1998年10月29日の火星

池村俊彦

1998年10月29日


1998-99年の観測シーズンの初めての火星画像です。まだ、視直径は4.6秒ですが、ヘラス、大シュルチスと北極冠が捉えられています。(池村)

1998/10/29 20:19:14(UT)
CM=301.28゜De=+25.10゜Dia= 4.56"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ 2゜プリズム
合成 F48 NEC PICONA 1/7秒

Ls=50°にあたります。春分から夏至への中間地点です。この時期の極冠はまだ大きく見えます。

一見してSYRTIS MAJOR(大シルチス)が見られますし,さらにその南方にあるHELLAS(ヘッラス)も明るく認めることができます。反面,目を北のほうにむけると,SYRTIS MAJORのすぐ北にあるBOREO SYRUTIS(ボレオシルチス)が目を引きます。しかし,この部分は例年と同じ程度の濃さとなっています。

今回の特徴として,そのすぐ西にあるArethusa Lacus(アレツーサ湖)がいつもよりも濃く感じます。まだ視直径が小さいので断定はできませんが,極冠の溶け出す時期でもありますから当然かもしれません。

注意して見ると,MARE ACIDALIUM(アキダリウム海)やSINUS SABAEUS(サバ人の湾)も見えていそうです。(文責安達)


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