2008年2月に出現した南熱帯(STrZ)の新しい模様 by Y.Iga New features of South Tropical Zone in 2008 Feburary by Y.Iga |
木星は、2007年12月22日に太陽との合を終えて、新しい観測シーズンに入ってい ます。今シーズンも赤緯が低く、観測時の高度が上がらず、北半球の観測者にと っては厳しいものがあります。南半球の観測者から高解像度画像の報告が寄せら れ、ようやく木星の様子が分かってきました。 2月21日の熊森氏の木星画像で、II=242.6度のSTrZに暗柱(A)が観測されました。 その後、2月24日のAnthony Wesley氏の木星画像でII=242.2度にSTrZの暗い模様 が確認されましたが、どうやら暗柱ではなさそうです。 さらに、2月26日のA.Wesley氏の観測によると、II=183.6度に今シーズンようや く確認されたSTB白斑"BA"の左下(北東)のII=176.3度のSTrZにも、別な暗い模様 (B)が観測されました。この暗い模様は暗斑のように見えます。 2007年1月に14年ぶりに2つの南熱帯攪乱(STrD-1,STrD-2)が観測されましたが、STrD-2 は2007年8月初めに消失し、STrD-1も2007年10月末には形が崩れて行く様子が観 測されました。これらの2つの南熱帯攪乱のドリフトを想定すると、今シーズン の2個のSTrZ暗斑は、その延長上に乗っている可能性があります。2個のSTrZ暗斑 が南熱帯攪乱に成長する可能性もあり、今後の観測に注意が必要です。 ※今シーズンになって、オーストラリアのAnthony Wesley氏から高解像度画像の 報告が続くようになりました。今回のレポートは彼の画像に多くを頼りました。 Birds Astronomy Site http://www.acquerra.com.au/astro/index.html 2月24日の木星観測画像 http://www.cloudynights.com/ubbthreads/attachments/2217003-20080224-183149utc.jpg ≪京都市山科区 伊賀 祐一≫
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