ALPO-Japan: Jupiter Section (October 1, 1999)

1999年10月 1日の木星

安達 誠、薄出敏彦、奥田耕司、忍穂井幸夫、田中利彦、新川勝仁、前田和儀
M.Adachi, T.Usude, K.Okuda, Y.Oshihoi, T.Tanaka, M.Niikawa, K.Maeda


October 1, 1999(UT)

Summary
少し条件の悪い日の観測のようですが、大赤斑に接近しているBE/FAの様子が捉えられました。新川氏・奥田氏・前田氏の画像からはBE/FAには大きな変化はないようです。BEはII=89度、FAは102度でやはり13度ほど離れています。

大赤斑後方撹乱領域も大きな変化はありませんが、II=113度にやや明るい白斑が見られます。この直後には以前は赤いStreakがありましたが、まったく赤味はなくなりました。

NEBsのII=113度に明るい白斑があり、そこを起点として右下に顕著なRiftが見られます。

新川氏は3時間半もの撮像で、II=60度付近から250度までの領域を見ることができます。15h09mと15h57mの画像で、STBnのII=159度に小さな暗斑が写っていますが、これは9月27日に176度、29日に167度でしたが、やはり同じ速さで前進していることが確認できました。STBn jetstreamに乗っている可能性もありますが、さらに速い気流のような感じです。

田中利彦氏は東亜天文学会(OAA)のメンバーで、今回C11+COOLPIX950(NIKON)で撮影された画像を送っていただきました。


Yukio Oshihoi (210mm Newton, Digital still camera NEC PICONA)
No. 22 1999/10/01 13:55:01-13:55:39(UT)
I=136.3 II= 94.1 III=311.3

210mm Newton
NEC Picona 1/7sec
4 frames composite

10/01(UT)はシーイングがよく、眼視ではかなり詳細に観測する事ができたのですが、薄雲の中にある為に光量不足になりピコナの通常の合成fでは撮れませんでした。(20cmでは辛い)そこでかなり合成fを落として撮像、あとの画像処理で拡大しています。

注目のBE−FA間はまだ12度程度の経度差があり、マージはまだ先のようですが、FAがやや間延びした感じになっています。間のwsも健在ですが、やや小振りになっています。これからGRS上方に差しかっていく時の変化に注目したいと思います。


Masahito Niikawa (280mm SC, Digital still camera Minolta DimageEx1500)

Click to original image(JPEG 145KB)
1999/10/01 14h00m07s(UT) I=139.3 II= 97.0 III=314.2 18 frames composite
1999/10/01 14h07m26s(UT) I=143.7 II=101.4 III=318.6 7 frames composite
1999/10/01 15h09m19s(UT) I=181.5 II=138.8 III=356.0 16 frames composite
1999/10/01 15h56m45s(UT) I=210.4 II=167.5 III= 24.7 15 frames composite
1999/10/01 16h07m42s(UT) I=217.1 II=174.1 III= 31.3 10 frames composite
1999/10/01 17h20m48s(UT) I=261.7 II=218.3 III= 75.5 5 frames composite
1999/10/01 17h32m40s(UT) I=268.9 II=225.5 III= 82.7 3 frames composite


Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera :Minolta DimageEx1500 Digital Camera taking lens removed
Effective F No.: 25 (XP24mm Eyepiece Projection)
Filter: IR cut & Low-pass built-in the camera
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 1/4 sec
Analog gain:6dB
Seeing:5-7/10 Transp.:1-2/6
Image Processing
The Maximum Entropy Method deconvolution after composite of the original taking images. And enhanced with the unsharp masking method.

Toshihiko Tanaka (280mm Schmidt-Cassegrain, Digital still camera NIKON COOLPIX950)

No. 1 1999/10/01 14h03m(UT)
I=141.0 II= 98.7 III=315.9

280mm Schmidt-Cassegrain, LV7mm Collimated
NIKON COOLPIX950, 1/15sec, 4frames composite


Enhanced by Y.Iga

No. 2 1999/10/01 15h46m(UT)
I=203.8 II=161.0 III= 18.2

280mm Schmidt-Cassegrain, LV7mm Collimated
NIKON COOLPIX950, 1/15sec, 4frames composite


Enhanced by Y.Iga

Koji Okuda (250mm Newton, BITRAN BT-01 Cooled CCD Camera)

1999/10/01 14h12m(UT)
I=145.2 II=102.8 III=321.1

1999/10/01 14h26m(UT)
I=153.7 II=111.3 III=329.6

250mm Newton, BITRAN BT-01, LRGB
Seeing:6/10 Transp.:7/10

コメント

  • BE FAとも明るくハッキリ見える
  • SEBcのCMの白斑とその後ろのストリークが目立つ
  • NEB CMのリフトは非常に明るい

カラー合成に使用したフレーム
(JPEG 83KB)

Kazuyoshi Maeda (350mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 54 1999/10/01 14:14:04(UT)
I=105.4 II=105.4 III=322.6
350mm Newton(F5)
NEC PICONA 1/7sec
3 frames composite

強調画像作成:伊賀

Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)
No. 55 1999/10/01 14h34m(UT)
I=160.0 II=117.5 III=334.7
310mm Newton, x400
Seeing:6/10 Transp.:2/5

  • BEとFAはまだmergeしていない。中間の白斑もチラチラ見えている。
  • STBにはいくつもの暗斑があるらしい。
  • 大赤斑のすぐ後方のSEBは明るい白斑はなく、活動は活発とはいえない。CM左の白斑はよく目立つ。
  • EBは濃く、よく目立つ。
  • NTBは幅に差があるが、詳細は不明。

No. 56 1999/10/01 15h40m(UT)
I=200.2 II=157.4 III= 14.6
310mm Newton, x400
Seeing:9/10 Transp.:2/5

  • SSTBはとても小さな白斑がたくさん見られる。主だった4つだけ記録する。
  • STBはCM左でstopしている。ここに輝きのない円形の模様がある。
  • SEBは特に中央から南にかけて、小さな暗斑の集合体のように見える。これまでと少し見え方が異なる。
  • NTBは中心に1本コアのような濃いベルトがあるようだ。
  • NNTB以北は目立ったベルトはなく、明らかに活動が弱くなった。


Toshihiko Usude (250mm Newton, Cooled CCD Camera SBIG ST-7)
No. 8 1999/10/01 15h44m(UT)
I=202.6 II=159.8 III= 17.0

250mm Newton(F7) 苗村鏡 Or12.5mm
SBIG ST-7, LRGB
L=R=0.5sec, G=(R+B), B=1.0sec
Seeing:6/10 Transp:3/5


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