火星 CCD Image (1997年 3月 1/4/5/8/11/12/17/18日)

浅田秀人(九条観測所)

1997年 3月21日

火星観測報告

浅田秀人氏から最接近間近の火星のCCDイメージが送られてきました。
3月前半の火星をコンスタントに、しかも高品質で撮像されています(伊賀)。

1 March 1997 DE=+23 LS=84.1 Dia.=13.4"
17h08m CM = 5 R60
悪条件でよくわからない。北極冠は小さくなったが、まだ見落とすほどではない。R光でテムペが明るく、B光では広い範囲で朝霧が明るい。
4 March 1997 DE=+23 LS=85.4 Dia.=13.6"
16h05m CM = 324 R60
好条件で、大シュルティス〜子午線の湾の地形がよくわかる。R光で北極冠を取り巻く暗色模様が目立つ。
眼視観測では北極冠よりもヘラスが明るい。また、ヘラスはやや黄味を帯びている。朝霧は小さい範囲で明るさは北極冠に及ばない。
5 March 1997 DE=+23 LS=85.8 Dia.=13.7"
15h13m CM = 302 R60
昨夜とほぼ同じ好条件。霧は夕霧が目立ち、朝霧は殆ど見えない。
8 March 1997 DE=+23 LS=87.1 Dia.=13.9"
16h02m CM = 288 R60
ヘラスが最も見やすい経度であるが、北極冠より確実に明るい。西端はエリュシウムが明るく、夕霧状の明るさではない。北半球のウトピア〜ボレオシュルティスを地形図と等しい形に捉えた。
11 March 1997 DE=+23 LS=88.5 Dia.=14.0"
15h09m CM = 249 R60
北極冠がわかり辛い。エリュシウムが相変わらず明るい。
12 March 1997 DE=+23 LS=88.9 Dia.=14.0"
14h57m CM = 237 R60
悪条件(Tra.1/5)で、眼視で北極冠が見えない。しかし暗色模様は細かいものまで全面よく見えた。この火星面で最も明るいのは画像が示すとおり、エリュシウムである。
17 March 1997 DE=+23 LS=91.1 Dia.=14.2"
15h22m CM = 200 R60
眼視観測で、アルカディア地方の夕霧が大変明るく、北極冠に匹敵している。画像では小さな白点状だが、眼視でも同等。朝霧は広い範囲で薄明るいが、R光では全く捉えていない。
18 March 1997 DE=+23 LS=91.6 Dia.=14.2"
14h17m CM = 176 R60
条件がやや悪く、画像では南半球がぼけている。眼視、画像ともプロポンティスIが最も目立っている。


Asada's CCD Image JPEG 41KB

下の画像は、UNIXで稼動するxephem(Version3.0)を利用して、浅田氏のCCDイメージを再現してみました。いかに細部まで撮像されているかが良く分かります。
(火星像の周りの白点は方角を示しています。下が北、左が西です。)

Xephem Image JPEG 46KB

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