ALPO-Japan: Jupiter Section (October 12, 1999)

1999年10月12日の木星

池村俊彦、中西英和、堀川邦昭
T.Ikemura, H.Nakanishi, K.Horikawa


October 12, 1999(UT)

Summary
池村氏と中西氏の良質な画像から大赤斑の前方の詳細が分りました。

特に注目する現象は大赤斑前方のSEBs〜STrZです。池村氏の画像のSTrZの右に暗斑(II=357度)があり、それを横切るようにSTrZに細いベルトがあります。ベルトの前端は左端まで達し、後端はSEBsのDark Streakまで達しています。SEBsのDark Streakは中西氏の画像に鮮明で、1〜46度までSEBsが盛り上がったように見えます。10月10日の前田氏の画像ではまだ発達していなった様子で、急速にStreakが発達したようです。よく見ると、SEBsを左から後退してきた気流が、このDark Streakで折り返してSTrZの新しいベルトに沿って流れているような循環気流を感じさせます。今後、このDark Streakが発達すると、STrZ DislocationあるいはSTrZ Disturbanceに発達する可能性もあります。注意して観測してください。

STBは、池村氏の画像のII=304、311度にSTBs暗斑(#1)が分裂した暗斑として見え、その後方ではSTBs暗斑(#2)が342〜3度のStreak状に見えます。そして、中西氏の画像にあるようにやや南のSTBs暗斑(#3)が20度に、そしてさらに後方の39度に新しい暗斑が形成されています。この後方ではSSTBに合流しています。

SEBは、南のエッジに暗斑(256,275,296度)があり、SEBの南半分が赤く濃いベルトで、北半分が黄色を帯びて淡くなっています。SEBcのベルトも見られ、SEBnには306〜334度に小さな白斑群が見られます。

NEBはこの経度は細く、内部にRiftが大きく流れています。II=301度のNEBnに小さくてオレンジ色の濃い暗斑があります。NEB北縁には黄色の雲が楕円形にいくつか見られ、さらにNTrZにそれらを取り囲む新しいベルトが見られます。


Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No.115 1999/10/11 13:50:14(UT)
I= 71.8 II=305.6 III=165.7
De= +3.5 E.Dia=49.49"

Enhanced by Y.Iga

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/37
NEC PICONA 1/7sec
4 frames composite



No.116 1999/10/11 13:58:00(UT)
I= 76.5 II=310.3 III=170.4
De= +3.5 E.Dia=49.49"

Enhanced by Y.Iga

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/37
NEC PICONA 1/7sec
4 frames composite



No.117 1999/10/11 14:00:24(UT)
I= 78.0 II=311.7 III=171.8
De= +3.5 E.Dia=49.49"

Enhanced by Y.Iga

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/37
NEC PICONA 1/7sec
6 frames composite



Hidekazu Nakanishi (200mm Maksutov-Newton, Starlight Xpress MX5-C Cooled CCD Camara)

No.30 1999/10/12 15:05:44(UT) I=117.8 II=351.2 III=211.3
No.31 1999/10/12 15:59:18(UT) I=150.5 II= 23.6 III=243.7
No.32 1999/10/12 16:04:48(UT) I=153.8 II= 26.9 III=247.1
No.33 1999/10/12 15:43:02(UT) I=161.0 II= 34.0 III=254.2
Enhanced by H.Nakanishi

ALTER8N 200mm Maksutov-Newton(F6), Or12.5mm(f/50)
Starlight Xpress MX5-C, 0.6sec

Comment
  • 大気の状態が良く、SEBの濃淡がはっきりしている。また北縁と南縁のカルマン流もみえるようか?。
  • フェストーンがEBまで伸びEBが太くなっているように見える。
  • SSTBの暗斑はきれぎれに帯状になっている。
  • FA/BEは残念ながら途中から曇ってきたので観測できませんでした。
  • いつもエンハンスはCCDカメラに付属のフィルターを使っていますが、今回は試みにステライメージ2のウィナーフィルター+アンシャープマスクによるエンハンス像 もアップします。

Kuniaki Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)
No. 72 1999/10/12 16h04m(UT)
I=153.2 II= 26.4
Seeing:6/10 Transp:4/5
160mm Newton x200

観測コメント
  • RS前方の経度だが、SEBはかなり暗く北半分に白雲は見られない
  • EBは顕著で二条のように見える部分もある
CMT観測 (時刻はUT)
238. 1999/10/12 16:01EZN WOVALC1151.4

No. 73 1999/10/12 17h06m(UT)
I=191.1 II= 63.8
Seeing:6/10 Transp:1-3/5
160mm Newton x200

観測コメント
  • RS後方のSEBZにはそれほど大きく明るい、白斑はなく活動がやや衰えたように感じる
  • BE、FAとも明るいが、FAの方がより顕著
  • 突然の雲によりBEのCMTをのがした
CMT観測 (時刻はUT)
239. 1999/10/12 16:59STRZ DRS P2 59.7
240. 1999/10/12 17:14STRZ DRS C2 68.7
241. 1999/10/12 17:17EZN DFESTC1197.8
242. 1999/10/12 17:28STRZ DRS F2 77.1
243. 1999/10/12 18:06STB WFA C2100.1


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