土星のSEBn〜EZsに8月以降、ベルト状の暗斑が出現しているので、その様子を報告する。 今回は、一部を除き、眼視観測では模様の存在を確認するに留め、位置はCCDイメージから求めている。 暗斑を最初に確認したのは8/2のCCDイメージである。それは、SEBnの一部がEZ側に膨らんでいるように見えた。眼視観測で暗斑を確認したのは9/18。その時、暗斑はSEBnから少し離れ、EZsに新たなベルトが形成されたように見えた。 その後の観測で、暗斑はベルトに見える部分と、細くstreak状に見える部分があることを確認している。また、ベルトと別のベルトの隙間は相対的に明るく見え、悪条件での観測時には明斑に見える。しかし、明斑に輝度はなく、現在のところ、それは少なくとも1994年のEZnの白斑よりは暗く、単に暗斑の隙間と見ている。
| |||||||||||||
| |||||||||||||
| |||||||||||||
結果、今回の現象はSEBn〜EZsに発生したベルト状の暗斑としてレポートする。 暗斑の位置を以下に示す。
撮影 Date(UT) 暗斑1 暗斑2 その他の暗斑 始点 - 終点 始点 - 終点 始点 - 終点 8/ 2 17h55m - 137 9/ 3 15h45m 95 - 9/15 15h59m 127 - 9/18 15h39m-16h55m - 125 159 - 211 9/24 16h23m - 179 219 - 9/26 13h15m 9 - 9/27 16h56m-17h24m - 212 251 - 10/ 5 12h20m-15h14m *340 - 80 *眼視の目測 10/13 14h15m-15h08m *310 - 29 36 - *眼視の目測 10/14 13h48m - 61 69 - 10/17 11h59m-14h23m 4 - 56 104 - 10/18 14h03m - 215 10/20 14h05m-14h37m - 82 139 - 10/21 12h13m-12h53m - 140 150 - 225 10/30 14h22m 241 - 282 緯度は9/15,18画像からの計測で、暗斑の中心緯度は-10゜.
暗斑2の始点がコントラスト明瞭で、その計測値からDriftを求めた。
暗斑1,暗斑2の隙間に白斑を見たのは9/18の1回だけである。 暗斑1および暗斑2の終点は見る度に異なるイメージでわかり辛い。
305mm(反射) 眼視観測 326x + CCD / 九条観測所(京都市) 浅田 秀人 |