ALPO-Japan: Jupiter Section (August 17, 1999)

1999年 8月17日の木星

安達 誠、伊賀祐一、池村俊彦、嶋田俊之
M.Adachi, Y.Iga, T.Ikemura, T.Shimada


August 17, 1999(UT)

●Summary
池村氏の画像は細かな模様までよく写っていますが、SSTBは二条に分かれて見えていて、II=254,261度に暗部があります。STBはたぶんSTBnだけが細くベルトとして見えていると思われますが、II=257度のSTZにBarge状の暗斑が見えていますが、これもSTBsに属するものかもしれません。

SEBsには暗い暗斑が流れているようで、ProjectionやBayが見えています。SEBZの南半分は赤味が強く、中央を暗い細いベルトが区切っています。この北側のSEBZは小さな白斑がつらなって見られ、全体として淡くなっています。

NEB内には長い経度に渡るRift構造が走っており、1本は228〜272度に、もう1本は278〜306度に見られます。II=265度のNEBsにきれいな小白斑が見られます。NEB北縁は濃いベルトがうねっていますが、NTrZの白雲が大きく湾入しています。この白雲の北縁には非常に細いベルトが見られます。

新たな会員となられた嶋田氏からの画像が届きました。15cmマクストフカセグレインでのカラーフィルムによる撮影です。15cmの能力を十分に生かしたイメージで、これからの活躍を期待しています。


Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 44 1999/08/17 15h35m(UT)
I=287.0 II=227.5 III= 72.8
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 3 frames composite
Seeing:5/10 Transp.:2/5
  • STBは気流が悪く、淡くてよく分らない。
  • SEBZは北半分が淡くなっている。
  • NTZの左端のII=204度にBargeが見えている。

No. 45 1999/08/17 15h59m(UT)
I=301.6 II=242.0 III= 87.3
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 3 frames composite
Seeing:5/10 Transp.:2/5
  • STBが細く見えてきた。
  • SEBZの北半分は淡化していて、かろうじてSEBnが見えている。
  • NEBnのCM左のII=238度にBarge状の模様があり、その南のNEB内を白いRiftが流れている。
  • NTBsに2個のProjection(I=282,302度)。

No. 46 1999/08/17 16h23m(UT)
I=316.2 II=256.6 III=101.8
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 3 frames composite
Seeing:5/10 Transp.:2/5
  • SEBZの北半分はきれいに淡化してきている。
  • NEBは複雑で、NEBsのCM付近のII=263度に白斑があり、そこを起点としてRiftが後方に流れている。
  • NEBnのII=249度に大きな湾入が見られるが、黄色味を帯びた白斑のように思える。


Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 61 1999/08/17 16:24:30(UT)
I=317.2 II=257.5 III=102.7
De= +3.5 E.Dia=43.53"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/41
1 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
4 images composite



Toshiyuki Shimada (150mm Maksutov-Cassegrain, Fuji Color Super400)
No. 1 1999/08/17 16h43m(UT)
I=328.5 II=268.6 III=113.9
150mm Maksutov-Cassegrain, Or6mm(f/180)
Fuji Color Super400, 5 sec, 3 images composite
Seeing:7/10 Transp.:3/5
No. 2 1999/08/17 17h40m(UT)
I= 3.2 II=303.1 III=148.4
150mm Maksutov-Cassegrain, Or6mm(f/210)
Fuji Color G Ace800, 5 sec, 2 images composite
Seeing:7/10 Transp.:3/5

Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)
No. 25 1999/08/17 18h48m(UT)
I= 45.3 II=344.7 III=189.9
310mm Newton, x400
Seeing:7/10 Transp.:4/5

  • STBsの暗斑(#1)がよく見える。STBの中央にあるように見える。
  • STBsの暗斑(#2)の後端は不明瞭。
  • SEBsの中央付近はシェードされている。
  • SEBnは中央右側では比較的幅が広い。SEBnは青味がかっている。
  • NTBの中央の暗斑は非常に暗くてよく目立つ。

No. 26 1999/08/17 19h47m(UT)
I= 81.3 II= 19.7 III=225.6
310mm Newton, x400
Seeing:6(7)/10 Transp.:3/5

  • STZの暗斑は濃さが低くなり、見づらくなりつつあるようだ。
  • GRS直前のSTBは存在がはっきりしない。
  • SEBsは濃く、シャープでよく目立っている。
  • NEB中央の長いRiftはしずく型のStreakが並んでいる姿で見えている。
  • NTBは中央右において南組織が細くて濃いベルトになっている。この部分は暗斑はなく、安定した見え方になっている。


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