1996年度最初の例会です。出席者は次のとおり。
安藤和典・安達 誠・奥田耕司・伊賀祐一・中村真三・吉田裕市
当日風邪での欠席通知が何件かあり、基礎講座はできませんでした。講座は次回送りとなりました。今回は木星の合をはさんでの時期となりましたが、奥田氏がただ一人木星の観測をされ、成果をあげられました。京都の浅田氏も観測されていることも例会の席上で報告されました。
東京本部の石橋氏からは土星の今シーズンの観測のまとめを送っていただきましたので、参加者で内容を確認しあいました。
仕事が忙しく、ほとんど何もできていない状況であるとのこと。
10月9日の土星の映像から処理をした土星の映像を持って来られました。
浅田氏からの電話で木星のSTB、NEBが濃く見えているというレポートがあったことが伝言されました。
木星1枚。Ⅱ=123° STB~SSTBにかけて幅が広く暗い。NEB・STB見やすく、シーイング1~2と悪くても何とか見えている。NTBは昨年と違って見にくいとのこと。
風邪で欠席されました、電話の報告では2月19日に土星の環を確認されたようです。
特に活動無し。
安達のスケッチをスキャナで入力した(94年6月以降と95年全て)。360×322ドットの画像にしてあるとのこと。支部の観測者の情報を全て入力していき、検索公開できるする予定。詳しくは以降に連絡あり。
インターネットよりプリントアウトしたHSTの写真を持参され、回覧。木星やガリレオ衛星の顔写真を見て、『ここまで写るか』と、みんなで話し合いました。
明け方にもう15°程になりました。支部では奥田氏が最初の観測をされました。また、浅田氏も観測されているそうです今後観測数も増えることでしょう。恐縮ですが、観測された場合は2~3枚コピーで結構ですので安達までお送りください。支部通信の号外を発行します。特に永続白斑・大赤斑などのCMTがあればなるべく早くお知らせください。スケッチなどのコピーもいいですが、電話での経度の報告もありがたいです。木星面の状況は奥田氏の報告をご覧ください。
石橋氏から頂いたレポート(同封)以外に
11月21日(奥田) 全く見えず
12月 3日(奥田) 見えているかはっきりしない(スケッチにかけない)
12月22日(奥田) 見えているかはっきりしない(スケッチにかけない)
2月19日(浅田) 環を認める(2月12日以降の最初の観測)
さる、2月22日火星観測でおなじみの、佐伯恒夫先生がお亡くなりになりました(享年79才)。安達は葬儀に出席してきました。先生は1月より風邪で入院しておられ、一旦回復されてきていたのですが、前日になって容態が急変し、肺炎にて亡くなられたとのことです。心からご冥福をお祈り申し上げます。
昨年の木星観測者会議の時、次回の開催地については安達が責任をもって探しますと公言したわけですが、ようやく昨年末になり、富山での開催を了承して頂きました。秋になってからの開催となりますが、近畿圏内からは交通の便も良く、たくさんの参加をお願いいたします。
ようやく集録ができあがりました。例会に出席された会員については当日に手渡ししましたが、欠席された方にはこの通信と一緒にお送りすることになりました。原稿がなかなか揃わなく、遅れてしまいましたがご笑納ください。
上記の書物(英国版)の出版されていることは皆さんもご存知のことでしょう。支部のメンバーでも川北氏・須田氏・吉田氏が購入されています。中でも吉田氏は大学生協を通して少々安く入手されたとのこと。例会の当日伊賀氏・安藤氏がさらに購入したいと吉田氏に購入を託されました。支部の中でもかなりの方々が購入されることになりました。これを機に、この書物を使って少しずつ勉強会をしようかということになりました。いきなり難しいことはできませんので、簡単なものから始めるつもりです。
天文ガイドに月惑星研究会関西支部の入会案内を掲載してくれるように依頼しました。いつ掲載されるかわかりませんが、掲載される時までにと思い、入会案内書を作りました。勧誘などに使いたい方は安達までご連絡ください。
伊賀氏が昨年までの経度のCMTを元に、位置の予報を出して頂けることになっています。これから観測シーズンが始まりますが、LEBSの位置を間違わないように注意してください。
月刊天文に安達が木星のビデオによる観測の記事を書いています。望遠鏡に付けて何かやってみようという方は2ヶ月間の連載となっていますので、本屋で立ち読みしてください。
1995年から1996年にかけて、土星の輪の消失があり、その前後には輪が裏側から照らされたり、極めて細く見えたりしました。5月から12月までの31cm反射での観望メモを中心にまとめてみました。特に書いてない時は31cmの反射です。10cmは反射、8cm、6cmは屈折です。なお、私の聞いた範囲での、何人かの方の情報も一緒に入れました。時刻はUTです。
5月19日19h頃 | 輪は細いが良く見える。意外に明るい。シーイングはまずまず。 |
5月22日 4h | 一回目消失E1 |
5月23日18h頃 | 輪は見えない。シーイングは不良。 |
7月10日19h頃 | 輪は微かに見える。右側の方がはっきりし、左側は微か。輪の影が本体に良く見える。NEB、SEBが見え、NEBの方が暗い。 |
7月24日18h頃 | 輪ははっきりせず。右側は目をそらすとあるような気がする。左側ははっきりしない。左側に衛星有り。NEBの方が暗い。 |
7月27日18h頃 | 早朝見るが、輪は見えない。視野の外に本体を出すがスパイダーの散乱より明るくはない。衛星は4つ見える。 |
7月29日19h頃 | シーイングは良好。Or4mm、Or10mmで見る。スパイダーの散乱よりもずっと淡いものが、左側だけあるような気もするが、見えないといった方がよい。 |
8月10日17h頃 | 土星見るが、輪見えず。ただし、透明度不良で、酔ってもいる。 |
8月10日20h | 2回目消失E2 |
8月10日早朝 | 村山氏の話では、ダイニックの60cmで見えたとのこと。20cmでも微かに見えた(15日の電話にて:ただし16日の安達氏との電話では、村山氏がダイニックに来たのは11日のはずとのこと)。 |
8月11日夜 | 安達氏の話では、30cmで見えたとのこと。ただし12日夜の可能性もある(10日の括弧内を参照)。 |
8月12日夜 | 土星曇って、またダメ。 |
8月14日15h頃 | 輪がはっきり見える。NEBの方が暗いようだ。10cmで微かに見え、8cmでは極めて微か。 |
8月15日15h頃 | モヤは昨夜よりあるが、輪は見える。衛星右側に4個並ぶ。 |
8月19日16h頃 | 31cmでは、本体の影よりも輪が少し下にあるように食い違って見える。6cm+Or5mmでも見え、8cm+正立プリズムでも、6cmと同じくらいに見える。4cmに絞るとはっきりしない。 |
8月20日18h頃 | シーイング昨夜より良くない。ファインダー(ニコン5cm、または高橋4cm)でも輪が見える。本体の輪の影、細い。 |
8月24日17h頃 | シーイング良好。ピントルーペでも土星がくっきり見える。 |
8月27日13h頃 | シーイング不良で写真写さず。Or12mmで左側に衛星が多分3つ。右側は1つも見えない。 |
9月10日13h頃 | 輪が良く見える。6cm低倍、4cm(8cmを絞る)K25mmでも見える。 |
9月21日14h頃 | シーイング良好。ピントルーペでも良く見える。本体の輪の影は非常に細く、微かに見える。 |
10月13日13h頃 | シーイング良好。VTR、カラー、U。 |
10月25日10h頃 | チタンの影見える。輪の影(暗い輪の本体か)の上にくっつく。シーイング悪くVTRのみ。 |
10月30日12h頃 | 輪が暗くなる。4cm(8cmを絞る)Or7mmで微か。6cmOr5mmで普通の人はわかりにくい。8cmOr7mmならわかる。10cmは鏡面のほこりのせいか、スパイダーの影響(東西南北に散乱する)か、コントラストが悪い。 |
11月 4日11h頃 | シーイングやや良好。写真写すが雲出る。 |
11月12日 9h頃 | シーイング良好。透明度普通。輪が暗くなる。6cmでは先入観があっても「見えるか」という感じ。8cm、10cmなら微かにわかる。 |
11月17日 9h頃 | 31cmでやっと輪が見える。幅はあるが輝きがなく暗い。シーイングは中位。10cmでは見えず。 |
11月18日 9h頃 | 31cmで輪が微かに見える。うっかりすると見逃しそう。シーイングまずまず。 |
11月18日11h頃 | 繭山氏によれば、20cm200倍でやっと見えるとのこと。 |
11月19日11h頃 | まだ輪が微かに見える。シーイング良好。左側の方が見やすい。Or6mm<Or9mm<Or16mmの順に見やすい。
小石川氏によれば、26cmでも見えたとのこと(電話にて)。 佐藤康明氏によれば、写真に写ったとのこと。20cmか(27日の電話にて)。 白尾氏も見えたとのこと(12月5日の電話にて、35cm反射)。 |
11月19日14h | 第3回消失S |
11月23日 | 白尾氏は、この日か翌日に見て輪は見えないとのこと(12月5日の電話にて)。 |
11月24日夕方 | シーイング良くない。本体上の輪の影、または輪の本体のみ見える。 |
11月27日夕方 | シーイング不良。輪があるような気もするが多分思い込みだと思う。 |
12月 5日10h頃 | シーイングあまり良くないが、時々落ち着く。Or12.5mmで輪が見える。 |
12月10日 9h頃 | 輪が見える。Or9mm、Or16mm見えるが、Or6mmは見にくい。 |
12月14日 9h頃 | 左側の輪は、何とか見える。右側には衛星があり、そのせいか良く分からない。 |
1996年
2月12日 0h | 第4回消失E3 |