ALPO-Japan: Jupiter Section (August 19, 1999)

1999年 8月19日の木星

安達 誠、伊賀祐一、池村俊彦
M.Adachi, Y.Iga, T.Ikemura


August 19, 1999(UT)

●Summary
池村氏の画像で、II=200度のNEBnにオレンジ色をしたSpotが観測されました。このSpotは以前はNEBnの大きなBargeでしたが、次第に形が崩れていました。今回の観測では、2個のSpotが再び形成されています。Little Red Spot(LRS)ではないかと言われていたものですが、再び新しい変化が起こっているようです。また、NEBnに大きく湾入している領域は、明らかに黄色を帯びています。

SEBZは赤味の強い南組織と淡化傾向にある北組織に分かれています。よく見ると、SEBsには暗い斑点が数多く見られ、SEBの中央部に暗いSEBcが見えていて、4層構造になっています。SEBcはII=180度付近から後方で、北に寄って淡くなっている北組織の幅が狭くなっています。そして、II=220度のSEBcに顕著な白斑が見られます。この白斑の右上のII=228度にはRed Streakが存在しています。

南半球では、SSTBにはいくつかの小白斑が観測され、経度はII=174,210,224度です。STBはこの経度ではSTBnだけが淡く見えており、左側で分岐したベルトが斜めにSSTBに合流しています。

北半球では、NTBが1本のベルトとして見えていますが、そのNTBsにはいくつかのProjectionが見られます。これはたぶん北温帯流-C(NTC-C)に乗った高速移動暗斑だと思われます。NTBの北のNTZにBarge(II=205度)が見えていますが、今シーズンから出現した3個のうちの1つです。また、NNTBには濃いBARが見られ、所々で切断されています。


Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 47 1999/08/19 16h33m(UT)
I=278.2 II=203.2 III= 49.0
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 3 frames composite
Seeing:4/10 Transp.:2/5
  • 気流が悪くて詳細は不明。
  • STBは淡くて良く見えない。
  • SEBsにProjectionがあるようだ。
  • NEBnのCM付近にNTrZに滲み出したような模様が見える。


Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 62 1999/08/19 16:47:26(UT)
I=287.0 II=212.0 III= 57.7
De= +3.5 E.Dia=43.81"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/41
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
3 frames composite



No. 63 1999/08/19 16:56:04(UT)
I=292.3 II=217.2 III= 63.0
De= +3.5 E.Dia=43.81"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/41
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
4 frames composite



No. 64 1999/08/19 16:57:40(UT)
I=293.3 II=218.1 III= 63.9
De= +3.5 E.Dia=43.81"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/41
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
5 frames composite



Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)
No. 27 1999/08/19 19h18m(UT)
I= 19.4 II=303.4 III=148.7
310mm Newton, x400
Seeing:8/10 Transp.:5/5

  • SSTBは前面が暗斑のようにザラザラと見える。
  • SEBの北組織は白斑の連鎖である。SEBnは極めて淡くなってしまった。
  • NEBはリフト構造の連続となっており、極めて複雑。リフトの中に白斑が並んでいるのが分る。また所々に非常に小さい白斑が見られる。
  • NTBは幅が広い。

No. 28 1999/08/19 20h00m(UT)
I= 45.0 II=328.8 III=174.6
310mm Newton, x400
Seeing:6/10 Transp.:3/5

  • STBに暗斑が見え始めてきた。左側のものが#1だろう。
  • SEBnは両端以外はほとんど見えない。
  • NEBの北縁は極めて微妙で、フィラメント状の暗いStreakがまるでベルトのように並んでいる。
  • NTBはかなり幅が広くなったように思う。


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