ALPO-Japan: Jupiter Section (September 11, 1999)

1999年 9月11日の木星

安達 誠、薄出敏彦、忍穂井幸夫、嶋田俊之、新川勝仁、米山誠一
M.Adachi, T.Usude, Y.Oshihoi, T.Shimada, M.Niikawa, S.Yoneyama


September 11, 1999(UT)

●Summary
安達氏と嶋田氏は少し条件が悪かったようですが、大赤斑前方のSTBの暗斑群やNEBの大きなRift構造など全体的によく捉えています。

新川氏・薄出氏の画像はシーイングもよく、大赤斑から大赤斑後方撹乱の様子やBE/FAの様子が詳細に捉えられています。忍穂井氏は那賀川町の25cm屈折による画像です。

大赤斑は東西に暗部があり、輪郭がはっきりとしてきています。BEFAは条件のよい新川氏と薄出氏の画像では、間の小白斑も健在で、マージはまだ始まっていません。BEは5角形の形状で北側が開いていて、FAはやや南寄りで明るく見えています。FAの南側を通過しているSSTBの小白斑の動きにつれて、FAの周りの様子が変化してきています。

大赤斑後方撹乱は、条件がよくない場合はSEBZ全体が淡く見えるようですが、新川氏・薄出氏の画像では9日の観測からの変化が見られます。前端部の白斑は1個だけが明るく見えています。中央の丸い暗斑は位置が前進しているようです。110度付近の白斑は再び2個明るく見えています。この白斑に伴うStreakは後方に伸び、SEBsに沿ってさらに後方まで伸びています。Streakのすぐ北のSEBcのRed Streakも健在ですが、形がかなり斜めになってきました。

NEBの北縁は大きな暗部が細かな斑点に分離しており、内部に白斑が東西につながっています。湾入している箇所には白斑が存在しています。


Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)
No. 42 1999/09/11 14h25m(UT)
I=234.1 II=344.2 III=196.1
310mm Newton, x400
Seeing:3/10 Transp.:2/5

  • STBはたくさんの暗斑の連続に見える。
  • SEBの北半分は白斑がつながっている。
  • EZは全体的に暗い。


Toshiyuki Shimada (150mm Maksutov-Cassegrain, Drawing)
No. 7 1999/09/11 15h46m(UT)
I=282.3 II= 32.1
150mm Maksutov-Cassegrain, Or7mm x214
Seeing:5->3/10 Transp.:3/5
  • 観測中にシーイングが悪化した。
  • STBに二つの暗部が見える。右側の方が明瞭。
  • STBにはもっと細かい模様(白斑?)が見えるが、シーイング悪化でとらえられない。
  • 左端のNEBにリフトがあるようだ。詳細はわからないが、EZにシェードしているように見える。
  • GRS後方のSEBはかなり淡化している。シーイングが悪いとベルトが周辺減光に埋もれてしまい、あたかもベルトがなくなってしまったかのように見える。
No. 8 1999/09/11 16h21m(UT)
I=303.6 II= 53.3
150mm Maksutov-Cassegrain, Or7mm x214
Seeing:5->3/10 Transp.:3/5
  • こちらも観測中にシーイングが悪化した。
  • GRSは前部が明るくなっている。
  • CM右でNEBnがNTrZにシェードしている。
  • GRS後方のSEBはかなり淡い。4日の観測と比較しても、明らかに淡化している。GRS直後に白斑が見えるがその他はかなり複雑で、3/10の悪シーイング下では捉えきれない。

Masahito Niikawa (280mm SC, Digital still camera Minolta DimageEx1500)
1999/09/11 16h09m15s(UT) I=297.4 II= 47.0 III=258.9 12 frames composite
1999/09/11 16h51m40s(UT) I=323.3 II= 72.7 III=284.6 15 frames composite
1999/09/11 17h39m30s(UT) I=352.4 II=101.6 III=313.5 12 frames composite


Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera :Minolta DimageEx1500 Digital Camera taking lens removed
Effective F No.: 25 (XP24mm Eyepiece Projection)
Filter: IR cut & Low-pass built-in the camera
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 1/4 sec
Analog gain:6dB
Seeing:5/10 Transp.:2/6

Image Processing

The Maximum Entropy Method deconvolution after composite of the original taking images. And enhanced with the unsharp masking method.


Yukio Oshihoi (250mm Refractor, Digital still camera NEC PICONA)

No. 18 1999/09/11 16h36m(UT)
I=313.7 II= 63.2 III=275.1
250mm Refractor(F8.9)
Nakagawa Science Center
NEC Picona 1/7sec
4 frames composite


強調画像:伊賀


No. 19 1999/09/11 16h43m(UT)
I=318.0 II= 67.4 III=279.3
250mm Refractor(F8.9)
Nakagawa Science Center
NEC Picona 1/7sec
4 frames composite


強調画像:伊賀


Seiichi Yoneyama (200mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No.14 1999/09/11 16:40:16(UT)
I=316.3 II= 65.8 III=277.7
De= +3.5 E.Dia=46.86"
5 frames composite

No.15 1999/09/11 17:06:40(UT)
I=332.4 II= 81.7 III=293.6
De= +3.5 E.Dia=46.86"
7 frames composite

200mm Newton(F4)
LV10mm (f/27)
NEC PICONA 1/7sec,
Seeing:2/5 Transp:3/5

Enhanced by Y.Iga


Toshihiko Usude (250mm Newton, Cooled CCD Camera SBIG ST-7)

(強調処理:伊賀)
No. 6 1999/09/11 18h01m(UT)
I= 5.6 II=114.6 III=326.5

250mm Newton(F7) 苗村鏡 Or12.5mm
SBIG ST-7, L=R=0.5sec, G=(R+B)/2, B=1.0sec
L: 3 frames composite
Seeing:7/10 Transp:4.5

当日は21時ごろからスリットを開けて準備をしていました。ところが01h過ぎまで、殆ど曇天。諦めて寝ようとしましたが、何となく胸騒ぎがして寝付けず02h過ぎに空を見ると快晴状態。あわてて起きて撮像しました。

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