16h12m24s(UT)
I=339.4 II=348.3 III=191.2
4 frames composite

No.34 1999/08/08 16h33m45s(UT)
I=341.4 II=350.3 III=193.2
5 frames composite


Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera :Minolta DimageEx1500 Digital Camera 
        taking lens removed
Effective F No.: 20 (XP24mm Eyepiece Projection)
Filter: IR cut & Low-pass built-in the camera
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 1/15 sec
Analog gain:18dB
Seeing:4/10 Transp.:4/6

Image Processing

The Maximum Entropy Method deconvolution after composite of the original taking images. And enhanced with the unsharp masking method.

まだ、木星の高度は高くない時に撮像しました。
シーイングがさほど良くなかったので、Fを下げてシャッタースピードを切りつめています。
当日は、衛星の経過がおもしろく観察できました。木星の端っこの方で明るく見えるのですね。

Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 43 1999/08/08 17h04m(UT)
I=359.8 II= 8.6 III=211.4
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 4 images composite
Seeing:5/10 Transp.:3/5
  • 雲の切れ間からの観測。
  • 右端から大赤斑が見えてきた。大赤斑の左が濃く、STrZに淡いベルトがあるようにもみえるが、詳細は不明。
  • STBには左からSTBsの暗斑(#1)、CM後方にSTBs暗斑(#2)、右端の大赤斑の左上にSTBs暗斑(#3)が見える。#3の暗斑は形状が横に伸びているのだろうか。
  • SEBは南半分だけが赤味が強く濃いベルトで、北半分は淡化している。
  • NEBは比較的おとなしく感じる。
  • NTZの左に2個のBargeがある(経度は333度、350度)。


Kazuyoshi Maeda (350mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 25 1999/08/08 18h12m(UT)
I= 41.3 II= 49.7 III=252.6
280mm Newton(F4.3)
NEC PICONA 1/7sec


強調画像作成:伊賀

No. 26 1999/08/08 18h17m(UT)
I= 44.3 II= 52.7 III=255.5
280mm Newton(F4.3)
NEC PICONA 1/7sec


強調画像作成:伊賀

No. 27 1999/08/08 18h41m(UT)
I= 58.7 II= 67.0 III=269.9
350mm Newton(F5)
NEC PICONA 1/7sec


強調画像作成:伊賀

No. 28 1999/08/08 20h00m(UT)
I=107.3 II=115.1 III=318.0
350mm Newton(F5)
NEC PICONA 1/7sec


強調画像作成:伊賀

Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)
No. 11 1999/08/08 18h19m(UT)
I= 46.2 II= 54.5 III=257.4
310mm Newton, x400
Seeing:9/10 Transp.:5/5

  • GRS前方のSTBは見えない。
  • GRSは63.6度で、南のエッジはよく分かる。
  • NEBは非常に入り込んでいて複雑に見える。

No. 12 1999/08/08 19h04m(UT)
I= 73.6 II= 81.6 III=284.6
310mm Newton, x400
Seeing:9/10 Transp.:5/5

  • SEBsは濃くシャープでよく目立つ。
  • またSEBZの白斑や暗柱もはっきりしている。

No. 13 1999/08/08 19h45m(UT)
I= 98.6 II=106.4 III=309.4
310mm Newton, x400
Seeing:7/10 Transp.:5/5

  • NTBはいつもの姿になっているが、右側はやや幅が広くぼんやりとしている。


Seiichi Yoneyama (200mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 2 1999/08/08 19:26:20(UT)
I= 86.6 II= 94.6 III=297.5
De= +3.4 E.Dia=42.31"

200mm Newton(F4)
1500m Extender + LV20mm (f/28)
NEC PICONA 1/7sec,
4 frames composite

対象の導入とピント合わせにてこずり、また雲の切れ間を待っていたため、夜明け近くになり画質はあまり良くありません。ピントも少し甘かった様に感じます。

Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 54 1999/08/08 19:34:38(UT)
I= 91.7 II= 99.6 III=302.5
De= +3.4 E.Dia=42.31"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
1 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
5 images composite

  • BE FA が詳細に写りました。BEは台形になっています。FAは左隣の白斑と合体しようとしているのでしょうか。あやしい姿です。


No. 55 1999/08/08 19:36:00(UT)
I= 92.5 II=100.5 III=303.3
De= +3.4 E.Dia=42.31"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
1 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
4 images composite


No. 56 1999/08/08 19:42:12(UT)
I= 96.3 II=104.2 III=307.1
De= +3.4 E.Dia=42.31"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
1 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
6 images composite


No. 57 1999/08/08 19:44:18(UT)
I= 97.5 II=105.5 III=308.4
De= +3.4 E.Dia=42.31"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
1 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
6 images composite


Hideyuki Karasawa (300mm Newton, Digital video camera Panasonic NV-QJ100 3CCD)

No. 10 1999/08/08 19h35m(UT)
I= 91.9 II= 99.8 III=302.7
25 frames composite

300mm Newton(F6.5)
Digital Video camera Panasonic NV-DJ100 3CCD
画像強調:伊賀

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