木星観測報告 9/16〜10/15
九条観測所: 浅田秀人
- 今シーズンの木星の最終レポートです。(おそらく)
- 今シーズンも終盤、この期間に観測(スケッチ)できたのは4回。
- 低倍率(78x)で目立つ模様は、SEB,NEB,NTBの3本のベルトと、EZnの比較的濃いフェストーン。
- また極悪条件時に全体のバランスだけ捉えると、最も明るいのはSTrZ,次がEZ.
- 北半球はNTrZが赤味の強い暗いゾーンになっているため、NEB〜NPRがひとつの濃い領域に見える。
各部の状況
SPR〜SSTB:
- 他と分離したbeltに見えるのはSSTBだけで、それより南は濃淡を感じない。
- SSTB上で濃度のある部分はII=340〜100(?)で、STrZの目立つ白斑からRSの南方で特に濃い。(9/24)
STZ,STB:
- STBは後端だけ測定した。9/26にII=0付近である。STB上で濃度を見たのはFA後方のII=245〜295.(9/18)
- LEBS等は9/18にDE,FAとFA直前のnotchを確認しているが、位置測定はできていない。(9/18)
STrZ:
- 相変わらず明るい。SEBsに接するstreakは確認できない。
- RS前方の白斑の位置はII=19.8(9/26,CMT)で東西の幅は6度。 この他に、II=260付近(9/18),275付近(10/10)に中規模の白斑を見ている。(同一か?)
RS:
- 9/24に見た限りであるが、位置はII=62.0(CMT).RS-bayとの隙間がやや広がったように見える。
SEB:
- SEBnの活動に押され(?)、RS近辺を除いた経度でSEBZが暗化している。その結果、濃淡の少ない1本のbeltに見える部分が多い。
- SEBZに緯度幅があり、また明るいのは、SEBnの細い部分で、RS前方の白斑〜RS直前、及びRS直後である。(9/24,26) この直後は単に明るいSEBZで、白斑状には見えない。
- SEBsはII=355〜60で濃い。(9/24,26)
EZ:
- 全体的に比較的明るい。Festoonが数本並んで見える時にEZnがやや暗い程度である。Festoonは依然、根元部分で強い濃度があり、低倍率の眼視観測で最初に見える模様のひとつである。また、NEBに深く根ざしているものも見られる。
NEB:
- 太さ、濃度は全体的にSEBと同等である。右下がりの濃淡が見られるが、目立ったriftはない。
NTrZ〜NPR:
- NTrZは赤味が強く、明るさはNTZと同等。
- NTBは相変わらず濃いが、やや細くなったか? NTBnは9/18,10/10に見ているが、どらも淡く確度は低い。9/24,26,NTB北縁のII=30付近にbayを捉えている。一方、南縁は10/10,II=285以降で淡くなっている。
- NPR付近の濃度はSPRと同等。