1999年 1月 4日の火星

安達 誠


Makoto Adachi (310mm Newtonian, Drawing)

No. 5 1999/01/04 18h40m(UT)

CM=348   De=+22   Ls=79  Dia.=6.5"
310mm Newtonian, x390
S:3/10  T:5/5
No. 6 1999/01/04 19h40m(UT)

CM=  3.1 De=+22   Ls=79  Dia.=6.5"
310mm Newtonian, x390
S:3/10  T:5/5
No. 7 1999/01/04 20h40m(UT)

CM=17.7  De=+22   Ls=79  Dia.=6.5"
310mm Newtonian, x329
S:4/10  T:4/5


Xephem 3.0によるシミュレーション
No. 8 1999/01/04 21h40m(UT)

CM= 32   De=+22   Ls=79  Dia.=6.5"
310mm Newtonian, x390
S:4/10  T:5/5

 LS=79°にあたります。春分まであとわずかになり,北極冠は順調に小さくなってきています。大気中の水蒸気の量も多くなってきており,今回の観測では,南極に霧がかかっているのを初めて確認できました。Deがプラスになっている関係上,南極地方は強烈に見にくく,よほど大きくならないと確認できないのですが,今回は霧を確認することができました。これから,さらにこの霧は大きく成り,7月の南極冠の結成にむけて成長をしていくものと思われます。
 北半球ではMARE ACIDARIUM(アキダリアの海)が良く見える位置になりました。ここは,結構大きな模様なのですが,明瞭な輪郭が捉えにくいところで,初心者にとっては難物の一つです。今回は北半球が大きく見える関係から,このACIDARIUMも大きく見られ,そのすぐ南に接して見られる,NILIACUS LACUS(ニリアカス湖)と合体したように見え,火星面の中央近くまで広がっているかのように見えていました。このすぐ西にはNILOKLERAS(ニロケラス運河)があり,その先端にはLUNAE LACUS(ルナ湖)が確認できました。この部分は北極冠が縮小していくときにいつも濃く見える場所にあたり,普段どおりの見え方をしています。
 南半球は,SYRTIS MAJOR(大シルチス)のすぐ西側からAurorae Sinus(オーロラ湾)までが見える経度が観測できました。有名なSINUS SABAEUS(サバ人の湾)もこの位置に見えることになりますが,そのすぐ南隣にあるDeucalionis Regio(デューカリオン)地方が暗いため,Pandorae Fretum(パンドラ海峡)と一緒になった幅の広いバンド状になって見えていました。Sinus Meridiani(子午線の湾)が濃く見えそうでしたが,今回の観測では確認できませんでした。今年の特徴か,はたまたヘイズがかぶっていたためかは,これから視直径が大きく成ってきてから確認したいところです。(文責安達)

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