しかしながらそのほかについてはシーイングの割にはこんなもんだと思います。最後の3月4日の1枚は納得いく気流に恵まれ、これでよいという観測になりました。たくさんの観測をやらないとよいときに巡り会いませんし、描く度にどことなく違和感のある物が出来てしまい、いやになります。やはりヘボ彗星の影響でしょう。気を引き締めます。
2月24日の観測ではエリシウムが非常に明るく見えました。いつも明るいところですが、今回はそれ以上に明るく、夕方の霧によるものかと思いました。時間とともに夜のほうに入っていき、それにつれて急速に暗くなっていく様子が印象的でした。ただ、エリシウムはやたらと明るく見えることがよく起こる所ですから、異常という程ではないかと思います。
最終の観測でイスメニウムから北極冠の方面に淡い雲かヘイズが覆っているらしく表面の模様がよく見えません。アキダリアの海がみえはじめてもよい頃でも、まったくその気配がありません。普段なら白っぽい所ですが、今回はそうではありませんでした。
北極冠のすぐ東側に大変明るい霧が発生し、北極冠がどこまで広がっているのか分かりにくい状態がありました。幸いにもシーイングがよかったので境目が分かりましたが、悪ければ判別出来ないと思われます。この現象は北極冠ではよく起こる現象なので、驚きませんが、消失時期に出ることもあり、いつまで北極冠が見えているか観測するときの大きな障害となり悩ませられるものです、これから先、本当に北極冠なのか注意しながら観測したいものだと考えています。
左が安達氏のスケッチ、中央がxephem Version3.0のシミュレーション画像、右が浅田氏のCCDイメージです。(伊賀)
Jan 13,1997 20:00(UT) CM=114 DE=+23 S:4/10 T:3/5 |
xephem v3.0 |
浅田氏CCDイメージ Jan 13,1997 19:16(UT) CM=103 |
Jan 13,1997 20:30(UT) CM=123 DE=+23 S:3/10 T:2/5 |
xephem v3.0 |
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Feb 09,1997 19:30(UT) CM=220 DE=+23 S:4/10 T:4/5 |
xephem v3.0 |
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Feb 09,1997 20:20(UT) CM=232 DE=+23 S:4/10 T:4/5 |
xephem v3.0 |
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Feb 24,1997 13:00(UT) CM=350 DE=+23 S:3/10 T:5/5 |
xephem v3.0 |
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Feb 24,1997 13:20(UT) CM=355 DE=+23 S:4/10 T:5/5 |
xephem v3.0 |
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Feb 24,1997 13:40(UT) CM= 0 DE=+23 S:5/10 T:5/5 |
xephem v3.0 |
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Feb 24,1997 14:00(UT) CM= 5 DE=+23 S:5/10 T:5/5 |
xephem v3.0 |
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Feb 24,1997 14:20(UT) CM= 10 DE=+23 S:5/10 T:5/5 |
xephem v3.0 |
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Feb 24,1997 15:20(UT) CM= 25 DE=+23 S:6/10 T:5/5 |
xephem v3.0 |
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Feb 24,1997 15:40(UT) CM= 30 DE=+23 S:7/10 T:5/5 |
xephem v3.0 |
浅田氏CCDイメージ Feb 24,1997 16:01(UT) CM= 33 |
Mar 4,1997 12:20(UT) CM=270 DE=+23 S:4/10 T:2/5 |
xephem v3.0 |
浅田氏CCDイメージ Mar 8,1997 14:38(UT) CM=268 |
Mar 4,1997 13:00(UT) CM=280 DE=+23 S:5/10 T:2/5 |
xephem v3.0 |
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Mar 4,1997 14:20(UT) CM=299 DE=+23 S:5/10 T:2/5 |
xephem v3.0 |
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Mar 4,1997 15:00(UT) CM=309 DE=+23 S:4/10 T:2/5 |
xephem v3.0 |
浅田氏CCDイメージ Mar 8,1997 17:22(UT) CM=308 |
Mar 5,1997 13:50(UT) CM=283 DE=+23 S:4/10 T:2/5 |
xephem v3.0 |
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Mar 5,1997 14:30(UT) CM=293 DE=+23 S:7/10 T:2/5 |
xephem v3.0 |
浅田氏CCDイメージ Mar 8,1997 16:02(UT) CM=288 |