ALPO-Japan: Jupiter Section (September 26, 1999)

1999年 9月26日の木星

伊賀祐一、嶋田俊之、前田和儀
Y.Iga, T.Shimada, K.Maeda


September 26, 1999(UT)

Summary
台風と秋雨前線の影響で、9月19日以来のBE/FAの観測です。

BEとFAのマージはまだ始まっていない様子です。BEはII=90度、FAは103度に位置し、経度差は約13度です。BEの直前の暗柱ははっきりしていますが、FAとの間ははっきりとしていません。BE本体の北側のSTBは空いており、BEの内部に模様があるようにも見えます。伊賀の画像や嶋田氏の眼視ではBEとFAの間の小白斑は確認できませんが、前田氏の画像でも小白斑は見えないか、もしくは小さくなっているようです(9月23日の前田氏の画像までは確認されています)。一見するとFAが大きく感じますが、FA本体はやや右寄りに位置しているようです。また、BEから前方に伸びていたSTBは、大赤斑に接近したために消失しました。BEとFAのマージは時間の問題のように思われます。大赤斑に急速に接近していますので、その相互作用もあって、大きく変化する可能性があります。

大赤斑本体はII=69度で、南側をやや暗いエッジが取り巻いています。大赤斑後方撹乱に伴うSEBZは白い領域に見えていますが、目立った白斑はありません。嶋田氏のスケッチではII=110度以降の中央組織(SEBc)が濃く描かれています。

NEB北縁は凹凸が多く見られますが、前田氏の画像のII=104度に新たなオレンジ色の楕円形の斑点が出現しました。Bargeというよりも、II=195度に見られるLittle Red Spotの特徴に似ています。


Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 68 1999/09/26 14h25m(UT)
I= 84.3 II= 80.0 III=295.8
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/29)
NEC Picona 1/7sec, 5 frames composite
Seeing:5/10 Transp.:2/5
  • 薄曇の合間をぬっての撮像となった。
  • BE/FAのマージはまだ始まっていないようだ。BEは90度、FAは103度に位置し、経度差は13度。
  • BEの直前の暗柱ははっきりとしているが、BEとFAの間ははっきりしない。
  • FAがやや大きく感じる。BEとFAの間の小白斑は確認できなかった。
  • 大赤斑は69度に位置し、南側のエッジはやや暗く取り囲まれている。
  • 大赤斑直後のSEBZは大赤斑後方撹乱の影響で中央部が淡くなっているが、顕著な白斑は見えない。
  • NEB北縁は凹凸が見られる。


Kazuyoshi Maeda (350mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 50 1999/09/26 14:40:20(UT)
I= 93.6 II= 89.2 III=305.1
350mm Newton(F5)
NEC PICONA 1/7sec
3 frames composite

強調画像作成:伊賀

Toshiyuki Shimada (150mm Maksutov-Cassegrain, Drawing)
No.11 1999/09/26 14h59m(UT)
I=104.0 II= 99.6
150mm Maksutov-Cassegrain, Or6mm x250
Seeing:6-7/10 Transp.:3->1/5
  • 観測中に薄雲に覆われてしまった。
  • FAはBEより南よりに位置し、横長の楕円形をしている。
  • STBは暗斑の連鎖に見える。
  • EZが薄暗くなっている。

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