Mars Image on May 17, 1999 (ALPO-Japan)

1999年 5月17日の火星

池村俊彦、奥田耕司、新川勝仁
T.Ikemura, K.Okuda, M.Niikawa


Toshihiko Ikemura (310mm Newtonian, Digital still Camera NEC PICONA)
1999/05/17 11:41:54(UT) 4枚コンポジット Ls=140.14゜CM=109.58゜ 1999/05/17 11:46:42(UT) 3枚コンポジット Ls=140.15゜CM=110.75゜ De=+21.85゜Dia=15.58" 31cm F5 ニュートン テレビュー5Xバーローレンズ 3゜プリズム 合成 F50 NEC PICONA 1/7秒 (強調画像:作成伊賀)
観測コメント
シーイングはまあまあだったのですが、透明度が非常に悪く拡大しての撮影ができませんでした。
北極は雲に覆われているようで、芯の極冠は見えませんでした。
久々にアキダリア、ソリスが見えてきました。
オリンポス山付近は何もなく、位置さえよくわからない状態です。
ここら一帯が黄色雲に覆われているみたいにのっぺりしています。

Koji Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 Cooled CCD Camera)
1999/05/17 12h42m(UT)
Ls=139.4° CM=124.9° De=+21.3° Dia=15.6"

250mmニュートン反射
BITRAN BT-01 冷却CCDカメラ
S=4/10  T=7/10
観測コメント
北極冠付近が明るくハッキリしている、まだ北極冠が健在か?
ソリスは黒くハッキリしている
ソリスの西側がかなり明るい

Masahito Niikawa (280mm SC, Digital still camera Minolta DimageEx1500)
1999/05/17(UT)
Ls = 140.2, De = +21.9, Dia = 15.6"

14h51m00s(UT), CM = 155.7, 4 frames composite
15h12m53s(UT), CM = 169.9, 8 frames composite
16h08m10s(UT), CM = 174.5, 6 frames composite

Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera : Minolta DimageEx1500 Digital Camera
         taking lens removed
Effective F No.: 34 (XP24mm Eyepiece Projection)
Filter: IR cut & Lowpass built-in the camera
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 1/8 sec or 1/4sec
Seeing:6-3/10 Trans 2/6
Image Processing:
  • the Maximum Entropy Method deconvolution after composite of the original taking images (the leftmost images)
  • Enhanced the leftmost images with the unsharp masking method (center)
  • Enhancing the Blue channel layer images with contrast adjustment. of the leftmost images for easy detection of atmospheric phenomena (3rd left) and,hue of the 3images is inverted (the rightmost images ) The Blue haze is shown as yellow

青色強調画像はこちら

(JPEG 56KB)
Remarks:
  • The clouds are very interesting, Nix Olympica ,THRSIS ARCADIA are doted with clouds. Also UTOPIA is coverd with cloud.
  • Elysium cloud is not seen.

Mars Today (Makoto Adachi)

注目の北極冠はどうやら雲の下のようで,はっきりしません。池村氏のコメントでは核になるようなものがないということです。消失といってよいのか迷うところです。

Arcadia(アルカディア)北方の雲はすっかり輝度をなくしてしまい,普段の様子に戻ってしまいました。この位置には目立った山がないだけにどうしてあのような雲ができたのかがよく分かりません。詳しい地形図をもとに調べ直す必要があると思われます。

Aurorae(オウロラエ)のすぐ西にあるOphir(オフィア)はもともと明るい部分ですが,今回はそのすぐ西側にある雲と一緒になり,明るいバンドができました。一見目立ちますが,大規模な雲が発生したということではないと思います。また,そのすぐ北側のTempe(テンペ)も明るく成っていますが,ここも,もともと明るい部分にあたります。

ちょっと気になるのはSolis(ソリス)のすぐ西側にあるPhoenicis(フォエニシス)辺りが薄暗くなっています。これは一月前(4月15日)には見にくかったところで,季節の移り変わりとともに少し濃くなってきたようです。


ALPO-Japan Mars Section