ALPO-Japan: Jupiter Section (September 2, 1999)

1999年 9月 2日の木星

安達 誠、伊賀祐一、池村俊彦、奥田耕司、根市満之
M.Adachi,Y.Iga, T.Ikemura, K.Okuda, M.Neichi


September 2, 1999(UT)

●Summary
永続白斑BE/FAは、BEがII=101度、FAが115度に位置し、その間の109度に小白斑があります。BE/FAはまだ14度離れています。池村氏の画像から、BEは楕円形ではなく五角形に見え、周囲を暗く囲まれています。中心には暗い模様が見えています。FAは緯度がやや南寄りで、間の小白斑と接近しているように見えます。マージがいつ始まってもよい状態ですので、注意して観測してください。

大赤斑後方撹乱(Post-GRS Disturbance region)の活動が活発になってきました。大赤斑直後のII=87度の白雲の活動(PGD-1)と、II=116度と124度の白雲から後方への活動(PGD-2)と、2つの領域に分かれています。特に後方の白斑の活動のPDG-2は、2個の白斑をつなぐように右斜め上にStreak状に伸びています(池村・奥田・伊賀)。そして、SEBsに沿ってさらに後方にも伸びているようです(奥田)。今後の活動に注目してください。

SSTBの白斑がII=117度にあり(池村)、ちょうどFAの南にあり、これからFAを追い越していくでしょう。また、II=163度にも白斑があり(奥田)、こちらは前後に短いベルトを伴った興味深い形状をしています。

NNTB以北は明瞭なベルトが全く見られない経度があり、一部に濃いBARが見られます(奥田)。

ユーロパ衛星の影の経過が16h00mから18h33mまで見られ、18h20mからユーロパ本体の経過が始まりました。


Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)
No. 38 1999/09/02 14h32m(UT)
I=256.5 II= 75.2 III=284.7
310mm Newton, x400
Seeing:3/10 Transp.:4/5

  • 大赤斑はCMTでII=67.4度。
  • シーイングがよくなく、SEBの撹乱部の小さな白斑は乱れており、形状までは正確につかめない。右端の白斑はやや明るくなったように思う。
  • NEBに目立ったリフトは見られない。


Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 74 1999/09/02 15:17:14(UT)
I=283.7 II=102.2 III=311.7
De= +3.5 E.Dia=45.70"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
3 frames composite



No. 75 1999/09/02 15:21:14(UT)
I=286.1 II=104.7 III=314.2
De= +3.5 E.Dia=45.70"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
3 frames composite



No. 76 1999/09/02 15:28:38(UT)
I=290.6 II=109.1 III=318.6
De= +3.5 E.Dia=45.70"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
3 frames composite



No. 77 1999/09/02 15:35:44(UT)
I=295.0 II=113.4 III=322.9
De= +3.5 E.Dia=45.70"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
3 frames composite



Koji Okuda (250mm Newton, BITRAN BT-01 Cooled CCD Camera)

1999/09/02(UT)
No.26 15h51m
I=302.9 II=121.3 III=331.9
No.27 16h26m
I=324.3 II=142.5 III=353.1
No.28 16h34m
I=329.1 II=147.3 III=357.9
No.29 16h50m
I=338.9 II=157.0 III= 7.6
No.30 17h01m
I=345.6 II=163.6 III= 14.3

250mm Newton, BITRAN BT-01, LRGB
Seeing:5-6/10 Transp.:8/10

コメント

  • BE FAは非常に淡いが確認できる。FAのほうが明るく見易い
  • GRSは周辺ではあるが赤みは感じない。S側1/3が暗い
  • CM2=120°あたりのSEBの白斑の活動が活発
  • NEBは最も暗い
  • NTBはCM2=150°あたりから濃くなっている
  • NNTBは非常に淡くハッキリしない

カラー合成に使用したフレーム
(JPEG 194KB)

Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 63 1999/09/02 15h52m(UT)
I=304.9 II=123.3 III=332.8
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 4 frames composite
Seeing:5/10 Transp.:3/5
  • BEは101度、FAは114度で、距離は13度離れている。
  • 大赤斑後方撹乱の新しい活動である白斑が明るく見える。II=116度の白斑は明るく、120度に暗い模様で区切られてその後方にも白斑が見える。
  • NEBnの左は暗部の集合のように見える。CM付近の128度には濃い模様が見られ、前後にはNEBnへの深い湾入が見られる。
  • NNTBは右に濃いベルトが見えてきたが、それまでの経度はベルトはないようだ。

No. 64 1999/09/02 16h03m(UT)
I=311.6 II=129.9 III=339.4
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 3 frames composite
Seeing:5/10 Transp.:3/5
  • SEBZの大赤斑後方撹乱の新しい活動領域は、後方のII=130度付近まで斜めに白いStreakが見える。
  • SEBcのRed Streakは、この白雲の影響を受けずに存在している。


Mitsuyuki Neichi (200mm Newton, Digital still camera NEC PICONA)

No. 18 1999/09/02 18:15:16(UT)
I= 32.2 II=209.8 III= 59.4
De= +3.5゜E.Dia=45.72"

(強調画像:伊賀)
20cm F8ニュートン反射(苗村鏡)
テレビュー3Xバーローレンズ 合成F24
NEC PICONA 1/7秒 3枚コンポジット
アンシャープマスク処理 2°プリズム
透明度 9/10 シーイング 8/10


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