宮崎氏から送られてきた1999年10月-11月の画像には、SEBs jetstreamとSTBn jetstreamに属する暗斑群が撮影されており、さらにこれらの暗斑が大赤斑と相互作用している詳細がまとめられています。
SEBs jetstreamに属する暗斑はSEBsを後退して、大赤斑に出会うとその周りの循環気流に巻き込まれています。暗斑は大赤斑の北側をGRS Bayに沿って進み、一度大赤斑直後に現れた後に、今度は大赤斑の南を前進しています。これらの画像からは暗斑は大赤斑の気流に巻き込まれてしまったようです。緑色、赤色、黄色の矢印がSEBs jetstreamの暗斑を示しています。
STBn jetstreamに属する暗斑はSTBnを前進しています。水色とピンク色の2つの暗斑が前進し、大赤斑の後方に接近した11月3日には1個の暗斑になり、11月6日に大赤斑の右上まで進んだことが追跡されています。
これらの別なjetstreamに属する暗斑群は、11月4日〜6日にかけて偶然にも大赤斑後方の位置に集まり、ちょうど大赤斑の南を通過しているBEとFAの白斑と重なって複雑な様相を示しています。その後はこれらの暗斑は追跡できなかったようで、大赤斑の循環気流に巻き込まれたようです。(伊賀)