木星観測報告 2/11〜3/21
九条観測所: 浅田秀人
- 木星96 初回レポート(3/21)
- 2月11日に今シーズンの観測を始めて、今日までにまだ数回の観測ですが、概況を報告します。
- 全体的な印象は南半球が北に比べやや暗い。目立つ縞はSEBとNEBで、太さ、濃さともほぼ同等。他、常時見えている縞はNTBだけで、STBは経度によっては見えない。
STB以南:
- STBが昨シーズンと同様に螺旋階段状のようで、直北のSTrZが広く見える所と狭く見える所がある。狭く見える部分が通常のSTBだとすると、その経度はII=260〜300付近。II=300から後方は次第に南へシフトしている。
- SPR〜STBは連続した暗部で、その中でSTBはやや濃度を持っている程度。STZが帯状に見えているのはII=330〜?
- 永続白斑は未検出。
STrZ:
- NTrZと共に、木星面で最も明るいzoneである。II=344付近にSEB南縁に接する明部がある。
RS:
- 3月9日に一度だけ見ている。CMT:29h25m頃(II=51付近)
- 昨シーズンよりやや淡いヤマブキ色。アーチ状の取り巻きはないと見た。Seeing 1/10の悪条件の為、確度は低い。
SEB:
- 昨シーズンのような幅太いSEBZはないが、木星面上で最も色の濃いSEBsとNEBより少し淡いSEBnに分かれている。
- SEBs南縁にはII=320〜10付近で起伏が見られる。
EZ:
- STrZ,NTrZに次いで明るい。昨シーズンに比べると、やや明化している。
- フェストーンはNEBに接する付け根部分だけが濃く、長く伸びている様子はあまり見られない。
NEB:
- NEBは経度によって明暗があり、太さも異なる。3月3日に、I=5,II=214付近に淡化部(白斑,リフト?)を見ている。NEBは淡化部の前方で色淡く、後方では通常の濃度である。
- 3月10日には、NEB北縁のII=200付近に白斑を見ている。この近辺で特別な濃淡はないが、上記と経度位置が近いから関わりがあるかも知れない。
- 北縁の目立ったプロジェクションは3月10日、II=205,240の2ヶ所に見ている。北方に膨らみ幅が太くなっているのはII=270付近。
NTB:
- 全周ほぼ均質で、太さはNEBの約1/2. II=330より後方でわずかに細い。
NTZ以北:
- NNTB付近から連続して濃度を増す昨シーズンと同じ状況。
- 尚、NNTBは検出できない。
305mm(反射) 眼視観測 218x,280x 浅田 秀人(京都市・九条観測所)