解説(安達)
黄雲はチュレニー(Tyrrhenum;240°、-30°)の北部からまっすぐに南に進み、急に西へと方向を転換してヘラス(Hellas;300°、-50°)に進入しています。進入した黄雲は、そのまま西には進まず、方向を急に北に転換して北に進みました。西に進むのが順当だと思われますが、このことからこのときヘラスの盆地では時計と反対周りの風があったものと、考えられます。これら一連の現象からこの付近一帯は黄色っぽいベールをかぶったように見えるようになりました。しかしながら、ヘラスはブルーで撮ると白っぽくなり、白雲が淡く覆っているようです。
北極付近は今まで覆っていたダストストームは、やや淡くなったように観測されました。
Explanations M.Adachi
The dust storm of the Tyrrhenum went to the south. And,it turned to the west. The dust storm entered the south-east Hellas. And, This dust storm turned again to the north. Then, it seems that there is a lot of wind in the Hellas counterclockwise. Near here was covered by dust storms.
Hellas appeared less bright in blue image.
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中西英和 Hidekazu Nakanishi (Meade 250mm SCT, Starlight Xpress MX916 Cooled CCD Camara)
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たびたび雲の塊が飛来して、なかなか撮影しづらい状況でしたが、昨日の変化の続きです。ヘスペリアの部分は、さらにはっきりと南北に分断されています。アウソニアからトリナクリアへもこの変化は広がっています。さらに、南極も白い輝きがなくなっています。
≪愛知県尾西市 中西英和≫
Seiichi Yoneyama(200mm F4 Newton, Digital still camera NEC PICONA)
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梅雨が終わって一挙に夏になったかの様な天気でした。黄雲は、昨晩と同じ様な状態で、東西へは拡大していない様です。
≪神奈川県横浜市 米山誠一≫
Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
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2001/06/27 13:11:53(UT)
Ls=185.53゜CM=249.26゜
De= +5.55゜Dia=20.68"
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/27)
NEC PICONA 1/7sec, 4 frames composite Y.Iga
Seeing:3/10 Transp.:1/5
黄雲を追跡しようと構えていたのですが、あいにくの雲でした。それでも何とか、雲の切れ間から撮像することができました。
Mare Cimmeriumの北東部から発生した黄雲は、26日(UT)には南方向に伸びていましたが、27日(UT)にはやや南東方向に伸び、HespeiaからMare Tyrrhenumの南東部にかけて拡大しているように見えます。
≪京都市山科区 伊賀 祐一≫
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