ALPO-Japan: Jupiter Section (August 31, 1999)

1999年 8月31日の木星

伊賀祐一、池村俊彦、奥田耕司
Y.Iga, T.Ikemura, K.Okuda


August 31, 1999(UT)

●Summary
SSTBにはいくつかの小白斑が観測されていますが、II=165度の小白斑はやや明るく、周囲が暗い模様で囲まれていて興味深い形状をしています。

STBがII=165度付近からやや南寄りにシフトし、SSTBに合流していますが、II=190度には長さ10度ほどのStreakを形成しています。本来のSTBは淡くSTBnだけが後方に伸びています。

SEBZは大赤斑後方撹乱による白斑から、SEBsを後方に白雲(Streak)が伸びているように見えます。奥田氏のNo.24のCM左の白斑から右上に、池村氏のNo.71のCM左までStreak状に見えます。170度付近から後方では南半分が赤味を持ち、北半分は黄色で淡化傾向が見られます。

NEBは濃度は低くなっていますが、かなり入り乱れた構造をしています。中央部を斜めにRiftが横切り、北縁はBarge状に濃い部分と、NTrZの白雲が深く湾入して箇所が見られます。II=200度のNTrZにはオレンジ色の斑点(Little Red Spotに成長しつつあるようだ)が観測されました。

NTZの212度に3個存在しているBargeの一つが見られます。NNTBには濃いBARが見えています。

この日にはイオ(I)の影の経過が13h20m〜15h30mまで、本体の経過が14h30m〜16h39mまで見られました。池村氏の画像のSEBsにイオ本体の経過が移動していく様子が、伊賀のNo.62で明るく見えるイオ本体が見られました。


Koji Okuda (250mm Newton, BITRAN BT-01 Cooled CCD Camera)

1999/08/31(UT)
No.24 14h25m
I=294.5 II=128.6 III=338.7
No.25 17h04m
I= 31.4 II=224.7 III= 74.8
250mm Newton, BITRAN BT-01, LRGB
Seeing:3-5/10 Transp.:9/10(fog)

コメント

  • GRS後方の白斑が目立つ
  • BE FAの位置だが悪シーイングのためハッキリとしない
  • SEBはCM2=130°あたりからS側が暗くN側が明るい状態が続いている
  • EBは一本のベルトとして見える
  • NEBからNTZにかけてかなり活動的

カラー合成に使用したフレーム
(JPEG 81KB)

Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 71 1999/08/31 15:35:14(UT)
I=338.7 II=172.4 III= 21.4
De= +3.5 E.Dia=45.44"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
4 frames composite



No. 72 1999/08/31 15:43:30(UT)
I=343.7 II=177.4 III= 26.4
De= +3.5 E.Dia=45.44"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
6 frames composite



No. 73 1999/08/31 15:45:56(UT)
I=345.2 II=178.9 III= 27.8
De= +3.5 E.Dia=45.44"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
5 frames composite



Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 61 1999/08/31 15h50m(UT)
I=347.7 II=181.3 III= 30.3
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 4 frames composite
Seeing:4/10 Transp.:2/5
  • SSTBのCM左のII=164度に小白斑が見られ、周りを暗いエッジが囲っている。
  • STBから分岐して南にシフトしている暗斑がII=186度に見える。
  • NEBnのCM後方にLittle Red Spot(LRS)のオレンジ色の斑点が見える。
  • NTZの右にBargeが見えてきた。

No. 62 1999/08/31 16h12m(UT)
I= 1.1 II=194.6 III= 43.6
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 4 frames composite
Seeing:4/10 Transp.:2/5
  • II=214度にもSSTBの小白斑が見える。
  • STBnが細く後方に伸びている。
  • NEBnのLRSは小さいが斑点らしくなってきた。経度は199度。
  • NTZのBargeの経度は211度。
  • SEBsの左にはイオ本体が明るく見える。


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