1999年8月8日から11月4日までのBE/FAのメタンバンドのダイジェスト画像をお送りします。各像は4−6枚コンポジットとアンシャ−プマスク処理をしております。
解説-
メタンバンド(893nm)で撮影すると、高層の大気の様子が分ります。大赤斑の渦は周りの大気よりも高い高度まで達しており、メタンバンドではたいへん明るく写ります。同様にSTB Oval(永続白斑)のBEとFAも木星大気の高層まで吹き上げる反時計回りの渦ですから、メタンバンドでは明るく写ります。BEとFAの間にできているSTBの小白斑は、STB Ovalとは逆の時計回りの渦で、これはメタンバンドでは写っていないので、高層まで影響する渦ではないことが分ります。
BEは、可視光では五角形をした形状で、STBに湾入しているだけでなくSTBが途切れて見えるように大きな白斑です。しかしメタンバンドで見る限りでは、BE本体の渦は南半分だけの領域に限定されるようです。また、FAは可視光と同様にBEよりはやや南寄りに位置しています。
BEとFAのマージが予想されていますが、メタンバンドでの画像で高層まで見える渦がマージしたかどうかは重要な要素です。(伊賀)
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