Mars Image on May 16, 1999 (ALPO-Japan)

1999年 5月16日の火星

池村俊彦、根市満之
T.Ikemura, M.Neichi


Mitsuyuki Neichi (200mm Newtonian, Digital still camera NEC PICONA)

1999/05/16 12:56:28(UT)
Ls=139.67゜CM=136.64゜De=+21.74゜Dia=15.64"
20cm F8ニュートン反射(苗村鏡) 
テレビュー3Xバーローレンズ 合成F24
NEC PICONA 1/7秒     3枚コンポジット
アンシャープマスク処理  2°プリズム
透明度 8/10  シーイング 7/10

強調画像作成:伊賀 (こちらで拡大した画像としました)

Toshihiko Ikemura (310mm Newtonian, Digital still Camera NEC PICONA)
1999/05/16 13:48:10(UT) Ls=139.69゜CM=149.24゜ De=+21.75゜Dia=15.64" 31cm F5 Xp8mm, 3゜プリズム 合成 F72 NEC PICONA 1/7秒 5 枚コンポジット (強調画像:作成伊賀)
観測コメント
北極の雲の右側に暗い筋をはさんで雲が見えています。
シミュレーションがなかったら、北極冠に亀裂が入っていると勘違いしていたかもしれません。

オリンポス山の雲が良く晴れています。山頂の位置がわかりにくくなっています。


Mars Today (Makoto Adachi)

Tharsis(タルシス)の雲の輝きがやや低くなってきたもようです。この分だと早く暗くなってしまいそうです。もともと高い山があるところではありませんから,いつまでも続かないと思われます。しかしながら,地形とのかかわりは無視できないでしょう。

15日に引き続き,Propontis1(プロポンティス1)が非常に暗くなっており,今までの中でもっとも暗くなったように思います。北極冠の縮小とともに大気の中に水蒸気が含まれたことにより起こってきた変化かもしれません。またSolis(ソリス)のすぐ西側にあるPhoenicis(フォエニシス)辺りが薄暗くなっているように見受けられます。ここも同じ理由によるものかもしれません。

今回,非常に気になるのは北極地方です。暗く目立つバンドによって大きく二つに分かれたように見えています。これだけ大きいと北極冠というわけでもありませんから,雲が発生しているものと思われますが,非常に暗いバンドができ上がっていることが気になります。ここに,もともと暗い部分があって,それが今まで雲に覆われて見えなかっただけなのかもしれませんが,それにしても余りにも暗くて驚きました。詳しい画像がほしいものです。


ALPO-Japan Mars Section