Mars Image on April 27, 1999 (ALPO-Japan)

1999年 4月27日の火星

伊賀祐一、池村俊彦、奥田耕司、忍穂井幸夫、新川勝仁、根市満之、林 敏夫
Y.Iga, T.Ikemura, K.Okuda, Y.Oshihoi, M.Niikawa, M.Neichi, T.Hayashi


Toshihiko Ikemura (310mm Newtonian, Digital still Camera NEC PICONA)
1999/04/27 11:42:14(UT) Ls=130.37゜ CM=285.48゜ 4枚コンポジット 1999/04/27 12:07:00(UT) Ls=130.38゜ CM=291.52゜ 6枚コンポジット De=+19.11゜ Dia=16.13" 31cm F5 Xp8mm, 6゜プリズム 合成 F70, NEC PICONA 1/7秒 (強調画像:作成伊賀)
観測コメント
4/27日夜は、良シーイングが1時間ほどあり、必死になって撮りまくりました。今期最良の画像になると思われます。鶴が見えています。

ヘラスの西側1/3が雲が晴れて地肌がみえているようです。
北極冠付近は雲に覆われ、その中央やや左に雪原があるようです。
エリシウムに白雲がずーっと居座っているようです。


Makoto Adachi (310mm Newtonian, Drawing)

1999/04/27 12h40m(UT)
Ls=130° CM=299°
De=+19° Dia=16.0"
Seeing:3/10 Trans.:4/5 x500

1999/04/27 13h40m(UT)
Ls=130° CM=314°
De=+19° Dia=16.0"
Seeing:5/10 Trans.:4/5 x500

Yuichi Iga (280mm SC, Digital still Camera NEC PICONA)
1999/04/27 13h09m(UT)
Ls=130.40゜ CM=306.72゜ De=+19.12゜ Dia=16.13"

280mm Schmidt-Cassegrain, LV15mm拡大
NEC Picona 1/7 sec, 3 images composite
Seeing:4/10 Transp.:5/5
観測コメント
Hellasの雲は明るく輝いている。
Sinus Sabaeusの南のPandorae Fretum辺りは暗くない。
北極冠は小さく見える。そのすぐ右上には朝霧。
Mare Acidaliumの南東のEdenにも朝霧がある。
東端のElysiumには夕霧が見える。

Toshio Hayashi (350mm SC, BITRAN BJ-30L Cooled CCD Camera)
1999/04/27 13h14m(UT)
Ls=130.40゜ CM=307.87゜ De=+19.12゜ Dia=16.13"

350mm Schmidt-Cassegrain
BITRAN BJ-30L Cooled CCD Camera
Single image

Mitsuyuki Neichi (200mm Newtonian, Digital still camera NEC PICONA)

1999/04/27 13:49:40(UT)
Ls=130.41゜ CM=316.57゜ De=+19.13゜ Dia=16.14"
20cm F8ニュートン反射(苗村鏡) 
テレビュー3Xバーローレンズ 合成F24
NEC PICONA 1/7秒     2枚コンポジット
アンシャープマスク処理  2°プリズム
透明度 6/10  シーイング 6/10

強調画像作成:伊賀 (こちらで拡大した画像としました)
観測コメント
透明度、シーイング 共に非常に悪い。

Yukio Oshihoi (210mm Newtonian, Digital still camera NEC PICONA)

1999/04/27 14:13:32-14:14:56 (UT)
Ls =130.40゜ CM=322.26゜ Ds=+19.13゜ Dia=16.14"
210mm F5 Newtonian  5 images composite
Digital Camera NEC Picona 1/7"
強調画像作成:伊賀
観測コメント
今夜は9時から12時すぎまでピコナで撮影していましたが、シーイングが安定せず、時々ハッとするような像が見られるのですがコンポシットできる時間内に連続した画像が得られずに苦労しました。

追記(5/24)
MLにも流しましたが、パップルが4/27日に捉えた北極付近に発生した巨大あらしですが、日本から観測できていたとしても時間的には深夜4時30分前後がCMのだと考えられます。(火星は西の空に沈みかけている時刻)

当日は平日でしたので私は1時で撮像をやめていましたが、0時29分の画像を引っぱり出してきて処理をしてみると、23時14分撮影の画像(公開済)よりも顕著に雲が写っているように思います。

この雲が嵐とは別の雲または朝霧なのか判断できませんが、画像を送りますので意見を聞かせてください。


Masahito Niikawa (280mm SC, Digital still camera Minolta DimageEx1500)
とりあえず重要な事実がわかりましたので、いそぎ投函します。
  • Syrtis Majorでブルークリアリングが発生しているようです。
    私の画像で、青画像でもSyrtis Majorが黒く写っています。その他、Sinus Sabaeus,Mare Serpentis 付近も青画像で黒くなっています。本当にブルークリアリングかどうか。私以外の独立観測が望まれます。眼視の方は、青のフィルター観測を!
  • ヘラスの右
    池村さんの観測にあった「ヘラスの右側1/3が地肌の砂のような色になっています。」ですが、私の観測でも、右側半分は、変な形になっています。ただ、地肌というよりは、青画像でうすく明るい部分が広がっています。
    ピコナ画像とだいぶ違いますが、これは、両者の分光感度の違いによると思います。恐らく、赤外感度のあるピコナだと薄い雲を突き破って地肌が見えている可能性があります。私のDimageでは、青で見ているので、薄くなった雲を見ていることになります。
    とにかく一周前のヘラスから変化してきています。
  • MALE Acidarium の北に北極雲より広がった雲が見られます。
    青画像で顕著です。
1999/04/27
Ls  = 130.4, De = +19.1, Dia = 16.1

14h11m36s(UT), CM = 321.9, 5 frames composite
14h33m15s(UT), CM = 327.2, 4 frames composite
14h48m40s(UT), CM = 331.0, 6 frames composite


Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera : Minolta DimageEx1500 Digital Camera
         taking lens removed
Effective F No.: 43 (Or18mm Eyepiece Projection)
Filter: IR cut & Lowpass built-in the camera
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 1/8 sec
Seeing:2/10 Trans 2/6
Image Processing:
  • the Maximum Entropy Method deconvolution after composite of the original taking images (the left images).
  • Enhanced the leftmost images with the unsharp masking method (center).
  • Enhancing the Blue channel layer images with contrast adjustment (the left images) for easy detection of atmospheric phenomena and, hue of these images are inverted (the right images ). The Blue haze is shown as yellow.

青色強調画像はこちら

(JPEG 62KB)

Koji Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 Cooled CCD Camera)
1999/04/27 14h29m(UT)
Ls=129.7° CM=326.8° De=+18.6° Dia=16.1"

250mmニュートン反射
BITRAN BT-01 冷却CCDカメラ
S=7/10 T=3/10(霧)
観測コメント
ヘラスがかなり明るい
北極冠とそのすぐ右側のアキダリア北部が同等に明るい

Mars Today (Makoto Adachi)

Hellas(ヘラス)の西側半分の雲が大きく晴れてきていることがわかります。移動がどの方向になっているのかをこれからしっかりと確認するようにしましょう。

Cimmerium(キンメリウム)のすぐ南隣りのHesperia(ヘスペリア)の中央が暗くなっているのが確認できますが,これは前回の接近では見られなかったことで,今回の接近でやたらと暗くなっている訳がこれでわかりました。時折,部分的に暗くなっていることはよくありましたが,これだけ大規模に暗くなったのは珍しいことです。

新川さんからは注目する観測が寄せられています。blue clearlingです。画像にもあるようにSyrtisからsabaeusuあたりが確認できます。大気の水蒸気が南極地方に集められている状況の中でよく発生しますから,注意して観測していただきたいと思います。

Elysium(エリシウム)の雲が非常によく目立ち,明るく輝くのが印象的でした。地形的によく見られる雲ですが,いつもと余り変わらない見え方でした。

26日に見られたBoreum(ボレウム)の雲は忍穂井さんの画像に現われており,依然白くなっている様子が確認できました。忍穂井さんの画像からは北極冠が中央からずれている様子がよく確認できることから,ひょっとしてまた,新しい雲ができた可能性もあるように思われます。今回池村さんの画像は素晴しいのですが,Hellas(ヘラス)の西側がやたらと暗いのがどうも気にかかります。これからこの部分は注意する必要があります。この暗い部分は明らかにHellasの西側に入り込んで存在するからです。


ALPO-Japan Mars Section